ヨーロッパリーグ(EL)・リーグフェーズ第6節が12日に行われ、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)は敵地でヴィクトリア・プルゼニ(チェコ)と対戦した。
今季のELでは開幕から3戦連続ドローと躓いたものの、ルート・ファン・ニステルローイ暫定監督(現:レスター)の下でPAOK(ギリシャ)を2-0で破り、大会初勝利を飾ると、ルベン・アモリム監督新体制となって迎えた前節はボデ・グリムト(ノルウェー)との撃ち合いを3-2で制す。ここまで2勝3分と無敗をキープしているが、ここから白星の数を増やし、ラウンド16へのストレートインが可能な8位以内を目指したい。
プレミアリーグでは2連敗中と調子を落とすなか、今節は2勝3分の勝ち点「9」で並ぶヴィクトリア・プルゼニの本拠地に乗り込む。マンチェスター・ユナイテッドは直近のプレミアリーグ第15節ノッティンガム・フォレスト戦(●2-3)から5名を変更しており、ブルーノ・フェルナンデスやリサンドロ・マルティネスらは連続して先発に名を連ねた。
試合は序盤からマンチェスター・ユナイテッドがボールを保持。立ち上がりの5分には、ピッチ中央付近でカゼミーロからの縦パスを受けたジョシュア・ざーくツィーが、強引なドリブルでボックス内まで侵入するも、フィニッシュまでは持ち込めない。
時間が経過しても主導権を握ったのはマンチェスター・ユナイテッドだったものの、効果的に相手陣形を動かすシーンは少なく、結果的にチャンスの数も少ないまま時計の針が進む。それでも、31分にはこの日最初のビッグチャンスを作り出す。自陣中央で顔を上げたカゼミーロが前方へ繋ぐと、ザークツィーのポストプレーから、前を向いたB・フェルナンデスがスペースを前進。ペナルティエリア手前の位置から右足を振り抜いたが、ミドルシュートはGKマルティン・イェドリチュカに阻まれた。
スコアレスで後半へ折り返すと、意外な形で均衡が破れる。48分、マンチェスター・ユナイテッドは自陣左サイドでのパス回しから、最後尾でボールを受けたGKアンドレ・オナナがマタイス・デ・リフトへの縦パスを試みるも、狙っていたパヴェル・シュルツがインターセプト。中央への折り返しをマテイ・ビドラがダイレクトで沈め、ヴィクトリア・プルゼニが先手を取った。
主導権を握りながらも先手を取られたマンチェスター・ユナイテッドは56分、マーカス・ラッシュフォードを下げてラスムス・ホイルンドを投入。すると、このストライカーがチームを救う大仕事を果たした。62分、アマド・ディアロとのワンツーで自陣からボールを運んだB・フェルナンデスが右サイドへ預けると、同じく途中出場のアントニーが斜めのパスを付ける。ボックス右へ走り込んでいたディアロが左足で狙うと、ここは相手にブロックされたものの、こぼれ球をホイルンドが押し込む。試合を振り出しに戻した。
その後はホイルンドのようなターゲットがゴール前に加わったこともあり、マンチェスター・ユナイテッド攻撃陣の迫力が増加。77分にはボックス右で相手を引きつけたディアロが逆へ繋ぐと、走り込んだメイソン・マウントがGKと1対1のチャンスを迎えたが、ここはGKマルティン・イェドリチュカがビッグセーブ。86分にもカウンターの場面でB・フェルナンデスが右サイドへ展開し、待っていたホイルンドがスペースへ流し入れると、縦へ走ったマウントが右足を振ったが、またも仕留めることはできない。
このまま後半アディショナルタイムに突入するかと思われたが、マンチェスター・ユナイテッドの“エースストライカー”は試合をこのまま終わらせなかった。88分、敵陣中央で得たフリーキックの場面、B・フェルナンデスは意表を突いてグラウンダーのスルーパスを送ると、ホイルンドが相手をブロックしながら強引に前を向き、左足でゴールネットを揺らす。土壇場でマンチェスター・ユナイテッドが逆転に成功した。
試合はこのままタイムアップ。この結果、マンチェスター・ユナイテッドは公式戦3試合ぶりの白星を掴むとともに、ELでは3連勝を飾った。一方で、ヴィクトリア・プルゼニとしては、ホームで痛恨の逆転負けとなった。
次節は2025年1月23日に行われ、マンチェスター・ユナイテッドはレンジャーズ(スコットランド)と、ヴィクトリア・プルゼニはアンデルレヒト(ベルギー)と、ともにホームで対戦する。
【スコア】
ヴィクトリア・プルゼニ 1-2 マンチェスター・ユナイテッド
【得点者】
1-0 48分 マテイ・ビドラ(ヴィクトリア・プルゼニ)
1-1 62分 ラスムス・ホイルンド(マンチェスター・ユナイテッド)
1-2 88分 ラスムス・ホイルンド(マンチェスター・ユナイテッド)