藤川新監督の下で“ピンチ”に…?阪神、来シーズンは厳しい立場となり得るベ…

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 2024年限りで岡田彰布監督が退任し、2025年シーズンから藤川球児新監督が指揮を執る阪神タイガース。プロ野球では指揮官が代われば、起用方針も変わることが多い。藤川監督の就任初年度となる来季は、戦力層が大きく変わる可能性もありそうだ。そこで今回は、藤川新体制でピンチの立場となり得るベテラン選手を紹介したい。

 

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木浪聖也

・投打:右投左打

・身長/体重:179cm/83kg

・生年月日:1994年6月15日

・経歴:青森山田高 - 亜細亜大 - ホンダ

・ドラフト:2018年ドラフト3位

 

 2023年は正遊撃手として、ベストナインとゴールデングラブ賞を受賞した木浪聖也。しかし今季は、一転して大きく成績を落とした。若手選手も控えており、来季の立場は安泰とはいえないだろう。

 

 社会人野球の強豪・ホンダから2018年ドラフト3位で阪神タイガースに入団すると、プロ1年目から遊撃のレギュラーを奪取。同年は113試合に出場し、打率.262、4本塁打、32打点とまずまずの数字を残した。

 

 

 その後は中野拓夢の加入もあって出番を失っていたが、昨季は中野の二塁コンバートの影響もあり、再びレギュラーに定着した。

 

 同年は127試合に出場し、打率.267、1本塁打、41打点をマーク。“恐怖の8番打者”として活躍し、リーグ優勝・日本一に大きく貢献した。

 

 だが今季は、打撃不振や左肩甲骨骨折の影響もあり、116試合の出場で打率.214、1本塁打、35打点と低迷。打撃では勝負強さこそ見せたが、厳しい数字に終わった。

 

 今オフには藤川球児監督が就任し、来季は再び小幡竜平や髙寺望夢など、若手選手との競争が予想される。2025年は、勝負の1年となりそうだ。

糸原健斗

・投打:右投左打

・身長/体重:175cm/78kg

・生年月日:1992年11月11日

・経歴:開星高 - 明治大 - JX-ENEOS

・ドラフト:2016年ドラフト5位

 

 今オフ、FA権を行使せず残留を決めた糸原健斗。代打の切り札として貴重な存在だが、新戦力の加入などもあり、立場は安泰ではなさそうだ。

 

 社会人野球のJX-ENEOS(現:ENEOS)から2016年ドラフト5位で阪神タイガースに入団。プロ2年目にはレギュラーに定着。内野の複数ポジションを守り、全143試合の出場で打率.286、1本塁打、35打点の好成績を残した。

 

 

 翌2019年も全試合出場を果たし、レギュラーの座を強固なものにした糸原。2020年は右手有鈎骨の骨折もあって63試合の出場にとどまったが、翌2021年には125試合の出場で打率.286をマークするなど、打線の潤滑油として活躍した。

 

 しかし、2023年から中野拓夢が二塁にコンバートされ、三塁には佐藤輝明、遊撃には木浪聖也が定着。糸原は同年のスタメン出場がわずか7試合に減少し、代打での出場が中心になった。

 

 今季も代打起用がメインだったが、代打打率は.194(62打数12安打)にとどまり、苦しいシーズンとなった。

 

 オフには国内FA権を行使せず、新たに単年契約を結んで残留した糸原。そんな中、横浜DeNAベイスターズから代打として実績のある楠本泰史が加入した。

 

 糸原と同じ左打ちの楠本は、2021年に代打打率.295(44打数13安打)、2023年は.250(56打数14安打)をマークするなど、勝負強さが光る打者。強力なライバルとなりそうだ。

西勇輝

・投打:右投右打

・身長/体重:181cm/82kg

・生年月日:1990年11月10日

・経歴:菰野高

・ドラフト:2008年ドラフト3位

 

 チームでは投手最年長となる西勇輝。2020年以降は2桁勝利から遠ざかっており、ここ2年は規定投球回をクリアできていない。

 

 2008年ドラフト3位でオリックス・バファローズに入団。高卒3年目の2011年に先発ローテーションに定着すると、翌2012年にはノーヒット・ノーランを達成。

 

 

 2014年から3年連続2桁勝利をマーク。リーグ屈指の先発投手として、抜群の実績を残した。

 

 2018年オフには国内FA権を行使し、阪神タイガースに加入。移籍初年度には26試合に登板して10勝8敗、防御率2.92の好成績を残し、ゴールデングラブ賞に輝いた。翌2020年も21試合に登板し、11勝を記録。

 

 しかし昨季は、6年ぶりに規定投球回を逃すと、今季は防御率2.24(規定未満)と安定感を見せたが、6勝7敗と白星に恵まれず。先発ローテーションとして一定の役割を果たしているが、近年は成績が下降気味となっている。

 

 結果を残せなければ一気に危うい立場となるだけに、来季のパフォーマンスは今後のキャリアを考えても重要となりそうだ。

岩貞祐太

・投打:左投左打

・身長/体重:183cm/87kg

・生年月日:1991年9月5日

・経歴:必由館高 - 横浜商科大

・ドラフト:2013年ドラフト1位

 

 今季はわずか2試合の一軍登板に終わるなど、不本意なシーズンを過ごした岩貞祐太。来季で34歳を迎えるベテランにとって、正念場のシーズンとなりそうだ。

 

 横浜商科大から2013年ドラフト1位で阪神タイガースに入団。プロ3年目の2016年には25試合登板で10勝9敗、防御率2.90の好成績を残すなど、先発ローテーションの一角として活躍した。

 

 

 2018年には23試合に登板し7勝を挙げるも、以降は成績が下降。2020年からは中継ぎに転向した。

 

 すると、2022年には自己最多の53試合に登板し、13ホールドポイント(2勝1敗11ホールド)、防御率2.57を記録。リリーフとして見事に復活を遂げた。

 

 昨季も50試合の登板で25ホールドポイント(1勝0敗24ホールド)、防御率2.70をマーク。セットアッパーとしてチームのリーグ優勝・日本一に貢献する活躍を見せた。

 

 ところが、今季は左肘の違和感などもあり、二軍を主戦場とした岩貞。一軍では自己ワーストの2試合の登板にとどまった。

 

 2025年は3年契約の最終年となるだけに、背水の陣でシーズンに挑むことになりそうだ。

坂本誠志郎

・投打:右投右打

・身長/体重:176cm/80kg

・生年月日:1993年11月10日

・経歴:履正社高 - 明治大

・ドラフト:2015年ドラフト2位

 

 今オフ、新たに4年契約を結んだ坂本誠志郎。チームに不可欠な存在となっているが、来季は若手選手との激しい競争が予想される。

 

 明治大から2015年ドラフト2位で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーから一軍デビューを果たし、一定の出場機会を得た。

 

 

 すると昨季は、梅野隆太郎の離脱もあって自己最多の84試合に出場。扇の要としてチームを支え、リーグ優勝・日本一に大きく貢献した。

 

 また、同年は盗塁阻止率.355を記録したスローイングに加え、卓越した捕球技術も評価され、ゴールデングラブ賞を受賞。

 

 今季は梅野との併用となり、64試合の出場で打率.223。岡田彰布監督時代には梅野との捕手2枚体制が敷かれていたが、藤川球児新監督が就任し、一軍争いが激化する可能性がある。

 

 守備面では一定の評価を得ている坂本、課題である打撃を磨き、絶対的正捕手の座を掴みたい。

梅野隆太郎

・投打:右投右打

・身長/体重:173cm/79kg

・生年月日:1991年6月17日

・経歴:福岡工大城東高 - 福岡大

・ドラフト:2013年ドラフト4位

 

 長らく正捕手としてチームを支えている梅野隆太郎。しかし、捕手は指揮官によって起用法が大きく変わるポジションだけに、来季は出場機会が減少する可能性もあるだろう。

 

 2013年ドラフト4位で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーから92試合と多くの出場機会を得ると、プロ4年目の2017年には正捕手に定着した。

 

 

 持ち前の強肩と卓越したブロッキング技術を武器に、翌2018年から3年連続でゴールデングラブ賞を獲得。

 

 特に2019年は、129試合の出場で打率.266、9本塁打、59打点、14盗塁と、走攻守に優秀な成績を収めた。

 

 しかし、近年はパフォーマンスが低下。昨季は左尺骨骨折もあって72試合の出場にとどまり、打率.194、1本塁打、19打点と寂しい数字に終わった。

 

 今季は95試合に出場するも、打率.209、盗塁阻止率.216という数字に。チームの捕手ではトップの出場数となったが、攻守で精彩を欠いた。

 

 来季は坂本誠志郎に加え、二軍で好成績を残している中川勇斗や、ドラフト4位入団の町田隼乙などが争いに加わってくることが予想される。厳しい競争となりそうだ。

 

 

【了】