近年、燃料価格の高騰などにより電気料金が値上がりしています。冬は暖房費が多くかかるため、電気代が心配になっている人は多いでしょう。「うちは使いすぎかな?」「ほかのお家の電気代はいくら?」と気になる人のために、世帯ごと、地域ごとの電気代の平均額をご紹介します。さらに、家庭の中で一番電気を使用している家電も紹介します。この冬は節電を意識して過ごしたいですね。
電気料金の補助金2025年1月~3月再開
まずは、電気料金に関するニュースをお届けします。
数年前から電気などのエネルギー価格の値上がりを受けて、政府は支援を行っています。2023年1月より行われた「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は2024年10月で終了していますが、石破首相は、電気・ガス料金への補助金を2025年1月から3月に再開することを明言しました。家庭の電力使用量が最も大きくなる時期であることを考慮しての支援となります。
電気代は、1月・2月の使用分については1kWhあたり2.5円、3月の使用分については1.3円が補助され、ガス代は、1㎥につき1月・2月は10円、3月は5円が補助される予定です。
これにより、1月と2月は電気・ガスの合計で月1,300円の値引きとなります。
※電気の使用量は2人以上世帯の全国平均電力購入数量(400kwh)を、ガスの使用量は一般家庭の都市ガスの平均使用量(30㎥)を想定。
支援の狭間である12月は、電気料金が高くなると思っておくといいでしょう。
世帯ごとの平均電気代
総務省「家計調査」から世帯の人数ごとの電気代の平均をみてみましょう。
1カ月の平均電気代
1人世帯が約7,000円、2人世帯が約1万1,000円、3人世帯が約1万3,000円となっています。世帯人数が増えるに従って電気代は上がっていきますが、3人以上世帯からは、1人増えるごとに1,000円弱上がる程度となっています。
電気代も含めた光熱費全般もみてみましょう。
1カ月の平均光熱費
3人世帯までは電気代の次にガス代が多くかかっていますが、4人世帯以上になるとガス代よりも上下水道代の方が多くかかっています。光熱費全体では、1人世帯が約1万3000円、3人世帯が約2万5000円となります。
一番電気代がかかる月は?
月ごとの電気代も確認しておきましょう。
二人以上世帯の月別電気代
電気料金は、実際に使用した月の1~2か月後に電気料金が請求されることを考慮してグラフをみるといいでしょう。1月~3月期が最も電気代がかかっています。夏場の冷房費よりも、冬場の暖房費の方が電力を消費することがグラフからわかります。
地域ごとの平均電気代
寒い時期の方が電気代がかかることから、寒冷地ほど電気代がかかることが予想できます。実際はどうなのか、地域ごとの平均電気代をみてみましょう。
二人以上世帯の1か月の電気代(地域別)
一番電気代が高い地域は北陸の1万5,992円、次に東北の1万5,020円となっています。一方、一番電気代が安い地域は九州の1万605円、次に沖縄の1万962円となっています。
寒冷な地域は高く、温暖な地域は安い傾向はうかがえますが、北海道よりも四国の方が高いなど辻褄が合わない部分もあります。これは、居住地域によって契約できる電力会社が異なるためです。各会社で原子力発電所の稼働状況の違いなどがあり、電力を供給するための原価が異なってくるため、電気料金プランに差がでます。そのため、使用量の差がそのまま電気代の差にはならないと考えられます。
一番電気を使用している家電は?
家庭の中で、一番電気を使用している電化製品は何でしょうか。経済産業省資源エネルギー庁の資料から、冬季と夏季それぞれの「家庭における電気の使用割合」をみてみます。
冬季では、電気の使用割合が高い順に、エアコン(17.0%)、冷蔵庫(14.9%)、給湯(12.6%)、照明(9.2%)となります。エアコンに加えて電気ストーブや電気カーペットなどの他の暖房器具も含めた暖房費の割合は32.7%となります。
夏季の電気の使用割合もみてみましょう。高い順にエアコン(38.3%)、照明(14.9%)、冷蔵庫(12.0%)となります。夏の場合は、電気代の4割弱がエアコンの使用によるものです。
冬場の節電方法
冬場の節電方法は、前出のグラフからわかるように、使用割合が高い暖房費をいかに節約するかがポイントとなります。こまめに電源を切る、設定温度を上げ過ぎない、エアコンのフィルタ-を掃除して暖房効率を上げる、カーテンを閉めて暖房効率を上げるなど、節電につながることを意識して行うことで、電気代を下げることができるでしょう。
おすすめは、エアコンと加湿器を併用することです。部屋の湿度が上がると体感温度を上げることができるため、エアコンの設定温度は下げることができます。適度な湿度を保つことは風邪やインフルエンザなどの予防にもなります。
最後に、節電を意識し過ぎて、寒さを我慢してしまうのは健康を害することにつながります。くれぐれも無理のない範囲で節電に取り組みましょう。