1982年生まれ、山形県出身の大神さんは、高校時代にU-18日本代表に選出され、2004年にはアテネオリンピックにチーム最年少の21歳で出場。その後、長きにわたって日本代表のキャプテンをつとめ、2008年には、日本人2人目のWNBAプレーヤーになりました。
現役引退後は指導者としての活動をスタートし、3×3日本代表のコーチとして東京オリンピックにも参加。そして、2023年に日本人としては3人目、日本人女性として初となる、国際バスケットボール連盟(FIBA)の殿堂入り(選手枠)を果たしました。
◆日本人女性初の快挙!
藤木・高見:殿堂入り、おめでとうございます!
大神:ありがとうございます。
藤木:殿堂入りは、2007年に貢献者枠として植田義巳(うえだ・よしみ)さん、2020年に選手枠として佐古賢一(さこ・けんいち)さんに次ぐ3人目の快挙です!
大神:最初にFIBAの方から連絡をいただいたときは、ちょうど海外に挑戦している選手に会いに行っていたんです。だから“この連絡先は誰?”って思って……。
藤木:直接(FIBAから)大神さんに連絡が来るものなのですか?
大神:そうなんです。
藤木・高見:えー!?
大神:そうしたら、JBA(公益財団法人日本バスケットボール協会)の三屋裕子(みつや・ゆうこ)会長から「FIBAが連絡を取りたいみたいなんだけど、何か来てない?」という連絡をいただいて。“もしかしたら”と思って折り返しの電話をかけさせていただいたら、英語で「2023年のHall of Fame(殿堂入り)おめでとう」と。その瞬間は、もうリアクションが取れないくらいビックリしたというのが率直な気持ちでした。
藤木:今まで大神さんがしてきたことが認められた瞬間ですよね。それを実感したのはいつですか?
大神:私には(発表される)2週間前から3週間前に連絡をいただいたのですが、「まだオフィシャルには出ない」と言われていたのと、自分のなかで“これは本当のことなんだ”と受け入れるまでにちょっと時間がかかったこともあって、家族には伝えられずにいたんです。だけど、その後(殿堂入りを)伝えたときに両親がすごく喜んでくれて、そこで実感したという感じですね。
本当に環境に恵まれて、競技生活も35歳までプレーすることができたので、やっぱり家族に一番感謝しています。
◆“戻れる場所がある”ことがすごく大事
高見:大神さんは日本代表のキャプテンをつとめられた経験もありますが、トヨタ自動車アンテロープスのヘッドコーチをされている現在、キャプテン時代の経験が活きていることはありますか?
大神:“キャプテンだから”というよりも、“キツいときや苦しいときに戻れる場所があって、全員がその思いをちゃんと口にできるか”というところは、私が現役中にすごく大事にしていたことですし、そこが勝負の分かれ目になってくると思っています。
それがディフェンスなのか、リバウンドなのか、1本ここでシュートを決めるところなのかということは、もちろん経験を重ねていかなければいけないと思いますけど、そこは自分自身も現役のときから感じてきた部分なので、それをどうやって今の選手たちに伝えていって、そんな環境や機会をどうやってつくっていくか。
そして、それを学んで勝敗にどうやってつなげていくか、というところが今の自分の課題でもありますし、今のチームも、ここをもがきながら戦っているシーズンになります。
藤木:“苦しいときのよりどころをつくる”ということが大事になると?
大神:戻れる場所があるってすごく大事なことだと思うんです。うまくいかないときって誰にでもあると思うのですが、そのときに“あれもしなきゃ”“これもしなきゃ”“こうしたほうがいいのかな”と、一人ひとりが違う方向を向いてしまうのではなく、そこをキャプテンが中心になって「戻る場所が必要だよね、自分たちの目的はここだよね」と引っ張っていくことが必要じゃないかなと感じています。
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/