「昭和レトロ」がトレンド化して久しいが、そのムーブメントはパチンコ業界にも到来しつつある……かもしれない。というか、到来してほしい。だって、気づいてしまったのだから。「昭和のパチンコって、こんなに面白かったんだ」と。

東京・福生市にある「ゲームセンタータンポポ」で現在、期間限定イベント「SANKYOがゲームセンタータンポポをジャック!?」が開催されている。昭和のパチンコファンを熱狂させたSANKYOの古き良き名機が20台以上も並ぶこのイベント、初心者も玄人も楽しめるのである。

実際に行ってみたので、初心者で僭越ながら、ぜひその魅力を語らせてもらいたい。まさかのビギナーズラックも出たゾ~!

SANKYOが「ゲームセンタータンポポ」をジャック!

イベントの舞台となるのは、福生市にある「ゲームセンタータンポポ」。昭和のレトロなパチンコ機の雰囲気を再現したこのゲーセンは、昭和から平成初期のパチンコ台で実際に遊ぶことができる"体験型・博物館的ゲームセンター"として多くのファンを抱えている。もともとはパチンコ店として営業してきたが、4年ほど前から現在の形態へと生まれ変わった。

あくまでゲームセンターなので、景品への交換はできない。あくまで「クラシックなパチンコを純粋に楽しむ」というシンプルなシステムとなっており、遊技料金は1時間1,000円、2時間2,000円、終日3,000円。時間内なら無制限にパチンコ玉を補充できる。

勝ち負けがないパチンコなど、本当に楽しいのか。そう疑問に思う人もいるかもしれない。しかし、「ゲームセンタータンポポ」を経営するYouTuber・ひげ紳士さんは、「勝ち負けがなくても、パチンコには"波"があるんです」と話す。

「大当たりが出たり出なかったり、ちゃんとストレスを作ることはできるんですよ。ここは出る台にして、ここは出ない台に調整してやろうと、ただこれだけの話。その波があるだけで、相当楽しめます。本当にパチンコそのものですよ。釘もまったく甘くないし、ちゃんと渋い営業をしています(笑)」

  • 「ゲームセンタータンポポ」の経営者でYouTuberのひげ紳士さん

今回のイベント名が「SANKYOがゲームセンタータンポポをジャック!?」であるように、イベント期間中の12月5日(木)から12月17日(火)までは、昭和~平成初期を彩ったSANKYOの名機20台がゲームセンタータンポポの店内をジャックする。簡単に言うと、ゲームセンタータンポポとSANKYOのコラボ企画である。

SANKYOが運営するファンサイトでもパチンコのレトロ機に関するコンテンツは人気が高く、その流れのなかでゲームセンタータンポポとのつながりも生まれ、今回のコラボに至ったのだという。

SANKYOの広報担当者はコラボの趣旨について、次のように語る。

「我々がレトロ機にフォーカスするのは、やっぱり休眠ユーザーのみなさまにまたパチンコを遊技してもらいたい、という思いがあるからです。レトロ機は奥深いですが、現行機と比べるとシンプル。そういう意味では初心者向けにもいいかもしれないなと考えました。まずはレトロ機をエントリーモデルとして使って、その魅力を感じていただき、やがてはパチンコホールのほうにも行ってくださるとうれしいですね」

実際に「フィーバーパワフルIII」で遊んでみた結果……

さて、今回のために用意されたパチンコ台をいくつか見てみよう。

こちらは「ニューフィーバー82 スリーアタッカー」。1981~1982年頃に登場したものだそうで、今回のパチンコ台の中でも特にクラシックな部類に入るようだ。

「フィーバー10スペシャル」。1985年に登場したモデルである。

「ギャラクシーダイバー」。こちらも80年代の名機だという。

こちらは「レスキューキャッチャー」。1993年の登場なので、この中ではかなり新しい部類に入る。

「フィーバー」系がずらりと揃うほか、「ローリングマシンI」「OL娘II」「オールドファッションGP」「スターライトステーション」など、当時のファンにとっては「懐かしい!」と唸るようなパチンコ機が揃い踏みといった状況である。

今回、実際に遊技してみたのがコチラの……

「フィーバーパワフルIII」である。今もアップデートを続けている現役バリバリのシリーズなのだとか。パチンコファンの間では相当有名らしい。

パチンコ玉を「START」の部分に入れるとディスプレイ上でルーレットが回り、「777」が出るか、すべてのマスにフルーツが止まれば大当たり・「フィーバー」ということになるらしい。

力加減をしながら、パチンコ玉が「START」に入りやすそうなポジションを探る。少しずつ微調整を繰り返しているうちに、「ここだと玉の入りがいいな」という徐々に感覚が掴めてきた気がした。

最初は玉が「START」に入るたびに「よし!」「また入った!」と声に出して喜んでいたが、周りを見てみると、どうやらそこはあまり喜ぶところじゃないらしいことに気づく。お恥ずかしい……

ちょいちょいリーチまではいくんだけど……やっぱりそれ以上が難しい。リーチ自体も数分に一回レベル。っていうかこれ、気づけば結構時間経ってるんだろうな。いつの間にか、それほど熱中しちゃってたわ。

そして20~30分後、急にそのときは訪れた。

おっ……!? いけいけいけいけ!! 真ん中、動け! いけーー!!

……ん? あれ、なにこれ。7が3つ……揃って……ない。こんなに7があるのになんで3つ並ばないんだ!? そんなパターンあるの!? 持ち上げるだけ持ち上げておいて……と思ったら、なんかまた動き出したゾ……?

なんだなんだ? これ、どういうテンションで待てばいいんだ? 相当ドキドキしちゃってるんだけど、これもあくまでフェイントなのか? 「どうせ当たらないんだろ」と冷静になるほうが正しいのだろうか。などと考えているうちに……

……えっ? ナニコレ……。7が3つどころじゃなくない? えーっと、横、縦、縦、横でスリーセブンが4つぶんってことかな? むしろなんで真ん中はレモンなんだろう。

まぁとにかく、これは間違いなく……

フィーバーじゃーい!! 当たった~!! うわ~!! キタコレ!!

そこからしばらくは画面もピッカピカのお祭り状態。

パチンコ玉もめちゃくちゃ出てくる……。

ゲームセンタータンポポでは、パチンコ玉の数を自分で数える昭和システムが健在なので、これを持って(めちゃくちゃ重い!)……

パチンコ玉を数えるマシン、パチンコ玉ジェットカウンターに投入!

結果、2570個の玉をゲットすることに成功~!

アドレナリンが大爆発してしまったが、マジでめちゃくちゃ面白かった……もしフィーバーしていなかったとしても、きっと楽しめたように思う。昭和な雰囲気のなかで打つ、昭和のパチンコ台。そのシンプルな趣は、シンプルだからこそヤミツキになる魅力で溢れている。この没入感、いいね!

「SANKYOがゲームセンタータンポポをジャック!?」は12月17日(火)まで開催中。SANKYOが誇る昭和・平成初期の名機たちに触れ、パチンコの持つ魅力の源泉をぜひ体感してみてはいかがだろうか。