東京商工リサーチは12月11日、「忘・新年会」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2024年12月1日~9日、企業6,529社を対象にインターネットで行われた。

今シーズンの忘・新年会「実施」は59.6%

今シーズン忘・新年会を実施する企業を調査したところ、最多は「コロナ禍前も実施しており、今回も実施する」の41.8%(6,529社中2,731社)だった。「コロナ禍前は実施せず、今回は実施する」は17.7%(1,160社)で、忘・新年会を「実施する」は合計59.6%(3,891社)と約6割に達した。一方、「コロナ禍前は実施せず、今回も実施しない」は22.1%(1,448社)、「コロナ禍前は実施していたが、今回は実施しない」が18.2%(1,190社)で、合計40.4%(2,638社)が実施しない。前年に比べ、それぞれ約4ポイントの増減幅で、コロナ禍の宴会控えが定着した格好となった。

  • 2024年末の「忘年会」、または2025年初の「新年会」を開催しますか?コロナ禍前との比較で回答ください

産業別「忘・新年会を実施」金融・保険業がトップ

産業別に分析したところ、「コロナ禍前は実施、今回も実施する」「コロナ禍前は実施せず、今回は実施する」を合計した「実施する」で最も高かったのは、金融・保険業の67.8%(84社中、57社)だった。次いで、建設業の65.7%(982社中、646社)、卸売業の62.2%(1,244社中、775社)と続く。

一方、「コロナ禍前は実施せず、今回も実施しない」、「コロナ禍前は実施していたが、今回は実施しない」を合計した「実施しない」で最も高かったのは、小売業の53.3%(311社中、166社)だった。次いで、運輸業の46.8%(250社中、117社)、不動産業の45.3%(214社中、97社)の順。忘・新年会が定例化しているのは情報通信業48.3%、金融・保険業46.4%、卸売業43.4%などが高く、小売業は31.1%と低かった。

  • 産業別 回答状況

開催の目的は「従業員の親睦」が約9割

コロナ禍前から変わらず実施する理由を聞いた。最多は「従業員の親睦を図るため」の87.1%(2,719社中、2,369社)。次いで「従業員の士気向上のため」の51.1%(1,391社)だった。「会社の定番行事のため」は38.1%(1,037社)にとどまった。規模別では、「会社の定番行事のため」との回答は、大企業31.8%、中小企業38.8%で、中小企業が7.0ポイント高かった。「その他」は、「取引業者への謝意」(不動産業、資本金1億円未満)、「従業員からの要望」(建設業、資本金1億円未満)など。

  • 「コロナ禍前も今回も実施する」と回答された方に伺います。実施する理由は次のどれですか?

「開催ニーズが高くない」6割超

コロナ禍前の実施から一転し、今回は実施しない理由を聞いた。最多は「開催ニーズが高くないため」が65.1%(1,149社中、749社)。次いで、「参加に抵抗感を示す従業員が増えたため」の36.6%(421社)だった。規模別では、低い開催ニーズや従業員の抵抗感は、中小企業より大企業が高かった。一方、「忘・新年会に関わる費用を削減」を理由に挙げたのは中小企業が18.4%と高かった。産業別で、「開催ニーズが高くない」との回答が最も多かったのは、農・林・漁・鉱業の70.0%(10社中、7社)。次いで、小売業の69.1%(68社中、47社)と続く。

  • 「コロナ禍前は実施、今回は実施しない」と回答された方に伺います。実施しない理由は次のどれですか?

  • 「コロナ禍前は実施、今回は実施しない」と回答された方に伺います。実施しない理由は次のどれですか?

コロナ禍前は実施していなかったが、今回は実施する理由を聞いた。従業員の親睦を図るため最多は「従業員の親睦を図るため」の93.9%(1,148社中、1,078社)だった。次いで、「ここ数年で入社した従業員から開催ニーズが高いため」の10.8%(124社)、「中堅従業員からの開催ニーズが高いため」9.9%(114社)の順。規模別では、「経営層からの開催ニーズが高いため」は、大企業が中小企業を6.1ポイント上回り、格差が最も顕著だった。その他は、「周年記念のため」(金融・保険業、資本金1億円未満)、「業績が良いため」(不動産業、資本金1億円未満)など。

  • 「コロナ禍前は実施、今回は実施しない」と回答された方に伺います。実施する理由は次のどれですか?

「労働時間にならない」9割超

忘・新年会を実施する企業に労働時間になるかを尋ねると、「労働時間にならない」が90.2%(3,743社中、3,377社)だった。「労働時間になる」と回答した企業は9.7%(366社)で1割に届かなかった。

産業別では「労働時間になる」は、不動産業14.7%(115社中、17社)、情報通信業の14.6%(219社中、32社)、小売業の14.4%(138社中、20社)で高かった。

一方、「労働時間にならない」は、最高が運輸業の96.9%(130社中、126社)。次いで、卸売業の92.1%(741社中、683社)、製造業の91.7%(945社中、867社)の順だった。