歌手で俳優の星野源が10日、東京・赤坂のTBSで行われた同局の新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』(2025年1月2日21:00~)の制作発表会見に、主演の松たか子をはじめ、多部未華子、松坂桃李、チュ・ジョンヒョクとともに出席した。
野木亜紀子氏が脚本を手掛ける本作は、“家族の在り方”を描く新時代のホームドラマ。鎌倉に住む渋谷葉子(松たか子)、都子(多部未華子)、潮(松坂桃李)の3姉弟は、“人生”という旅路の分岐点を迎え、それまでの「3人での幸せ」から、「それぞれの幸せ」と向き合っていく。
元担当編集者の葉子に執着し、執拗につきまとう作家・百目鬼見(もめき・けん)役を演じた星野は「幸せな現場というのはこういうことなんだなというぐらい温かくて居心地がよくて、充実感のある数日を過ごさせていただきました」と撮影を振り返り、「百目鬼見という作家はちょっと面倒な、ちょっと変なところがあるんですが、僕は普通な人だと思っていて、そういう役をやれてうれしかったですし、素敵な一家に関わる役を演じられたことをとても幸せに思います」と語った。
自身も作家の一面を持つ星野。演じた百目鬼について「この作品のテーマの一つでもあると思いますが、百目鬼の持つ孤独感、孤独の捉え方は僕と似ている部分がすごくあるなと思っていて、作品の中だったり、生き方、佇まい、どうやってその場にいるかというところは、特に考えなくても、なんとなくこうじゃないかなと思う役柄だったので、演じていて居心地よい感覚でした」と共感する部分が多かったと話した。
また、松が「百目鬼先生と話しているシーンがけっこう好きでした」と話すと、星野も「僕も演じていて本当に楽しくて、松さんとお芝居ご一緒するのは初めてなので、それもすごく楽しくてうれしいことでした」と共演を存分に楽しんだ様子だった。
野木氏の作品に多く出演している星野。「いつも思うのは、野木さんの作品は眼差しがすごい好きだなって。今の世界を見ている眼差しと、こうあってほしいという野木さんの眼差しが透けて見えて、胸がいっぱいになるような思いがあって、今回の脚本を初め読んだときもボロボロボロって。とっても悲しいことがあるとかそういうことじゃないんですけど、野木さんの脚本だなと思いました」と脚本を読んで涙したことも明かした。