2024Jリーグアウォーズが10日に開催され、各賞の発表と表彰が行われた。Jリーグ功労選手賞を授賞したG大阪の遠藤保仁コーチが式典後にメディア取材に応じた。
遠藤氏は1998年に横浜フリューゲルスでプロキャリアを開始し、 京都パープルサンガ(現:京都サンガF.C.)を経て、ガンバ大阪で2001年から長きに渡って活躍。2020年にジュビロ磐田へ移籍し、2023年に同クラブで現役を退いた。Jリーグ通算では776試合に出場し、日本代表としても歴代最多の国際Aマッチ152試合に出場。天皇杯やカップ戦、AFCチャンピオンズリーグやクラブワールドカップなどの国際大会もすべて含めると、通算公式戦1136試合に出場した。現役引退後は古巣のG大阪でコーチを務め、指導者としての経験を積んでいる。
遠藤氏は功労選手賞の受賞に際し、「たくさんの方のJリーガーの中から数人しか選ばれないので非常に嬉しく思います」と喜びのコメントを発し、初めてコーチとして過ごした今年1年を振り返り、「生活のリズムはもちろん変わりました。チーム全体のことを考えながらも、監督がいますし、選手とも個人的に向き合っていかないといけないところもありますし、スカウティングとかもありますし、大変でしたけど。楽しい1年、シーズンを過ごせたと思います」と総括した。
この日発表されたJリーグの年間ベストイレブンには、G大阪からDF中谷進之介とFW宇佐美貴史の2名が選出された。キャプテンとしてチームを牽引した宇佐美について、遠藤コーチは「周りがどう思っているかはわからないですけど、当然のパフォーマンスをやっただけだと思います。彼はそれだけの能力のある選手だと常日頃思っているので、今年調子がいいとか言われているみたいですけど、調子がいいわけじゃなくて、本来の姿を見せていたというだけだと思います」と絶大な信頼を語りつつも、「彼自身もこういう賞で、また来年も頑張ろうという気もなると思いますし、チームのキャプテンとして引っ張っていくところも、もっともっと強くなって、『また来年も良いパフォーマンスをしたい』となっていくはずなので。今年は素晴らしいシーズンを送っていたと思いますが、彼ならもっとできていいんじゃないかなと思うところもあるので、コーチの立場からして、彼をもう1個上のレベルに上げていくため、いろいろとコミュニケーションをとりながらやっていければいいかなと思います」と、さらに高いパフォーマンスを求めていた。
遠藤氏と宇佐美は、チームメイトとして共に戦い、タイトルを獲得した間柄だが、コーチに就任したことで当然関係性にも変化があったようで、「現役時代は『自由にやれ』ぐらいの目で見てましたが、今はやっぱり要求もしていかないといけないですし、実際、2桁得点を取りましたけどPKを除けば1桁なので。PKなしで2桁いければ、得点王争いも絡んでいくと思うので、その辺は彼も満足してないとは思うんですけど、もっともっと伸ばしていけるために、僕らがいろいろなものを提示するというところは、現役時代とコーチの立場として変わったところだと思います。それは彼自身もわかっていると思いますし、貴史ともコミュニケーションをとって、今後もやっていければいいと思います」と明かした。
今シーズンは天皇杯で準優勝、リーグ戦では4位でフィニッシュしたG大阪。来季のさらなる躍進に向けて、遠藤コーチの手腕と宇佐美の活躍に期待が高まる。
【動画】宇佐美貴史が決めた劇的逆転弾が最優秀ゴールに