南海電気鉄道は10日、一般車両として運行している2200系2編成(計4両)が2025年春に引退すると発表した。「さよなら運行記念」として、引退する2編成のうち1編成に復元塗装を施し、2種類のヘッドマークを取り付け、2025年1月20日から同年春まで「汐見橋線」および各支線で運行する。

  • 南海電鉄の一般車両2200系が引退。「モハ2231」「モハ2281」の編成が2200系復元デザイン車両となり、1月20日から春頃まで運行される

同社の2200系は1969年に22000系として製造され、橋本駅以南の山岳区間を含めた高野線で運用。1997年にワンマン化改装工事を行った後、多奈川線をはじめ各支線で運用されてきた。2009年には、2200系1編成(2両編成)を観光列車「天空」に改造。橋本~極楽橋間で運行している。

2025年春に引退する2200系は、車両番号「モハ2231」「モハ2281」・「モハ2232」「モハ2282」の計4両(2両編成×2編成)。これをもって、同社保有の一般車両2200系は、改造車両の観光列車「天空」を除いて引退・全廃になるとのこと。

  • 高師浜線の列車に使用される「モハ2232」「モハ2282」の編成

1月20日から運行予定の2200系復元デザイン車両は、引退する2編成のうち「モハ2231」「モハ2281」の編成を使用。約30年前の塗装「オリエンタルグリーンの車体にエメラルドグリーンの帯」を復元し、2種類の記念ヘッドマーク(復元塗装がモチーフ)を車両の前部・後部にそれぞれ掲出する。通称「汐見橋線」と呼ばれる高野線の一部区間(汐見橋~岸里玉出間)をはじめ、高師浜線、多奈川線、加太線、和歌山港線でも運行を予定している。

なお、南海電鉄において2200系の復元塗装は初とのこと。現在、同社で活躍した2200系の一部車両が銚子電気鉄道へ譲渡され、今回の2200系復元デザイン車両と同じく「オリエンタルグリーンの車体にエメラルドグリーンの帯」を復元した塗装で22000形として活躍している。

  • 南海電鉄から銚子電鉄へ譲渡され、「オリエンタルグリーンの車体にエメラルドグリーンの帯」を復元した塗装で活躍する22000形。南海電鉄の2200系復元デザイン車両も同様の塗装が施される

2200系復元デザイン車両の運行に先立ち、1月18日に住ノ江車庫で「2200系復元デザイン車両撮影会」を2回(第1回は10~11時、第2回は13~14時)開催。参加費は1名6,600円。「ぶらりたび」サイト内にて、12月12日10時から先着順で申込みを受け付ける。

1月19日には、汐見橋駅で「2200系復元デザイン車両お披露目会」を10~15時に開催。2番線に留置した車両の外観・内観を無料で自由に撮影できる。お披露目会当日、新作グッズ(ピンバッジやアクリルキーホルダーなど、各200個限定)の販売会を実施するほか、2200系の譲渡先である銚子電鉄や和歌山電鐵も販売会に参加し、グッズ販売を行う。