パーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」は2024年12月9日、社会人生活で経験した「本当にあった怖い時代」のエピソードやそれに対する意見を募集及び調査の結果を発表した。同調査は2024年11月13日~11月25日、「Job weeQ」を通して20~50代社会人男女400名を対象にインターネットで実施した。

  • 本当にあった怖い時代

まず30代~50代が経験した“昭和あるある”や、他の世代が知ったら驚きそうな苦労話として「本当にあった怖い時代」のエピソードを募集し、そのエピソードに対する20代の価値観や意見を調査した。

30代~50代ユーザーに社会人生活での「本当にあった怖い時代」経験有無を聞くと、「ある」が88.0%、「ない」が12.0%となった。

  • 本当にあった怖い時代の経験有無

30代~50代からは、以下の経験談やコメントが集まった。

・体調を崩し2日休んだら、気合いが足りないと叱責され、始末書を書かされた

・新人は定時より30分以上前に着いておき、朝早く来て机を拭いたりするのが当たり前だった

・女性がお茶汲みする会社にいた。誰が何を飲むか、砂糖がいくつ必要かは当たり前に覚える文化だった

・24時間寝かさない新人研修に参加したことがある

・風邪は土日に引くように! と社内規則に書いてある会社にいた

30代~50代の経験談に対する20代の価値観を調査した結果を以下にまとめている。

体調不良が評価に影響する場合休むか、働くかを問う設問では、20代の51.0%が「評価優先ではたらく」と回答し、「体調優先で休む」が49.0%となった。

  • 体調不良が評価に影響する場合休むか、働くか

20代が考える評価と体調の優先の仕方について、意見が分かれるコメントが多く集まった。

評価優先ではたらく派のコメントは以下の通り。

・「体調管理ができない人」という評価をされたくないので、無理してはたらく

・古い考えだが、新人なのでなるべく頑張っている姿勢を見せなきゃと思う。それと、評価が下がるのが怖い

・上司が仕事をしているのに休むことに罪悪感。評価に影響あるなら頑張ってしまうのは理解できる

体調優先で休む派は以下の通り。

・昔は大変だったのだと思う。今の時代体調不良で怒鳴ったりしたら、その会社も上司もおかしい

・寒くなり体調不良のリスクも増えているのに、休ませない上司がいたら転職を考える

・自分の生活の方が大事なので絶対に体調優先で休む。そんなに仕事に労力を割いていられない

朝早くの準備・雑務は新人が担当することは当たり前だと思うかを聞くと、20代の93.0%が「当たり前だと思わない」と回答し、「当たり前だと思う」が7.0%だった。

  • 朝早くの準備・雑務は新人が担当することは当たり前だと思うか

新人が早朝に雑務をする時代は、もう当たり前ではない趣旨のコメントが多く集まった。

・担当するだけなら100歩譲っても、早朝の時間外で新卒だけが行うことはおかしいと感じる

・必要あれば早く来るべきだが、「新人だから」は早く来る理由にならない

・昔は自分もやった、という先輩からの圧力や無理強いされる慣例・伝統は無くしてほしい

今回実施した「Job weeQ~本当にあった怖い時代~」では、30代~50代の約9割が”本当にあった怖い時代”を経験したと回答する結果となっている。

寒さが本格化しウイルスの流行も危険視されている中、20代の約半数が、体調不良が評価に影響する場合「評価を優先してはたらく」と回答している。「体調を優先する派」と意見が割れたものの、体調不良を評価に反映させる場合、現代では”パワハラ”に該当する可能性もある。

実際評価への影響に”怖さ”を感じてしまう若手層もいることから、上司や評価者は、職場の個人が休みやすい雰囲気を作る必要性が改めて見える結果となった。

そして30代以降の世代では当たり前だった「朝早くの準備・雑務は新人が担当」に対して、令和の20代目線では9割が「当たり前ではない」と考えている。過去の「Job weeQ」の調査でも違和感上位に挙げられているように、新人の仕事に関する常識が変化していることがわかった。

個々人の意見や価値観が尊重される風潮にある令和時代だが30代以降が経験した”昭和あるある”があったからこそ、かつての慣習や風習が見直され、今の”令和文化”誕生に至ったと考えられる調査結果となった。