12月8日、2024年シーズン最終戦となる「SUPER GTシリーズ第5戦」が鈴鹿サーキットで開催された。日産自動車からは3台の「Nissan Z NISMO GT500」が入賞を果たした。「#12 MARELLI IMPUL Z」(平峰一貴 / ベルトラン・バゲット)が3位表彰台を獲得した。
レースを振り返る
予選のアタックラップで前を阻まれ15番手スタートとなった「#12 MARELLI IMPUL Z」(平峰一貴 / ベルトラン・バゲット)が、アグレッシブかつ安定した走行で順位を上げ3位表彰台を獲得。7番手スタートの「#3 Niterra MOTUL Z」(高星明誠 / 三宅淳詞)はレース後半、トップ争いを展開するも痛恨のスピンを喫し7位でフィニッシュした。
「#23 MOTUL AUTECH Z」(千代勝正 / ロニー・クインタレッリ)が8位となり、3台の「Nissan Z NISMO GT500」が入賞を果たした。
第5戦鈴鹿が台風の影響で延期され、今回は実質最終戦ながら第5戦として開催。シリーズ最終戦は全車サクセスウェイトなしの白熱した勝負が期待された。
一方で、これまで経験のない12月開催で、低温コンディションへの対応がポイントとなった。「Nissan Z NISMO GT500」勢はランキング5位の「#3 Z」、ランキング8位の「#23 Z」が有終の美を飾るべく、勝利を目指した。
また、「#23 Z」をドライブするクインタレッリは、このレースに先立ち、今シーズン限りでGT500での活動終了を発表。4度のチャンピオンに輝いたNISMO陣営のエースドライバー最後のレースに注目が集まった。
【GT500】
<予選>
12月7日、時折強い風が吹き寒さを感じる厳しいコンディションのなか、予選が行われた。なかなかタイムが伸びない状況のなか、合算タイムでの予選順位は「#24 Z」が4位、「#3 Z」が8位、「#23 Z」が11位、「#12 Z」が15位となった。
<決勝>
翌12月8日、朝から好天に恵まれたものの、冬らしい寒さのなか決勝レースが行われた。フォーメーションラップが始まる12時50分は気温10度、路面温度14度のコンディションとなった。
予選上位車がペナルティでグリッド降格となり、「#24 Z」は3番手、「#3 Z」は7番手スタートに繰り上がっている。
コンディションを考慮し3周にわたるフォーメーションラップの後、300kmのレースがスタート。3番手スタートの「#24 Z」は、タイヤのウォームアップが足りず1周目に15番手までポジションを落とした。
序盤の混乱のなかZ勢はポジションを上げることに成功し、5周目には「#3 Z」の高星が6番手、「#23 Z」のクインタレッリが7番手、「#12 Z」のバゲットが10番手を走行。さらに順位を上げるべく前車に迫る展開となる。ペースを取り戻した「#24 Z」は4周目に全体のファステストラップをマーク、8周目には10番手まで挽回している。
接近した5番手争いを展開していた「#3 Z」は9周目の1コーナーでオーバーテイクを決めて5番手に。10周目には先行車がアクシデントで後退し4番手となり、16周目にはシケインの進入で前車をパスし、3番手まで浮上した。
レース3分の1を終え、GT500クラスはピットインが始まった。9番手を走行していた「#12 Z」が17周を終えてピットイン。ドライバーは平峰に交替した。
翌周、GT500クラスラストランのクインタレッリが気迫のこもった走りで5番手まで順位を押し上げた「#23 Z」と、「#3 Z」が同時にピットイン。ピットインを引き延ばしGT500クラスの最後に「#24 Z」が20周を終えてピットインし、GT500クラスは全車がピットインを終えた。
21周目の順位は、「#3 Z」の三宅が2番手、「#12 Z」の平峰が5番手、「#23 Z」の千代が6番手、「#24 Z」の松田が10番手と、Z勢は全車入賞圏内にポジションを上げて、レース後半に入った。
ハイペースでトップに迫る「#3 Z」は、24周目にその差1秒以内となりオーバーテイクのチャンスをうかがう。29周目、メインストレートでトップに並び、1コーナーの進入では前に出るも、オーバースピードでインから抜き返され首位奪取は果たせなかった。
その後もトップの背後に迫った「#3 Z」だが、31周目にトラブル車両により出されたフルコースイエロー(FCY)が32周目に解除になった瞬間、アクセルオンと同時にデグナーコーナーでスピンを喫し、6番手までポジションを落としてしまった。
5番手走行の「#12 Z」は、32周目に4番手に上がるとペースを上げて前車に迫り、41周目のシケインでアウト側からオーバーテイクを決めて3番手に上昇した。
残り10周を着実に走り切った「#12 Z」は3位でフィニッシュ。「#3 Z」は7位、「#23 Z」は8位となった。終盤、10番手走行の「#24 Z」は44周を終え緊急ピットインし、15位で完走した。
【GT300】
GT300クラスには4台の「Nissan GT-R NISMO GT3」と、1台のGTA GT300規則のフェアレディZが参戦。予選7番手からスタートした「#11 GAINER TANAX Z」(富田竜一郎 / 石川京侍 / 大木一輝)が今季3度目の入賞となる8位でフィニッシュした。