眠りの質が良いと、肌質改善効果が期待できたり、成長を促したりしてくれることは、みなさんもご存じではないだろうか。それに加え、なんとストレスを軽減させ、幸せの感受性が高める可能性があるらしい……。今回は寝具メーカーの西川から発表された最新研究についてお届けしていこう。
睡眠ソリューションを提供する西川は、同社の研究機関である日本睡眠科学研究所と、抗加齢医学研究の第一人者である米井嘉一氏(同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター教授)による最新の共同研究「質の良い睡眠と幸せホルモンの関係」についてのメディア発表会を12月6日に開催した。
■睡眠の質と"幸せホルモン"の関係
米井氏と日本睡眠科学研究所はこれまで、nishikawaの「4層特殊立体構造マットレス」を使用することで、「アンチエイジング効果」「糖尿病予防」「肌質の改善」「腸内フローラへ及ぼす影響」「更年期症状・PMS症状改善」など、さまざまな効果を研究してきた。
このたびの最新研究では、睡眠の質の改善による「オキシトシン」の分泌についてヒト臨床試験を実施。
そもそも「オキシトシン」とは、幸せホルモンのひとつで、愛情ホルモンや絆ホルモンとも呼ばれている。同ホルモンは、乳腺を刺激し、母乳の分泌を促すはたらきなどに加え、他者への信頼感や共感力の向上、不安の緩和や心身リラックスなどのはたらきがあるという。
米井氏は、オキシトシンは、私たちをストレスから守る"抗ストレスホルモン"でもあることも発表。一般的にオキシトシンは、母親は乳児からの五感刺激によって、母親以外でもスキンシップやコミュニケーションなどの触刺激によって分泌される一方で、ストレスがあると分泌されにくくなるそうだ。
今回は、そのオキシトシンと良質な睡眠の関係について検証がなされた。軽度の睡眠障害を自覚する45~65歳の男女12名を対象に、日常使用している寝具とnishikawaの4層特殊立体構造マットレスを使用して各7日間就寝し、それぞれ5~7日目に睡眠の主観評価、心理検査、唾液中のオキシトシンの分泌量を検査。
その結果、睡眠の質が改善すると、特に女性において心身ストレスの軽減と就寝前の唾液中のオキシトシンの増加が見られたという。つまり、適切な寝具使用による睡眠中のストレス緩和をすることで、健康増進だけでなく、オキシトシンが分泌されやすい体にもつながるとし、幸せの感受性が高まる可能性を示唆した。
質の良い睡眠が健康につながることはもちろん、幸せを感じやすくなるかもしれないなんて、これは一石二鳥。社会行動にも関わる重要なホルモンの分泌が増えるとしたら、社会人としては有難い限りだ。
■質の良い睡眠をとるには…?
では、質の良い睡眠をとるためにはどうすれば良いのだろう。
日本睡眠科学研究所の安藤翠氏からは、良質な睡眠をサポートする寝具について次のような説明があった。
「快眠につながるマットレスの条件として、2つの条件があります。1つ目が体の重さをやわらかく受け止める力、2つ目が寝ている間の姿勢をしっかりと支えてくれる力です」
今回の検証で使用したマットレスも、この条件を満たしていると説明し、寝具を考慮することで、良質な睡眠につながることを伝えた。
そのほか米井氏は自らの睡眠法について、「絶対鼻呼吸の方が良いですね。油断すると僕は口呼吸になり、いびきが増えるので口テープを張っています。そうすると、朝、口の渇きがないですね。口腔(こうくう)内の衛生環境も良い状態に保てますよ」と語った。
師走の忙しさや気温の変化など、ストレスに悩んでいる人も多いはず。そんな人はまず"良質な眠り"に着目し、心身のストレス低減を目指してみてはいかがだろう。睡眠は、ストレス社会から私たち自身を守る大きな武器になりえるかもしれない。