◆自分の日々の消費を振り返っていますか?
毎日自販機で缶コーヒーを買う人、コンビニでペットボトルのお茶を買う人は、お金がなくなりやすいのはどうしてでしょうか?
「不要な消費行動が習慣化」し「小銭の浪費も、積もれば山」というだけの単純な話ではなく、自分の消費行動を振り返り、疑問を持とうとする視点がないのが弱点になるということです。
疑問を持たないから、日常の習慣を見直すことがない。ただいつもどおりの生活を送り、特に変えたいとも思わない。自分の習慣をさらに望ましいものにしようという思考を始めから放棄しているというより、考えが及ばない。そして、生活習慣の全方位にわたってあてはまるのが問題です。
◆日常の習慣に変化を起こすことでお金が貯まっていく
お金が貯まる人は、つねに自分の習慣を見直そうとします。
・こうすればもっとお金が貯まる
・こうすればもっと生活コストが圧縮できる
・こうすればもっと便利にラクになる
無意識のうちにそういう思考が発動する習慣を持っています。
例えば……
自販機で毎朝缶コーヒーを買っている自分に疑問を抱く。「何で毎日缶コーヒーを買っているんだろう」「これが積み重なるといくらになるんだろう」と。そして、「缶コーヒーは1本150円だとすると、年間250日買えば、年3万7500円かかる」と考えてみる。
そこで、「自分でコーヒーをいれて持ち歩けば、もっとお金が節約できるし、自販機に立ち寄ることもなくなるんじゃないか」と気づく。500mlタイプの魔法瓶水筒は2000円くらいのため、量販店ならその半額でも買える。
レギュラーコーヒーの価格はピンキリでも、贅沢を言わなければ1パック400gで1000円程度。水筒1本分に20g使うと仮定して、年間消費は12パックで1万2000円。水筒と合わせても1万4000円です。
お湯をわかすコストやフィルター代、コーヒーに砂糖やミルクを入れればその費用もかかるが、500ml入るから、「のどが渇いたのでもう1本」ということもない。手間暇はかかるし、財布から小銭を取り出してボタンを押し、飲み終わったらゴミ箱にポイ、よりは確かに煩雑になる。
しかしそれも、お湯をわかしてレギュラーコーヒーをいれ、帰ったらゆすいで自然乾燥させるだけ。ランチ代の節約に手作り弁当を作るといった手間に比べれば、日々の習慣に組み込むことはそう難しくない。
……と考えることもできます。
◆日々の習慣を変える勇気を持つこと
ここでは缶コーヒーを挙げましたが、あくまで一つの例にすぎません。明日から缶コーヒーをやめてマイ水筒を持っていけば、お金が増えると言いたいわけではありません。
人は変化を嫌うし、誰だって自分の習慣を変えるのはイヤなもの。
しかし、自分の行動を見直す冷静さ、日々の習慣を変える勇気を持ち、そうした発想を生活のあらゆる側面で適用していけば、収入面でも支出面でも大きな差になる、という提案をしたいのです。
文:午堂 登紀雄(米国公認会計士)
大学卒業後、会計事務所などを経て、米国コンサルティングファームで経営コンサルタントとして経営戦略立案や企業変革に従事。貯金70万円を1年で3億円の資産に成長させた経験をもとに、お金持ちになる方法や考え方を伝授。
文=午堂 登紀雄(米国公認会計士)