今回は、手土産の渡し方と添える言葉を解説します。ビジネスシーンなどで手土産を渡すとき、何か気の利いた一言・挨拶を添えられたら好印象を与えられますよね。スマートな手土産の渡し方をマスターしましょう。

好感度あがる手土産の渡し方【タイミング編】

  • 好感度あがる手土産の渡し方【タイミング編】

    失敗しない手土産の渡し方のマナーや添えたい言葉を紹介します

せっかく用意した手土産も、渡すタイミングを間違えて、相手に不快な思いをさせてしまっては台無しです。相手との関係性やシチュエーションによって、適切なタイミングが変わるので、覚えておくことをおすすめします。

個人宅に訪問した場合

笑顔で出迎えられたら、すぐにでも手土産を渡したい気持ちになりますが、玄関先ではNG。これは手土産マナーの原則です。まずは部屋へ移動して、挨拶を済ませること。手土産を渡すのはそれからです。

例外として、アイスクリームなど早く包みを開いた方がいいものや、土のついた植木などは、玄関先で渡してもよいとされます。

取引先に訪問した場合

仕事上のお付き合いで手土産を渡す場合も、基本は同じです。会議室や応接室などに案内され、名刺交換または挨拶がひと通り終わり、ビジネスの本題に入る前のタイミングが狙い目です。

くれぐれも、エントランスやロビーで顔を合わせた瞬間に手土産を渡すのは避けましょう。

お詫びや謝罪の場合

お詫びや謝罪のための訪問で、もっとも大切なことは謝意を誠心誠意に伝えることです。そのような場面で、会ってすぐに手土産を渡してしまうのはもってのほか。もので解決をしようとしていると、誤解を与えかねません。

最初はむしろ目に触れないように持参し、謝罪を受け入れていただいてから渡すようにしましょう。

好感度あがる手土産の渡し方【マナー編】

  • 好感度あがる手土産の渡し方【マナー編】

    手土産を渡すときのマナーとは?

相手のことを思って心を込めて選んだ手土産も、渡し方ひとつで印象が変わってしまうこともあります。気持ちよく受け取っていただくためにも、しっかりと渡し方のマナーをマスターしておきたいですね。

紙袋から出して渡す

紙袋や風呂敷の役割はホコリや汚れから品物を守ることなので、そのまま渡してしまうのはNG。基本的には、紙袋や風呂敷から取り出して両手で渡しましょう。

ただし、出先などで手土産が相手のかばんに入らないときは、持ち帰りやすいように紙袋に入れたまま渡すことが心遣いになります。また、紙袋のデザインがすてきな場合などは、相手に「ご入り用ですか?」と紙袋が欲しいかどうか尋ねてみてもいいでしょう。

相手に正面を向けて渡す

紙袋から手土産を出したら、まずは破れや汚れがないか確認します。自分の方に正面を向けて、さりげなく観察しましょう。それから時計回りに90度ずつ、2度回して相手に正面を向けて渡しましょう。

好感度あがる手土産の渡し方【添える言葉編】

  • 好感度あがる手土産の渡し方【添える言葉編】

    相手に気を遣わせない言葉を添えましょう

手土産を渡すときの決まり文句として、ぱっと思い浮かぶのが「つまらないものですが」の一言。もとは謙遜の意味で使われていた日本人らしい言葉ですが、今ではへりくだり過ぎていい印象には受け取ってもらえないことも。

ここでは、相手に気を遣わせず、心地よく受け取ってもらうために添えたい言葉を紹介します。

取引先を訪問したとき

「今、話題になっている○○です。みなさんでどうぞ」などの言葉を添えると、手土産をきっかけに会話が広がることも。取引先とのコミュニケーションが円滑になるような、話題性のあるものを選ぶのも一つの手かもしれません。

お詫びのとき

謝罪を受け入れてもらったからと気を抜かず、「この度は申し訳ございませんでした。心ばかりの品ですが、どうぞお納めください」と誠意があることを最後までしっかり伝えましょう。

交際相手の実家に訪問したとき

初めて恋人のご両親と会うのであれば「○○さん(恋人)から、お好きだとうかがいましたので」など、喜ばせたい気持ちで選んだことが伝わる言葉を添えるとよいでしょう。 面識がある場合であれば、「以前、お好きだとおっしゃっていたので」などの言葉を添えれば、相手に関心があることが伝わります。

パーティーにお呼ばれしたとき

パーティーは交流を目的とした場なので、手土産についてはさらりと触れる程度がスマートです。そのため、「お口に合うといいのですが」「ほんの気持ちです」など、控えめな言葉を添えるのがベターです。

友人に渡すとき

親しい友だちには、気軽な気持ちで手土産を受け取ってもらいたいですよね。そんな場合には「○○がすごくおいしかったから、おすそ分けね」など、相手に気を遣わせないような言葉をチョイスしましょう。「お酒に合いそうだよ」「後を引くと思うよ」など感想も添えると、なお会話が広がります。

自分のおすすめを渡すとき

おいしいものを見つけたら、周りの人にも紹介したくなります。「私のおすすめの○○をお持ちしました。みなさんのお口に合うとうれしいのですが、どうぞお召し上がりください」など、恩着せがましくならない言葉を添えるとスマートです。

好感度あがる手土産の渡し方【選び方編】

  • 好感度あがる手土産の渡し方【選び方編】

    手土産を選ぶときのポイントを紹介します

渡す相手や関係性によって、手土産の選び方は変わります。マナーはばっちりだけど、手土産そのものがイマイチだったと、残念なことにならないよう、手土産選びのポイントを紹介します。

相場にあったものを選ぶ

手土産は、安すぎても高すぎてもよくありません。それぞれのシチュエーションに合う相場を把握しておくことが大切です。


・友だちや親戚に:~3,000円
・交際相手の実家に:~5,000円
・ビジネスの場合:5,000円程度
・お詫び・謝罪の場合:5,000円~10,000円

また、値段相応に見えるものを選ぶことをおすすめします。

相手の好みをリサーチ

手土産選びでとても参考になるのは、相手の味覚の好みを知っておくことです。甘いものと辛いものはどちらが好きなのか、お菓子ではない方が喜ばれそうかなど、普段のコミュニケーションの中でさりげなく情報を聞き出しましょう。

本人の好みに限らず家族の好きなものを選ぶのも、気の利いたいい選択です。

テキトーな印象を与えない

どこでも買えるようなものや、訪問先の近くにあるお店の商品など、相手にとって驚きが少ないものは、テキトーに用意したような印象を与える可能性があります。手近なお店のものならば、季節や個数で限定されたものなど特別なものがいいでしょう。

賞味期限が長めのものを選ぶ

手土産を選ぶ際、「日持ち」は重要なポイントです。よほど親しい間柄ではない場合は、常温で日持ちがするものを選ぶのがベターです。生菓子や賞味期限が極端に短いものは、「急いで食べないと!」と負担になりかねないので、極力避けるようにしましょう。

個包装が喜ばれる場合

取引先や職場などビジネスシーンでの手土産は、部署内の人たちで分け合うことが想定されますね。そういった場合には、分けやすさを配慮した個包装のものを選ぶと重宝されます。相手の状況を想像して選び方を変えられると、デキる人として一目置かれそうです。

威厳あるものが必要な場合

お詫びの場合で渡す手土産は、そのできごとを重く受け止め、真摯に向き合っていることを示すようなものを選びます。たとえば、老舗など有名店の格式の高いもの、あるいは手にしたときに重量感のあるものなどがよいでしょう。

相手を想う言葉とともに、手土産を気持ちよく渡そう!

  • 相手を想う言葉とともに、手土産を気持ちよく渡そう!

    スマートに手土産を渡して、いい関係性を築きましょう

手土産を渡すシーンはさまざまです。相手との関係性やシチュエーションによって、渡し方のマナーや添える言葉などの対応は変わりますが、相手を想う気持ちは共通しています。

気持ちよく受け取ってもらえるような言葉を添え、喜んでもらえれば、きっとこれから先もいい関係を築き、深めていけるでしょう。