写真やビデオなどiPhone上のコンテンツを大人数で楽しみたい、iPhone上のスプレッドシートを顧客に見せたい、といったときに悩ましいのが「画面サイズ」。現行モデルでは最大のiPhone 16 Pro Maxですら対角6.9インチ、外部ディスプレイに映し出すことが現実的です。
iPhoneの画面をテレビなど大型ディスプレイへ出力するとき、接続端子がUSB-Cに変更されたiPhone 15シリーズ以降でいえば方法は2つ、「DisplayPort Alt Mode」か「AirPlay」です。前者が有線、後者が無線での接続になるため、用途や状況に応じて使い分けましょう。
DisplayPort Alt Modeは、USB-C対応のスマートフォンやPCからDisplayPort規格による映像出力を可能にします。この接続規格に対応しないテレビでも、映像変換ケーブル(両端がUSB-CとHDMIのケーブル)やUSB-Cハブ(DisplayPort Alt Modeに対応しHDMI出力可能な製品)を用意すれば、iPhoneの画面を直接テレビへ出力できます。
AirPlayは、iPhoneにおけるもっとも手軽な映像出力方法です。映像/音声ともワイヤレス伝送できるうえ、VODアプリなど著作権保護されたコンテンツも問題なく再生できます。「画面ミラーリング」と呼ばれるiPhoneの画面をリアルタイム伝送する機能がサポートされるため、操作中のiPhoneの画面をそのまま映し出すことも可能です。ただし、ディスプレイ側でAirPlayをサポートしているか、Apple TVなどAirPlay対応の映像機器が必要になります。
両者を比較すると、導入コストの安さでは有線が有利です。テレビがAirPlay非対応の場合には、もっとも安上がりな手段となるでしょう。画質の面でも、非可逆符号化(ロッシー符号化)を行うためにオリジナルの画素/色情報が一部失われるAirPlayと比較すると有利です。
ただし、有線はテレビから遠く離れることができず、ケーブルなどの機器を持ち運ぶ手間も発生します。無線はその点において圧倒的に有利で、テレビが対応しているならAirPlayの利用がお勧めです。非対応でもApple TV 4Kの導入で実現できますが、そこは費用対効果を踏まえての検討となるでしょう。