Huluオリジナルドラマ『神の雫/Drops of God』に主演した山下智久が7日、千葉・幕張メッセで開催中の「東京コミコン2024」のシネマ・ステージに登壇。また、現在撮影中の『神の雫/Drops of God』Season2が、2025年に日本ではHulu独占配信されることが決定した。

  • 国際エミー賞のトロフィーを持つ山下智久(左)

MCに呼び込まれ、山下、フルール・ジェフリエ、オデット・ラスキン監督の3人が会場の大歓声を浴びながら登壇。まず山下が「たくさんの人に駆けつけていただけ、とてもうれしく思っています」と挨拶。日本のファンの前に初めて登壇したフルールは、ハートマークを作りながらリラックスした表情を見せる。そして「こんばんは、皆さん!」と笑顔で挨拶し、にこやかな雰囲気でステージがスタートした。

この作品の出演の決め手について山下さんは「日本の漫画を実写化するにあたって、大きくストーリーを変えたヒューマンドラマに、人としてたくさん学べることがあるんじゃないかと思ったんです。一人の人間をしっかりと見つめる良い機会で、(今回演じた)一青のことをもっとよく知りたいと思いました。今回ぜひ出演させていただきたいという気持ちだったので、携わることができて本当に幸せです」。一青はなかなか表情を出さないキャラクターだったそうで、「心の中で、揺れ動く感情を表現することがすごく大変だったのですが監督に導いていただき、多くの方に楽しんでいただける作品にすることができました」と明かした。

日本の漫画原作の作品に出演した感想について問われたフルールは「ワインの漫画あるなんて思ったことがなかったので驚きました。漫画を読むことで多くのことを学び、発見がありました。感情の奥深さ、どのように感情を知るのか、ワインを飲むことによって私たちの体や心の記憶にどういった影響を与えるのかということも知ることができました」とコメント。

監督はキャスティングの決め手について問われると、「一青役は、山下さんがやりたいとおっしゃってくださった。山下さんの過去の作品を拝見していたこともあり、手を挙げてくださってとてもラッキーでした。フルールさんは会って2分後に、彼女しかいないと思った。原作は男性だったのですが、女性だけど、他のスタッフが何を言おうとも彼女に決めたいと思ったんです」と述べた。

撮影秘話について話が及ぶと、山下さんは「いろいろな国で撮影の旅を行い、セットや実際にあるワイナリーを訪れたりしました。監督と美術さんが細部にまでこだわってセットを作り上げていることを肌で感じ、まるでアート作品のように思いました。撮影はもちろん大変でしたが、そんな空間で演技ができていることに興奮して、とてもやりがいを感じながらチャレンジできました。毎回良い驚きのあった現場でした」と充実感であふれた撮影を振り返った。

フルールは記憶に残っているシーンとして、「カミーユが最初にティスティングしないといけないシーンで、実はぶどうジュースを飲んでいたのですが、15~16回ほど撮影を繰り返したのでフラフラになってしまい、監督に最後にしてほしいと頼んだこともありました」と裏話を披露すると、監督はすかさず「本当のワインにすれば良かった!」とお茶目な掛け合いも披露。

そして、国際エミー賞の受賞について触れられると、おもむろに監督がリュックの中から金色に輝く国際エミー賞のトロフィーが取り出され、会場からあふれんばかりの歓声と拍手が巻き起こった。今回残念ながら、国際エミー賞の受賞式の会場に駆けつけることができなかった山下にトロフィーが手渡されると、「重みがすごいです。約10ヶ月間スタッフと一緒に撮影で様々な場を旅しながら、いろいろな試練を乗り越えて、心を1つに支え合いながら一生懸命に作品と向き合ってきました。それをこのように評価していただき、本当に幸せなことだと思います」と、改めて受賞の喜びを噛み締めていた。

フルールは「大きな達成ができたと思います。今回は演じた私たちだけではなく、クルー全員に贈られた賞だと思います。本当に夢のようなことが実現したと思っています」と声を弾ませた。

Season2について問われた監督は、「あまり多くのことは語れないのですが、実は朝5時まで撮影をしていたんです。その後1日会場いる山下さんはすごい体力と精神力の持ち主だと思いました」とハードスケジュールをこなす山下へ尊敬の念を口にした。そして、「Season2は新しい場所に行き、お互いの内面・外見も発見し合っていくという重要なシーズンです」と、新たな物語が楽しみになるような見どころを披露した。

最後にワインが好きかという質問に、山下は「フランスでの撮影の休日では、友人に教えてもらったフランスワインを飲むようにしていました。撮影後にはセラーを購入して自分でもいろいろなワインを集めて、勉強するのが楽しみになりました」とこの作品がきっかけでワイン好きになったと語った。

フルールは「父が料理人で、子供の頃からワイナリーに連れて行ってくれていました。その頃からワインの香りが好きで、ワインへの感覚が研ぎ澄まされました」と役と重なるエピソードを披露した。

楽しい時間もあっという間に終わり、ステージから去る最後の瞬間まで大きく会場に手を振り続ける山下、ハートマークを作り会場にたくさんの愛を振り撒くフルール、お茶目な笑顔を見せる監督の3人での息のあったステージが終了した。