リコ・ルイスのゴールでマンCがドローに持ち込む [写真]=Getty Images

 プレミアリーグ第15節が7日に行われ、クリスタル・パレスとマンチェスター・シティが対戦した。

 オリヴァー・グラスナー監督体制2年目を迎えたクリスタル・パレスは、前節終了時点で2勝6分6敗の成績で勝ち点「12」の獲得にとどまり、現在は降格圏と勝ち点差「3」の17位に沈んでいる。プレミアリーグ開幕から8試合未勝利と苦しんだものの、直近5試合は1勝3分1敗と、徐々にではあるが勝ち点を積み上げており、今節は本拠地『セルハースト・パーク』で“絶対王者”撃破を目論む。

 対するマンチェスター・シティは、開幕前のコミュニティ・シールドを含めて序盤戦は公式戦14試合無敗と好スタートを切ったが、10月30日のカラバオ・カップ(EFLカップ)4回戦でトッテナムに1-2で敗れると、ここから公式戦5連敗と泥沼状態に陥る。11月26日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第5節フェイエノールト戦(3-3)で連敗をストップしたが、1日に行われた前々節ではリヴァプールに0-2と完敗を喫した。だが、4日に行われた前節はノッティンガム・フォレストを相手に3-0と勝利。スコア、内容もパーフェクトに近く、公式戦8試合ぶり白星を掴み取って復調の気配を見せている。

 そんな両者による試合、クリスタル・パレスに所属する鎌田大地は3試合の出場停止が明けたが、ベンチからのスタートとなった。マンチェスター・シティのスターティングメンバーには、イルカイ・ギュンドアン、ケヴィン・デ・ブライネ、アーリング・ハーランドらが並び、ジャック・グリーリッシュやジェレミー・ドクらがベンチから出番を待つ。

 強風が吹き荒れる『セルハースト・パーク』でキックオフを迎えた一戦は、キックオフ直後のプレーで、クリスタル・パレスが積極的にゴールへ迫る。この勢いのまま、立ち上がりの4分にはクリスタル・パレスが先制に成功。ピッチ中央付近でのイスマイラ・サールのボールキープから、ルーズボールを拾ったウィル・ヒューズが最終ラインの背後をめがけてスルーパスを送る。オフサイドラインギリギリで抜け出したダニエル・ムニョスは、ボックス右から右足でシュートを沈めた。

 マンチェスター・シティとしては早くも1点ビハインドと難しい展開を強いられたが、失点直後の6分には決定機を構築。ペナルティエリア手前の位置でベルナルド・シウバからのパスを受けたデ・ブライネが前を向き、背後へ絶妙なスルーパスを通すと、抜け出したハーランドがチャンスを迎えたものの、ここはGKディーン・ヘンダーソンの顔面セーブに阻まれた。

 時間の経過とともに、マンチェスター・シティは徐々にボールを握る時間を増やしていく。23分にはペナルティエリア手前の位置でクリアボールに反応したギュンドアンが、ダイレクトで左足を振り抜いたものの、シュートは右ポストに嫌われる。こぼれ球を拾ったサヴィーニョも左足で狙ったが、ここは枠を外れた。

 チャンスの数を増やしながらも、なかなか同点弾を決められないなかで迎えた30分、遂に試合を振り出しに戻す。マンチェスター・シティは敵陣へ相手を閉じ込めて攻撃の隙を探るが、なかなかブロックの内側に入っていくことはできない。それでも、敵陣左サイド高い位置でボールを受けたマテウス・ヌネスが右足でクロスボールを送ると、ハーランドが頭で合わせる。マルク・グエイの上からヘディングシュートを叩き込み、同点に追い付いた。

 このまま1-1で後半へ折り返すと、序盤の56分に再びスコアが動く。クリスタル・パレスは右コーナーキックを獲得すると、ヒューズが左足でインスイングのボールを供給。ファーサイドで待っていたマクサンス・ラクロワがカイル・ウォーカーの上からヘッドを沈め、クリスタル・パレスが勝ち越しに成功した。

 またも1点を追いかけることとなったマンチェスター・シティは、ここからミスも目立ってなかなか効果的な攻撃を繰り出せない。チャンスの数は限られたまま時計の針は進んだが、68分には後半最初のチャンスをモノにする。ドロップボールから再開したプレーで、敵陣中央で顔を上げたギュンドアンが斜めのパスを差し込むと、デ・ブライネ。B・シウバと繋ぎ、最後はボックス中央へ走り込んだリコ・ルイスがダイレクトで右足を振り抜く。リコ・ルイスが昨季から数えて、クリスタル・パレスを相手に3試合連続ゴールを記録し、マンチェスター・シティがまたも追いついてみせた。

 試合終盤はマンチェスター・シティが敵陣で過ごす時間を増やしたが、84分には窮地に立たされる。リコ・ルイスが自ら失ったボールを取り返そうと、トレヴォ・チャロバーに対して遅れ気味にスライディング。この日2枚目のイエローカードを受けて退場処分となり、マンチェスター・シティは1人少ないなかで逆転を目指すこととなった。

 最終的にはこれ以上の得点は生まれず、試合は2-2でタイムアップ。両者の激闘は痛み分けで終了した。この結果、クリスタル・パレスは引き分けが多いことも事実ながら、4戦無敗(1勝3分)と徐々に勝ち点を積み上げることに成功。一方で、マンチェスター・シティは5連覇に向けてこれ以上の停滞は避けたかったが、再び勝ち点「3」を逃した。これで直近の公式戦10試合で、勝利したのはわずか2試合に。依然として苦しい状況は続いている。

 次節、クリスタル・パレスは15日に三笘薫が所属するブライトンの本拠地に乗り込む。一方で、マンチェスター・シティは11日にCL・リーグフェーズ第6節でユヴェントスと敵地で対戦した後、15日には次節のプレミアリーグで、ホームでマンチェスター・ユナイテッドとのダービーマッチが控えている。

【スコア】
クリスタル・パレス 2-2 マンチェスター・シティ

【得点者】
1-0 4分 ダニエル・ムニョス(クリスタル・パレス)
1-1 30分 アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)
2-1 56分 マクサンス・ラクロワ(クリスタル・パレス)
2-2 68分 リコ・ルイス(マンチェスター・シティ)

【ゴール動画】パレスとマンCは互いに2点ずつを奪う