東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『バントマン』(毎週土曜23:40~)に出演する岡田圭右が、撮影の裏側や見どころなどを語った。
――大の野球好きで知られていますが、ご自身の野球の思い出を教えて下さい。
少年野球時代から、試合ではよくバントをしていました。かなり上手かったと思うし、実際に監督も何かというと「バント!」とサインを出してきて。だから今回出演させていただく時に『バントマン』というタイトルを聞いて、まさに自分にピッタリのドラマだなと思いましたね。
――バントの名手ということは、思い出深いバントもありますか?
ありますよ! 岡田圭右伝説の一つに「清原vs岡田」という逸話がありまして。あの清原和博さんと岡田少年は、岸和田リトルリーグ時代に対戦しているんです。当時の清原さんは4番でエース、ピッチャーとしても凄くて、小学生の中に一人だけ高校生がいるような存在感を放っていました。そんな清原さんと一打席だけ対戦する機会がありまして。ピッチャー・清原vsバントの名手・岡田!この名勝負の結果は…、まさかのスリーバント失敗でした(笑)
――普段の生活にも「野球の考え方」みたいなものが反映されるのでしょうか?
そうですね。後輩にもよく「フルスイングして帰って来い」と言いますし。何より芸人って、全てのお仕事に対して「ツーアウト満塁で指名された代打」の気持ちで臨まないといけないと思うんですよね。そこでなんとか爪痕を残していくことが重要。私の場合は結果的に、ヒットというよりも振り逃げでどうにか爪痕を残してきたのですが(笑)
――では、「ここはあえてバントに徹する」といった場面も?
当然ね、お笑いには皆で作り上げるようなところもありますから。バラエティ番組でいろんな芸人さんがいる時、「ここで自分はヒットを狙わず、バントに徹して相手を立たせよう」みたいな場面は少なくありません。そういう連携プレーは常に意識しています。
――今回は俳優としてのご出演ですが、どのような点がお笑いと異なりますか?
お笑いって、ある意味「一発勝負」の部分があると思うんです。それに対して俳優さんのお仕事は、何度もリハーサルを重ねて本番に臨むわけで、毎回きっちり同じことをしなければならない。芸人なら「何かさっきと違ったことをしてやろう」という気持ちが抑えきれない。だからリハを重ねて精度を上げていく俳優の皆さんのことは、芸人みんなが尊敬していると思います。
――今回の芋川出とは、どんな役なのでしょうか?
野球雑誌などに寄稿するフリーライターという役どころで、野球を陰から支えるという意味では、彼も玄人の中の玄人、ある意味バントマンですよね。私の場合、ドラマのお仕事を数年に一度いただいていて、まさにハレー彗星のような役者人生なのですが(笑)。今回のスタッフの皆さんは非常に優しくて、関西弁のままでいいよということで、岡田圭右に寄せてもらって芋川を演じさせてもらっています。
――梶間(石川瑠華)の師匠という役どころですが、石川さんの印象は?
年齢的には若い方ですが、役者としては自分よりも大先輩だし、何よりプロフェッショナルですよ。スコアブックに書き込むシーンがあるんですが、プライベートでもスコアブックに記入しながら野球観戦をするようになったそうです。私は「熱狂的オリックス・バファローズファン」を自認していますが、スコアブックの記入方法は知らないので。それができるようになると、野球の見方もきっと変わるだろうなぁと感服させられました。
――今後の見どころと、視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
ドラマも終盤に近づいたところで登場する芋川は、野球に例えるなら「切り札」的な存在でしょうか。クローザーとして最後を締める、まさに閉店ガラガラ。そんな意味合いもあるのではないでしょうか(笑)。それとこのドラマはバントにスポットを当てているわけですが、球威を殺し自分の欲も抑えるバントには、ホームランやヒットよりも人間性が出ると思うんです。そう考えるとバントは戦術としても非常に深いし、それを知ると野球をより楽しく見られるのではないでしょうか。このドラマを通じて野球に興味を持つ人が増えることも、いち野球ファンとして願っています。
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