スマホで撮った写真を目の前にいる相手に送る場合、iPhone同士であればAirDrop、Android同士であればQuick Shareを使うのが一般的だ。もっともOSの垣根を超えて送り合う場合や、さらにそこにWindowsやMacといったデスクトップOSが絡んでくると、途端に話がややこしくなってくる。

世の中にはこうした不便さを解消すべく、OSを問わずファイルの送受信を可能にするさまざまなサービスが存在している。今回はそれらの中から、ユーザ登録不要で利用できることを条件に、有用なサービスを3つ紹介する。

使い勝手はAirDropに酷似、安定性もピカイチ「LocalSend」

LocalSend」は、デバイスに専用アプリをインストールすることで、OSを問わずAirDropやQuick Shareに似たファイルの送受信が行えるアプリだ。

デバイスにはそれぞれ識別しやすいように名前がつけられるので、送受信先をうっかり間違える危険も少ない。UIはいずれも日本語化されており、使いやすさも二重丸だ。

1枚の画像から大量のファイルまで安定してやりとりできるほか、一対一だけではなく一対多の送信にも対応。さらに受信を自動承認するクイックセーブ機能など機能も盛り沢山だが、利用するデバイスにはアプリのインストールが必須であること、また同一LAN上で動作しているデバイスに送受信先が限定されるのは要注意だ。

  • 利用にあたっては専用アプリのインストールが必須だが、そのぶんわかりやすく安定性も高い。これはWindows用のクライアントアプリ

  • ファイルを受信する場合の画面。デバイスには独自の名前がつけられるので間違えにくい(左)タップするだけで簡単に受信できる。AirDropなどの使い勝手に近い(中央)もちろんスマホからの送信も行える。テキストデータの送受信にも対応する(右)

アプリのインストールいらずで手軽に使える「Simple.Savr」

Simple.Savr」は、アプリのインストールを必要とせず、ブラウザを介してファイルの送受信ができるサービス。

サーバにアクセスした時に表示されるのは同一グローバルIPアドレスからアップロードされたファイルに限定されるので、部外者の覗き見を防ぎ、安全なファイルのやり取りを可能にしている。アップロードしたファイルは7日経つと自動削除されるので、長期にわたって放置されることもない。

アプリのインストールが不要なことからブラウザさえあればデバイスの種類を問わず利用できるほか、ファイル以外にテキストデータの送受信にも対応しており、PCで作成した下書きをスマホに送るという使い方にも向く。その一方で、同一グローバルIPアドレスを介したやりとりしかできないことから、実質的に同じLAN上にあるデバイスに限られること、またUIが日本語化されていないことはネックだ。

  • ファイルはもちろんテキストデータの送受信にも対応する。UIは日本語化されていないが使い方は難しくはない

  • 別のデバイスから見えるのは同じグローバルIPからアップロードされたファイルのみ(左)スマホからも同じUIで利用できる(中央)もちろんスマホからのアップロードにも対応。最大1,000ファイルおよびファイルごとに3.5GBまで対応するが、安定性は必ずしも高くない(右)

同一LAN上にいないデバイスともやりとり可能な「Wormhole」

同一のLAN上にいなくとも利用でき、またアプリのインストールを必須としないなど、自由度が高いのが「Wormhole」だ。

ブラウザからアクセスしてファイルをアップロードし、発行されたURLに別のデバイスからアクセスしてダウンロードする仕組みで、スマホで受信する場合はQRコードを読み込むだけで済む。

送信できるファイルは最大10GBまでで、ファイルが自動削除されるまでの時間は60分から最大24時間後まで自由に設定できるなど、カスタマイズ性は高い。UIも日本語化されているため分かりやすく、その場限りの相手とアプリやアクセス元の縛りもなくファイルのやり取りをしたい場合にお勧めできるサービスだ。

  • UIは日本語化されており使いやすい。エンドツーエンド暗号化を意味しているとみられる説明があるが詳細は不明

  • アップロードするとURLが発行され、そこにアクセスしてダウンロードを行う(左)アップロードできるファイルは最大10GBまで(中央)ファイルが自動削除されるまでの時間は60分~24時間の間で指定できる。ダウンロード件数で縛りを設けることも可能(右)