JR東日本は6日、国土交通大臣宛に運賃改定の申請を行ったと発表した。実施予定時期は2026年3月とされている。首都圏で設定している「電車特定区間」「山手線内」の運賃区分は「幹線」に統合。全エリアで「幹線」「地方交通線」の運賃を改定(値上げ)する。
「電車特定区間」「山手線内」の運賃区分は、国鉄時代に「競争力のある運賃設定を目的とした首都圏の運賃抑制策」として設定されたが、「現在では他の鉄道事業者の運賃改定により、運賃格差が逆転又は縮小し、当該エリアの設定意義が薄れています」とJR東日本は説明。「電車特定区間」「山手線内」のエリアは利用が集中しており、輸送改善や新車導入、バリアフリー等で多額の設備投資を実施していることもあり、設備の維持更新とサービス向上を持続的に行っていくため、当該エリアの利用者に一定程度の負担を求めることとした。
現行の初乗り運賃(営業キロ1~3km)に関して、「電車特定区間」「山手線内」はIC運賃146円・きっぷ運賃150円、「幹線」はIC運賃147円・きっぷ運賃150円。運賃改定後、「幹線」(「電車特定区間」「山手線内」を統合)の初乗り運賃はIC運賃155円・きっぷ運賃160円(IC運賃は8~9円値上げ、きっぷ運賃は10円値上げ)となる。「山手線内」の東京~品川間は現行のIC運賃178円・きっぷ運賃180円からIC運賃209円・きっぷ運賃210円(30~31円値上げ)、東京~新宿間は現行のIC運賃208円・きっぷ運賃210円からIC運賃253円・きっぷ運賃260円(45~50円値上げ)に変更される。
「電車特定区間」の東京~横浜間は現行のIC運賃483円・きっぷ運賃490円からIC運賃528円・きっぷ運賃530円(40~45円値上げ)、東京~大宮間は現行のIC運賃571円・きっぷ運賃580円からIC運賃616円・きっぷ運賃620円(40~45円値上げ)、東京~千葉間は現行のIC運賃659円・きっぷ運賃660円からIC運賃715円・きっぷ運賃720円(56~60円値上げ)、東京~取手間は現行のIC運賃736円・きっぷ運賃740円からIC運賃803円・きっぷ運賃810円(67~70円値上げ)、東京~八王子間は現行のIC運賃824円・きっぷ830円からIC運賃902円・きっぷ運賃910円(78~80円値上げ)となる。
その他、東京~小田原間は現行のIC運賃1,518円・きっぷ運賃1,520円からIC運賃1,595円・きっぷ運賃1,600円(77~80円値上げ)に変更。中長距離利用時の運賃も、東京~宇都宮間および東京~高崎間は現行の1,980円から2,090円(110円値上げ)、東京~長野間は現行の4,070円から4,180円(110円値上げ)、東京~新潟間は現行の5,720円から5,940円(220円値上げ)、東京~仙台間は現行の6,050円から6,270円(220円値上げ)、東京~新青森間は現行の1万340円から1万780円(440円値上げ)など、各区間で値上げされる。特急料金については改定前後で変更はないとのこと。
今回の運賃改定に伴う改定率(値上げ率)は普通運賃7.8%、通勤定期12.0%、通学定期4.9%。有効期間6カ月の通勤定期旅客運賃は割引率を見直す一方、「幹線」「地方交通線」の通学定期旅客運賃は家庭負担を考慮し、据え置くという。
なお、「電車特定区間」「山手線内」のエリアで設定している「鉄道駅バリアフリー料金」(現行運賃に10円加算)は廃止されるが、バリアフリー設備の整備は継続するとしている。