俳優の江口洋介が5日、都内で行われた『連続ドラマW 誰かがこの町で』(WOWOW・WOWOWオンデマンドにて12月8日22時より放送・配信スタート、全4話、第1話無料放送)の完成報告会に、共演の蒔田彩珠、メガホンをとった佐藤祐市監督とともに出席した。
本作は2020年に江戸川乱歩賞を受賞した佐野広実の受賞後第⼀作目として大きな話題を呼んだ同名⼩説が原作。とある新興住宅地を舞台に、住⺠たちの間に渦巻く"同調圧⼒"と"忖度"が引き起こす恐怖を、⽣々しく、鮮烈に描いた社会派ミステリーとなっている。江口は法律事務所の調査員で主人公の真崎雄⼀役、蒔⽥は真崎のバディとして“ある町”に隠された恐ろしい真実に迫っていく少女・望月麻希役をそれぞれ演じる。
どんな思いで自身の役を演じたか尋ねられた江口は「身内を亡くしてしまったというつらい過去がある重い役で、スタートがそこだったので自分のエネルギーがある部分を削ぎ落として現場に行って、監督もベテランの方なので委ねて、真崎という人物を作り上げていきました」と打ち明け、約4年ぶりの連続ドラマ主演となるが、主演という意識はしていなかったそうで「同じ時間を過ごす中でどれだけ関係性を作っていけるかとか、役としての距離感を大事にしたいなと思っていましたし、監督もキャストもベテランの方たちで、彩珠も(過去に親子役で共演して)知ってるしということで、そんな感じでやらせていただきました」と語った。
また、江口と蒔田が隠されている闇を暴く役を演じたことにちなみ、自身の隠し事を教えてとお願いされると、江口は「そんなこと言えるわけないじゃないですか(笑)。そんなの誰しもありますよ。ないほうが怖いですよね。そんなことはこういう公の場では言えません(笑)」と苦笑し、蒔田も「じゃあ私も言えません(笑)」とにっこり。江口の知られざる一面を聞かれた佐藤監督は「江口さんはものすごく繊細な方で、江口さんの朝の表情で何を考えているのかなって見ていました」と明かし、江口は「役もあったから。繊細にしないとこの役はできないので(笑)」と理由を説明した。
さらに、イベント終盤に「"伸ばして"ってカンペがあったから気にしているんですけど(笑)」とコメントして笑いを誘った江口は、「地上波ではやらない表現とか、WOWOWさんということで暗めにグッと入っているので、1・2話は重いですが、3話のラストくらいまで見てもらうと、ラストまでグッといけるんじゃないかなと思います」とアピールし、場を繋いだ。
最後に、2024年の振り返りと2025年の抱負を聞かれた江口は「イルミネーションも始まりまして、外を走っていると、気持ちが年末に全然追いついていない自分に気づいて、今年もまだまだ終わる気がしないんですけど、アルバムを出したり、新しいことを始めたりして、役者と音楽業を行ったり来たりが心地よくなってきているので、来年はそれをパワーアップして、役も今までトライしたことのない役にトライしたいですし、また新しい気持ちで来年臨みたいなと思います」と語っていた。