大阪・関西万博の開催まであと130日となり、2025年日本国際博覧会協会が提供する「EXPO2025 デジタルウォレット」における「ミャクミャクリワードプログラム」の本格展開やクーポンの提供などサービスを強化する。万博開催を前に各種の特典やグッズなどを提供し、万博への気運を盛り上げていきたい考え。

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    万博開催130日前となり、EXPO2025 デジタルウォレットサービスがさらに強化された。写真は会見のゲストとして参加したスペシャルサポーターのはるな愛さん(左から2人目)、万博テーマ事業プロデューサーの宮田裕章氏(右から2人目)、万博協会企画局長の河本健一氏(右)、ミャクミャク(左)

大阪・関西万博をさらに楽しむミャクミャクリワードプログラム

大阪・関西万博では、「未来社会の実験場」というコンセプトを掲げており、「日本のデジタル化の推進に貢献する」ことを目指している。その一環で会場内は完全キャッシュレス化。来場者の予測2,820万人、1日約16万人という大規模イベントで全面的なキャッシュレス対応するのは国内では初めてだとしている。

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    2025年4月13日から始まる大阪・関西万博。10月13日まで開催される。全面キャッシュレスで、日本のデジタル化を推進すること目指したEXPO2025 デジタルウォレットが開発された

複数の国際ブランドのクレジットカード、電子マネー、QRコード決済をカバーし、60以上のキャッシュレス決済手段に対応することで、海外からの来場者を含めてほとんどの人の決済手段に対応する。

こうしたキャッシュレスサービスのひとつとして、オリジナルアプリ「EXPO2025 デジタルウォレット」も開発されている。残高をチャージしてVisaのタッチ決済やQRコード決済での支払が可能な「ミャクペ!」、ポイントサービスの「ミャクポ!」、NFT対応の「ミャクーン!」という複数のサービスを利用できる。「Web2の金融サービスとブロックチェーンを活用したWeb3のサービスの両方を1つのアプリで提供する、画期的なアプリ」と同協会企画局長の河本健一氏はアピールする。

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    EXPO2025 デジタルウォレットはWeb2とWeb3のサービスを同一アプリで実現し、金融サービスや事業連携サービスを提供する

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    同ウォレットアプリでは、ミャクミャクリワードプログラムやミャクペ!、ミャクポ!、事業連携サービスを提供する

EXPO2025 デジタルウォレットでは、「ミャクミャクリワードプログラム」も提供する。これはミャクペ! やミャクポ! などの利用や万博関連イベントへの参加などで「経験値(exp)」が取得でき、それによってステータスを獲得する特典プログラム。これまで、スタンダードからゴールドまでの4段階のステータスだったが、今回、新たにさらに上位のステータスとしてプラチナ、ダイヤモンド、レジェンドが追加されて本格提供となった。

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    ミャクミャクリワードプログラムは、現時点でスタンダードからゴールドまでの4段階だったが、新たに3つのステータスが追加された

リワードプログラムとしては、取得した経験値に応じて抽選や先着などで特典を提供する。抽選で得られる特典としては、「シグネチャーパビリオン」の8人のプロデューサー自身がパビリオンを案内するガイドツアー、同プロデューサー8人の直筆西院入りグッズなどの記念品プレゼント、シグネチャーパビリオンや特定のパビリオンに予約・入場できる特別入場、イベント優先席などとなっている。

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    リワードプログラムで提供される特典。これは抽選でもらえる特典として、シグネチャーパビリオン8人のプロデューサーによるガイドツアーなど

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    特定のパビリオンでの特別入場の権利

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    特定のイベント優先席も提供

先着順での特典としては、万博内でミャクミャクと記念撮影できる「ミート・ザ・ミャクミャク」、会場内にあるEXPO2025 デジタルウォレットユーザー向けのラウンジ利用権、特定のパビリオンでの来場記念品プレゼントなど。

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    先着でもらえる特典はミャクミャクとの特別撮影など

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    特定パビリオンのシグネチャーパビリオンのプロデューサー画像や会場パビリオンのパース図、自治体のご当地キャラなど、万博限定のミャクーン!(NFT)は、ステータスに応じて全員に提供される

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    ステータスごとに全員がもらえる特典も用意

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    ステータスごとに用意される特典。抽選券は枚数が増えると当選確率が上がるという

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    ステータスの達成条件と経験値がたまる行動

さらにポイントサービスのミャクポ!では、会場内の特別ツアーなどの体験型のサービスを提供する。来年早々にも開設を予定しているミャクポ!のECサイトで提供する予定だ。ミャクポ!のECサイトでは他にオリジナルデザインの限定商品も交換できるようになる。こうした限定商品は、KITTE大阪にあるGiftpad spaceでも公開される予定だ。

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    ミャクポ! でも会場の特別ツアーに参加できる。こうした体験特典は今後も追加する

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    限定のオリジナルグッズ

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    様々なデザインのグッズが開発されており、今後も拡充予定

いずれも、今後さらに特典やサービスは拡充していく考えで、万博開催までEXPO2025 デジタルウォレットの利用促進を図っていく。

さらに新たに、万博会場に「デジタルウォレットパーク」が設置されることも発表された。EXPO2025 デジタルウォレット利用者向けのラウンジという位置づけで、「静けさの森」の北側に設置されるという。

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    ウォレット利用者向けに設置されるデジタルウォレットパーク

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    デジタルウォレットを紹介する動画も公開される

タイプAと呼ばれる方式で万博パビリオンが設置される予定だったが、計画変更でスペースが空いたため、このパークの設置を決めたという。休憩スペースやお菓子、ドリンクの配布、特典の提供などを予定している。

クーポンやNFTの配布など、自治体や事業者も万博を盛り上げ

EXPO2025 デジタルウォレットには「事業連携サービス」として、万博協会以外の事業者が連携することができる機能が用意されている。特にブロックチェーン技術を利用したSBT(ソウルバウンドトークン)によって、万博協会以外でもスタンプラリーやクーポン、イベントの参加証明などを配布することができる。

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    SBTとして配布されるクーポン

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    「クーポンを使用する」から利用できる

SBTはブロックチェーン技術によって改ざんや他人の譲渡ができず、クーポンなどの利用状況がリアルタイムに台帳に記録される。アプリの利用者情報は公開されないが、統計化された情報を提供することで、事業者側が「特定のエリアに住む特定の年代」向けにクーポンを配布したり、利用者属性の情報をマーケティングデータとして活用したり、といった使い方も考えられるという。

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    実際に公開されている台帳。クーポンの利用状況が分かる

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    テストのために取得してみると、ほぼリアルタイムにトランザクションが増えた

すでに関西圏を中心に自治体がオリジナルのNFTスタンプラリーを実施、イベントでの限定NFTの配布、大阪の飲食店のクーポンNFT配布などが行われている。こうした取り組みで万博の盛り上がりに繋げるとともに、関西エリアでの観光客の周遊拡大などを狙う。

現在、EXPO2025 デジタルウォレットアプリのダウンロード数は9万ほど。特典やイベント、NFTなどのさらなる拡大によってダウンロード数や利用者の増加を図り、万博に繋げていきたい考えだ。