今年も残りわずか。ボーナスなども出て、いつもとは違った非日常を手に入れたい人もいるのではないだろうか。そこで今回はワンランク上の高級日本酒『百光(びゃっこう)』をご紹介。

Clearが運営する高級日本酒ブランド「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」は、フラッグシップ日本酒『百光(びゃっこう)』のアップデートをこのたび実施。そのお披露目会を都内某所にて12月3日に開催した。

  • あこがれの高級日本酒 SAKE HUNDREDの「百光」がアップデート! 市場を切り拓くお酒とは?

2018年に誕生した「SAKE HUNDRED」は、四合瓶一本数千円が一般的な日本酒業界において数万円~数十万円の高価格帯で販売をする日本酒のラグジュアリーブランドだ。同ブランドのフラッグシップ商品である百光の価格は、3万8,500円。高価格帯にも関わらず、2024年醸造分の1万本の抽選販売には7万人の応募があったというから驚きだ。

"誰もが美味しい"をコンセプトに掲げた百光は、今回のアップデートで原料米を変更。その狙いや気になる味わいをチェックしてきた。

高価格帯市場創出のための一本

  • SAKE HUNDREDのブランドオーナーである生駒龍史氏

「希少性のみに依存した高級酒からの脱却を図っていきたい」

アップデートの狙いについてこう語るのは、SAKE HUNDREDのブランドオーナー生駒龍史氏だ。近年日本酒が注目されているとはいえ、1973年をピークに出荷量は右肩下がり、直近20年でみると酒蔵は毎月平均2.4社のペースで廃業している(※)。そんな苦境に立たされる日本酒業界に必要なのは「薄利多売のビジネスモデルからの脱却だ」と、生駒氏は提言する。

そのためには、高級日本酒市場の創出が鍵であるとし、今回の百光アップデートによってその成長を促していくという。同氏によれば、従来市場に出回っていた高級日本酒の多くは、王道の商品ではなくあくまで本数限定の飛び道具。希少性によって価値を生み出していたところから、百光という定番の高級酒を一定量供給していくことで"高級日本酒市場創出"に近づけたい、とした。

※出典:国税庁/平成15 年以降の清酒製造業の場数は「酒のしおり」参照

そこで今回、百光の生産拡大を図るため原料米の変更がなされた。採用されたのは、2017年に品種登録された比較的新しい山形の酒米「雪女神」である。本酒米は、より多くの原料米が確保できるという点に加え、大吟醸酒向けに特化して開発されており、上品できれいな酒質になるなど、これまで百光が大切にしてきた透明感のある味わいを保てるというのもポイントだ。

加えて、生駒氏は原料米の選定に対して次のように解説した。

「百光は山形で造られているので、米も山形県産米であることにこだわりました。あとは、グローバルも見据えて"研ぎ澄まされた甘み"を意識しました。どうしても海外で日本酒を販売していると『甘い』と言われることがあるので。山形県産米で大吟醸に特化していて、シャープな甘さが実現でき、さらに一定量確保できるという点で雪女神に決定しました」

続いて、トークセッションに登壇した百光の製造元である楯の川酒造の6代目蔵元・代表取締役 佐藤淳平氏は、その味わいについて「シャープな感じの輪郭とともに、透明感が非常に増した」と語った。また、日本酒業界に関しても次のように言及した。

  • 楯の川酒造の6代目蔵元・代表取締役 佐藤淳平氏

「日本酒業界だけでなく、日本はコストを安くする方向の努力はめちゃくちゃすると思います。いろいろな経費を削減して、効率化して――。ただ、その逆の動きをする人ってほとんどいない。日本はいいもの作っているのだから、きちんとした値付けをする。日本の産業の中で最もレガシーである日本酒業界から高付加価値化の動きをとれたらと思います」

そんな2人の熱い想いを聞きながら、筆者も新百光をいただいた。グラスにそっと鼻を近づけると、リンゴのようなジューシーさとユリのようなエレガントな香りで、一気に非日常感へと引き込まれた。

口当たりはとにかくなめらか! 甘みとほどよい酸味が口の中に広がり、最後は多少キレのある味わいでフィニッシュを演出。単一的ではない複層性に富んだ味わいで、飲む人を飽きさせない日本酒に仕上がっていた。

個人的には新たな市場を切り拓くという"百光"に込められた想いも感じながら味わうことで、より旨みが増したように思う。

生駒氏は最後に「日本酒を飲むときにイメージされる体験があると思うんですが、それを百光は軽やかに超えていけると思っています。それは箱を開けたときの体験だったり、中に入ってるレターだったり――。想像をしっかり超えていけるものです。大いにハードルを上げて、期待してほしいですね」と、晴れやかな表情でメッセージを残してくれた。


一本約4万円の日本酒は、そう易々と買えるものではないだろう。だが、そこにはあなたの人生を輝かせる新たな体験が待っているかもしれない。

※本商品の⼀般抽選販売・応募期間は12月16日まで(年内中に商品を届けるという)。