ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話を伺う企画「#お仕事図鑑」。

今回は、多彩な事業で老若男女を虜にする「バンダイ・BANDAI SPIRITS」の先輩社会人にインタビュー。 ハズレなしのキャラクターくじ『一番くじ』の企画を担当する吉田まなみさんに、業務内容や今後の展望、就活のテクニックについて聞いてみました!

  • PROFILE
    『一番くじ』の商品企画担当。くじのコンセプトから商材ラインアップ、デザインなど、くじ全体の構成を総合プロデューサーとして企画を考案し、商品になるまでの一連の流れを業務として行う。

「一番くじ」の企画に対するこだわり

――自己紹介をお願いします。

BANDAI SPIRITS ロト・イノベーション事業部の吉田まなみと申します。『一番くじ』の企画を担当しておりまして、『一番くじ』のラインナップを0から考案し、商品化までのプロデュースを行っております。

――どれくらいの人数で『一番くじ』の業務に取り組まれているのですか。

1つのくじに対して、企画や営業、開発、仕入という役割をそれぞれ持った5、6人のチームで取り組んでいます。さらに、キャラクターの権利をお借りしている版権元様やフィギュアの原型製作会社様など、沢山のパートナーの協力のもと1つのくじができています。

――1つの企画に対して、どのくらいの期間がかかりますか。

企画をし始めるのが、発売の約1年前です。

――1年間もかかるのですね。

そうなんです。1年後のトレンド状況を予測してキャラクター、商材選定をしなければならない、というのが難しいポイントです。ですので、先を見越して企画していくことを大切にしています。

――仕事をする上で大事にしている事はありますか。

企画に限らず、基本的にバンダイ・BANDAI SPIRITSは周りの方を巻き込みながら進めていく仕事が多いため、コミュニケーション能力が要求されると思っています。ですので、色々な方と円滑にコミュニケーションを取ることで、効率良く仕事をするように心掛けています。

――『一番くじ』は“ハズレなしのキャラクターくじ”ということで、1つ1つの商品が大切になると思っているのですが、どのように商品を決定しているのでしょうか。

比較的、上位賞にはフィギュアなどの目玉となる商品をラインナップし、下位賞にはキーホルダー等のミニアイテムを設定しているのですが、お客様に「ハズレだな」と思わせないような商品の企画をするように努めています。

下位賞でもお客様に満足度高く喜んでいただくために、どのような商材で、どのようなデザインにすれば良いか、など常に意識をしながら企画しています。

――商品の反響はチェックされているのですか。

X(旧Twitter)等で、自分の担当した商品名を検索してチェックしていますね。

――反響の大きかった企画はありますか。

直近で言えば、今年9月に発売が予定されている、『ドラゴンボール』の商品です。これまでの「一番くじドラゴンボール」シリーズはバトルシーンをコンセプトにしたフィギュアが多かったのですが、今回は異なる雰囲気の商品を発売することになりました。これまでとは異なる企画でしたが、発売予定の告知をした後、お客様からの反響も大きく、嬉しくなりました。

――仕事の中で、大変だったと感じる時期があれば教えてください。

元々私はアニメに詳しくない方でしたので、入社当初の企画には苦労しました。作品やキャラクターのことを把握していないと、ファンの方が求めているデザインやラインナップを考えることが難しく、当初はなかなか自信を持って企画を提案することが出来ませんでした。

勉強の為に自分が担当する漫画やアニメを見て、作品のことを理解することから始める必要があったので、その期間は一番時間がかかり、大変だったのを覚えています。

――今後、挑戦したいことはありますか。

現在はメインで『ドラゴンボール』を担当しているのですが、同時並行で別のキャラクターにも携わっています。今後は、特定のキャラクターだけではなく、今までにバンダイ・BANDAI SPIRITSで商品化されたことのないキャラクターや作品を担当し、可能性を広げていきたいと考えております。

――仕事を通して感じた会社の課題があれば教えてください。

基本的には、版権元様からキャラクターをお借りして商品化しているので、自社でもキャラクターを創ることができれば、商品化の幅が広がると考えています。

――仕事をする中でやりがいを感じた瞬間があれば教えてください。

先ほど申し上げたように、「上位賞以外の商品も魅力的にする」という目的で、ユニークな雑貨商材にチャレンジしたことが何度かあります。それに対して、アンケートで高評価のコメントをいただいたとき、頑張った意味があったと思い、やりがいを感じました。

――社内ではどのような方が活躍していますか。

コミュニケーション能力がある人、自分で行動できる人ですね。行き詰まったときでも周りの人を巻き込んですぐに解決できるような人は、どの部署でも活躍しています。

――入社以降、自分自身で成長したなと感じる部分があれば教えてください。

企画力が向上したと思います。入社1、2年目の頃は個人的にあまり良いラインナップを組むことができていませんでしたが、先輩のラインナップを見て勉強を積み重ね、今では上司から「良い企画だね」と褒められるラインナップを作ることができるようになってきました。

ありのままの私で

――学生時代にやっておいた方が良いことはありますか。

そうですね、入りたい会社のために何かするというよりかは、学生のうちに自分がやりたいと思ったことをやった方が良いと思います。もちろん社会人になっても自由な時間はありますが、やりたいことを社会人でやるか、学生でやるかでは捉え方が変わると思います。とにかく自由にやりたいことをやって、楽しむことが1番大切だと思います。

――就職活動で意識していたことがあれば教えてください。

面接で簡潔に話すことを意識していました。緊張して文章を整理せずにバーッと言ってしまうようなことがないように、気を付けていました。

――他にも就職活動における工夫があれば教えてください。

想定される質問に対して答え方を暗記すると、棒読みになったり、想定外の質問に対応できなくなったりしてしまうと思ったので、自分の軸だけを考えておいて、後は素で話すようにしていました。

――就活当初からバンダイ・BANDAI SPIRITSを志望していたのですか。

正直に言うと、始めの志望度は高くありませんでした。興味本位でエントリーシートを出して面接を重ねていくうちに、社員の方々が魅力的に映ってきました。この方々と一緒に働きたいと思うようになり、次第に第1志望に変わっていったという感じです。

――どんなところが魅力的に感じたのですか。

素の私を面接で引き出してくださったところです。この会社なら、自分らしくいられると思いました。

――大学生に向けてメッセージをお願いします。

今やりたいと思うことを大事にしてください。就活にこだわりすぎることなく、たくさんのことに触れ、たくさんの経験をしてください。もし、バンダイ・BANDAI SPIRITSを志望している方がいらっしゃいましたらお待ちしております。本日はありがとうございました。

マイナビ『学生の窓口』
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取材:秋保 柚月
執筆:浅井 宏允
編集:マイナビ学生の窓口
取材協力:バンダイ・BANDAI SPIRITS

※本稿はマイナビ『学生の窓口』の過去の記事を転載したものです