2024年12月1日、Ubisoftが主催するオフラインイベント「FPS Day 2024」が、新宿パークタワーのパークタワーホールとギャラリー1にて開催されました。

本イベントのステージでは、『レインボーシックス シージ』(以下、R6S)の国際大会「APAC Cup」や、『XDefiant(エックスディファイアント)』のショーマッチを実施。会場の各ブースでは、『レインボーシックス モバイル』の試遊やファンミーティングなどが行われました。

「APAC Cup」では、ファンの大きな声援に応えて「CAG OSAKA」が優勝。数々の工夫が凝らされた会場の演出やコンテンツ、そして久しぶりのオフラインイベントに集った『R6S』ファンたちによって、大きな盛り上がりを見せたイベントの模様をレポートします。

久々のオフラインに『R6S』ファンが集結し、白熱の応援

本イベントのメインコンテンツになっていたのは、APAC地域から4チームが参加する『R6S』の国際大会「APAC Cup」。各地域の予選を勝ち抜いた「CAG」(日本)、「BNK FearX」(韓国)、「Gaimin Gladiators」(オセアニア)、「ORGLESS」(東南アジア)の4チームが出場しました。

日本の『R6S』シーンは、今シーズンから国内リーグの運営がX-MOMENTからBLASTに切り替わり、なかなかオフラインで試合を見られる機会がなくなっています。本イベントは、そうした状況のなかで設けられたイベント。『R6S』ファンが久しぶりに集まることができる場でした。事前抽選で販売された各種チケットは完売しており、会場はスティックバルーンや声援によって白熱した盛り上がりを見せました。

「APAC Cup」の準決勝 第1試合は、「ORGLESS」と「GaiminGradiators」が対戦。2マップ続けてフルラウンドにもつれ込む大激戦となりましたが、「ORGLESS」がマップスコア2-0で制します。続く準決勝 第2試合は、「CAG OSAKA」と「BNK FearX」が対戦。ホームならではの大きな声援を受けた「CAG OSAKA」がマップスコア2-0で勝利し、決勝進出を決めました。

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    久々のオフライン大会に『R6S』ファンが集結し、チケットはソールドアウト

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    スティックバルーンや声援で大きな盛り上がりを見せる観客席

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    選手が目前の最前列には、Steelcase Gestureに座って観戦できる限定4席の特別席も

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    会場後方に設けられたキャスター席。実況解説を務めた山野智三さんとOkayamaさん

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    イラストレーターのどんぴちゃんさんが出場4チームの選手イラストを描き下ろした

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    MCの野々宮ミカさんと、準決勝の勝利インタビューに応える「CAG」Sironeko選手

また、「APAC Cup」準決勝の終了後には、『エックスディファイアント』のショーマッチも行われました。『エックスディファイアント』は、今年5月にリリースされた基本プレイ無料のアリーナシューターゲームで、実装されたばかりのカスタムマッチでの試合が披露されました。ただ、イベント開催後の12月4日、突如としてサービス終了が発表され、現在は新規アカウントの登録やダウンロードが停止されています。

9年続く『R6S』コミュニティの存在とほどよい規模感

『R6S』はリリースから9年が経つタイトルで、2025年には10周年を迎えます。今回のイベントでは、『R6S』で活動する配信者、イラストレーター、コスプレイヤーなどとのさまざまなコラボレーションにより、長い歴史を支えるコミュニティの存在がフィーチャーされていたことが印象的でした。

「APAC Cup」の試合間には、コミュニティアワードとして、『R6S』コミュニティを支えてきた人へのトロフィー贈呈も行われました。トロフィーが贈られたのは、『R6S』女性コミュニティ大会を主催しているねりぴぴさんと、『R6S』eスポーツの情報を発信しているNaviさんの2名です。

そのほかにも、『R6S』の小ネタが会場のあちこちに仕込まれていたり、ブースをまわるスタンプラリーが企画されていたり、チケット購入者に豪華なお土産が用意されていたりと、来場者を楽しませようとする主催者のこだわりが随所に感じられるイベントになっていました。

また、会場のほどよい規模感も印象的でした。近年では、eスポーツのオフラインイベントが、アリーナクラスの大きな会場で開催されることが増えています。もちろん大きな会場でしか味わえない良さもありますが、それだけ選手も演者も遠い存在になってしまいがち。今回の会場は試合中、ホールの一番後ろにいても選手の生の声が時折聞こえていて、この規模ならではの臨場感がありました。

しかも、試合間の会場ロビーには選手やキャスター、コスプレイヤーたちが普通に歩いていて、話しかけて交流するチャンスもあります。さらに、会場1階にはチケット不要のフリー入場エリアが設けられていました。フリー入場エリアには、ファンミーティングブース、カフェコーナー、物販、フォトスポットなどがあり、チケットを入手できなかったファンも選手と交流したり、コンテンツを楽しんだりできるように工夫されていました。

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    会場の入り口に設置された記念撮影できるバリケードと「リスキル禁止」の注意書き

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    こちらは「固定カメラを撃たないでください」の注意書き。壁には感知アラームも

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    会場の各ブースを回ることで非売品ステッカーが入手できるスタンプラリーが実施された

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    『R6S』女性大会を主催しコミュニティを盛り上げている、ねりぴぴさん

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    『R6S』eスポーツシーンの情報発信を続け、コミュニティに貢献しているNaviさん

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    フリー入場エリアに展示された、どんぴちゃんさんが手がけた巨大ウォールアート

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    カフェでは好きなラテアートを選択できた。これはタチャンカ抹茶ラテ

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    ファンミーティングでサインや写真撮影に応じる「SCARZ」の選手たち

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    ファンミーティングの最中にピースをくれた「KINOTROPE gaming」の選手たち

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    チームへの応援メッセージなどが書き込まれた寄せ書きボード

『R6S』のオフラインイベントといえば、バラエティ豊かなグッズとハイクオリティなコスプレイヤーの存在も欠かせません。特に『R6S』はアパレルグッズの展開が豊富で、会場では多くの人が一目で『R6S』ファンだとわかるグッズを身に着けていました。今回はUBIオフィシャルグッズやチームアパレルのほか、「FPS Day 2024」のグッズとして『R6S』の配信者とのコラボTシャツなどの販売もされました。

そして、本イベントではコスプレでの参加が歓迎されていて、『R6S』オペレーターのコスプレイヤーの方々が大集合していました。イベントオフィシャルのコスプレイヤーとしては、Yunocyさん、シスルさん、Tabucoさん、MyBooさん、黒子ききさんが参加。一般のコスプレイヤーにも専用の更衣室やクロークが用意され、試合間には迫力のコスプレランウェイも開催されました。

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    チケット購入者の特典として入場時にもらえた紙袋

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    紙袋の中身はこちら。チビフィギュアやタオルなどグッズが盛りだくさん

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    オフィシャル物販ブース。昼過ぎには一部グッズが売り切れになっていた

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    『R6S』で活動する配信者とのコラボTシャツが4種類販売された

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    『R6S』オペレーターのコスプレイヤーが大集合

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    オフライン会場で見るたびに驚くコスプレのクオリティの高さ

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    コスチュームはもちろんのこと、ガジェットや盾の作り込みもすごい

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    花道を使ったコスプレランウェイ。ELAのエリートスキンで登場したYunocyさん

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    会場ロビーでのディフューザー設置阻止! なんと韓国から参加したコスプレイヤーさんでした

開発中の『レインボーシックス モバイル』試遊コーナーも

会場には、『レインボーシックス モバイル』の試遊コーナーが設けられており、開発中の最新版を5対5の形式で体験できました。スマホ用コントローラーの「Backbone One」が用意されており、コントローラーを取り付けてプレイすることも、外してスマホのタッチスクリーンでプレイすることもできます。

PC版しか触れたことがない私にとっては、コントローラーもタッチスクリーンも操作が難しく、慣れるのに少し時間がかかりそうでした。コンシューマ版に慣れている人は、コントローラーをつけると感覚的にプレイしやすく、スマホでのFPSゲームに慣れている人は、タッチスクリーンのほうがプレイしやすいようです。

『レインボーシックス モバイル』は2022年に、招待されたインフルエンサーが参加する日本先行テストプレイが行われていました。その時に公開されたプレイ動画と比べると、グラフィックがかなり向上していて、よりスタイリッシュになった印象を受けました。

『レインボーシックス モバイル』はカナダ、メキシコ、コロンビア、チリ、アルゼンチンでソフトローンチが実施されています。それらの地域でのフィードバックをもとに改善を進めながら、リリース地域を広げていくとのことで、日本でも2025年中のリリースが期待できるのではないでしょうか。

なお、今後『レインボーシックス モバイル』でも、競技シーンが展開されていく可能性があるか担当者の方に聞いてみたところ、「現状はまだ具体的には決まっていないが、考えていきたい」といった回答でした。

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    会場に設けられた『レインボーシックス モバイル』の試遊コーナー

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    タッチスクリーンでもコントローラーでもプレイすることができた

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    コントローラーを取り付ければ、コンシューマ版により近い操作感でプレイ可能に

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    試遊に参加してアンケートに答えると、参加賞やガチャで当たった賞品がもらえた

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    もらった参加賞の缶バッチとガチャで当たったアクリルキーホルダー

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    コスプレイヤーの皆さんが勢ぞろいで5対5での対戦を体験プレイ

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    オペレーターたちが『レインボーシックス モバイル』をプレイしている不思議な光景

声援に応え「CAG OSAKA」が優勝! LCQへの弾みに

「APAC Cup」のグランドファイナルでは、準決勝を勝ち抜いた「CAG OSAKA」と「ORGLESS」が対戦しました。観客からは「CAG OSAKA」に熱い声援が送られ、毎ラウンドの準備フェーズには「Let's go CAG!!」という応援コールが鳴り響きます。

会場では、世界大会の「Six Invitational」などで見られるような、ゲーム内と連動した照明の演出が取り入れられていました。ディフューザーが設置されると、照明の色が変わって会場の雰囲気を一変させたり、カンデラが使われると会場の照明まで白くピカピカ光ったりと、こだわりを感じる演出が会場をさらに盛り上げます。

1マップ目のナイトヘイヴンラボでは、隙のない防衛を見せた「CAG OSAKA」が7-4で勝利。2マップ目のカフェ・ドフトエスキーでは接戦が続き、フルラウンドにわたる戦いとなりましたが、「CAG OSAKA」が8-7で勝ち切りました。これにより、マップスコア2-0で「CAG OSAKA」が見事優勝に輝き、日本のファンの前でトロフィーを掲げました。

「CAG OSAKA」は、世界大会「Six Invitational 2025」への参加枠をかけたLCQへの挑戦を控えており、LCQでの活躍にも大きな期待が寄せられます。「Six Invitational 2025」にはグローバルランキングにより、日本チームの「SCARZ」を含む16チームの出場が確定。残るはAPAC、North America、South America、EU&MENAの4つの地域から1チームずつ、LCQを勝ち抜いたチームが出場権を獲得します。

APAC地域のLCQには、日本、韓国、Asia、Oceaniaの各上位1チームが出場。年明け1月4日~5日にシンガポールで開催されるオフライン大会で、「Six Invitational 2025」への出場権1枠をかけて戦います。「CAG OSAKA」はLCQも勝ち抜くことができるのか、ぜひ注目したいところです。

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    グランドファイナルを戦う「CAG OSAKA」と「ORGLESS」の両チームが入場

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    元「BLEED Esports」のメンバーで構成される「ORGLESS」。ビザの都合で出場できないReeps96選手の代わりにNudl選手が出場した

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    猫耳メイド姿で登場して注目を集めた「ORGLESS」MentalistC選手

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    ディフューザー設置など、ゲーム内に連動して会場の雰囲気を変えるこだわりの照明

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    1マップ目に勝利して笑顔を見せる「CAG OSAKA」。続く2マップ目も勝ち切った

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    日本のファンの前で見事優勝を果たし、トロフィーを掲げる「CAG OSAKA」

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    美しい江戸切子の「APAC Cup」優勝トロフィー