住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営する株式会社MFSが、今後の金利情報についてお伝えします。解説は、取締役COO:塩澤崇です。

■12月の住宅ローン金利の動き

2024年12月の住宅ローン金利情報をお伝えします。

日銀は10月31日の金融政策決定会合において、9月会合に続いて政策金利を0.25%で据え置くことを決定しました。これまであった利上げ判断への「時間的な余裕」の表現はなく、追加利上げの可能性が高まっていると受け止められています。早ければ次回の12月18日・19日の金融政策決定会合において追加利上げを発表する可能性があります。

短プラはほとんどの銀行で据え置きとなっていますが、長期金利に連動する10年などの固定金利については前月に引き続き、多くの銀行で引き上げられ上昇傾向が見られます。

日銀の追加利上げに伴い変動金利は今後上昇していく可能性が高いですが、依然として変動・固定の金利差には大きな開きがある状況です。モゲチェックとしては、借り過ぎないなどの金利上昇リスク対策をしっかりと行う前提で、引き続き変動金利の利用が有利と考えています。

■金利が一時的なものか長期的かを見極めることが重要

今月は、ほとんどの銀行において変動金利は据え置きとなっています。一部金融機関では低金利の住宅ローンの提供を開始したり、金利引き下げキャンペーンを開始するなど、競争が激しくなっています。

例えば、PayPay銀行の金利キャンペーン開始やauじぶん銀行の一般団信での変動金利年0.344%〜の商品などがあります。11月から12月の主要金融機関の住宅ローン基準金利及び優遇幅の動きは下記表の通りです。

続いて、今年4月から12月までの主要金融機関の住宅ローン基準金利及び引き下げ幅の動きも確認してみましょう。

4月と12月の各金融機関の基準金利・引き下げ幅・適用金利は下記表の通りです。適用金利は年0.15%〜0.25%の上昇となっています。原則、基準金利は日銀の利上げ幅と同程度になることが多く、引き下げ幅は各銀行の集客戦略によって決定されます。

12月の適用金利のみで判断するのではなく、その金利が住宅ローン基準金利見直し前の一時的なものか長期的に適用される金利かを見極めることが重要です。7月の日銀の利上げ後に基準金利を引き上げていない銀行はこれから引き上げる可能性があります。

■住宅ローンインデックスの動き

主要なネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均したモゲチェックの独自指標である「住宅ローン金利インデックス」の動きは下図の通りです。

変動金利では引き続きネット銀行の金利インデックスがメガバンクの金利インデックスを上回る逆転現象が起きています。さらにメガバンクに追従して他行でも優遇幅拡大の傾向があり、この傾向は当面続く可能性があります。この動きを受けたネット銀行の対応にも注目が集まります。

固定金利は、日銀の利上げを受けて長期金利が上昇したため、先月より高い金利となっています。米国大統領選を終え、、マクロ経済が落ち着いたと日銀が判断した場合、堅調な賃金および物価の上昇を踏まえ、年内追加利上げの確度が高まるものと思われます。

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