「常に上のレベルでやっていて、上の順位で指名されたので、1人ずつ抜いてきたいという気持ちです」。
ロッテの育成3位・長島幸佑投手は、10月24日に開催されたプロ野球ドラフト会議で富士大から6人ドラフト指名された選手の1人だ。オリックスから1位指名を受けた麦谷祐介選手、広島2位の佐藤柳之介投手、ソフトバンク3位の安徳駿投手、広島4位の渡邉悠斗選手、巨人育成1位・坂本達也捕手、そして長島はロッテから育成ドラフト3位で指名された。
大学4年間で「真っ直ぐの重さ、当てられても飛ばさせない真っ直ぐを求めてやってきました。あとはどれだけ投げても肘が疲れてこないところを求めてやってきた」という部分にフォーカスを当てて技術を磨いてきた。
大学時代の成績を見ると、「1、2年は辛抱のシーズンだったんですけど、3、4年と徐々に(登板)機会が増えていって、先発とかも任される時とかもあったので、それは4年間やってきて報われたかなと思います」と1、2年生まではリーグ戦の登板がなく、3年生からリーグ戦に登板し、4年秋に6試合に登板と登板数を増やしてきた。段階を踏んで成長してきており、それだけ伸び代があるということだ。
新入団選手発表会で、注目してほしいポイントについて力強いストレートとフォークと話していたが、投球の武器、持ち球に関して詳しく訊くと、「真っ直ぐとカットボール、半速球の速い球でツーシームもなんですけど、芯をずらして当てさせたくないという時はカーブ、フォーク、落差の大きい球で勝負しています」と教えてくれた。右打者のインコースに動かしているボールに関してはツーシームとのこと。
昨年11月に行われた明治神宮大会では、準決勝・青山学院戦に登板し、ドラフト1位の西川史礁と対戦。結果は四球だった。かつて対戦した打者がチームメイトになる。「投げていてとても投げにくい印象だったので、そういう打者と千葉ロッテマリーンズに来て一緒に戦えるのは心強いなと思います」。
育成選手でのプロ入りということもあり、一軍のマウンドに上がるため、西川と一軍の舞台で一緒にプレーするためには、支配下選手になる必要がある。「変化球の精度、ストレートのアベレージだったり底上げ的なものをしていかないと支配下は難しいのかなと思います」との考えを示した。
将来は「こいつが出てきて負けたらしょうがないという、ファンの皆様から信頼されるピッチャーになりたいです」と意気込む。
育成ドラフト3位でのプロ入りとなったが、ここからは実力勝負の世界。本人の努力とアピール次第で、世代トップの投手になる可能性も秘めている。育成でプロ入りした大卒投手も、支配下選手となって活躍する選手が増えてきた。自身の良さを知り、そして武器を磨き、1日でも早く支配下選手登録、ZOZOマリンスタジアムのマウンドに立ちたいところだ。
▼ 長島幸佑プロフィール
背番号:132
生年月日:2002年7月5日生
守備位置:投手
身長 / 体重:187センチ / 92キロ
投 / 打:右 / 右
経歴:佐野日大高-富士大-ロッテ(育成ドラフト3位)
取材・文=岩下雄太