ラ・リーガ第19節前倒し分が4日に行われ、レアル・マドリードは敵地でアスレティック・ビルバオと対戦した。
2連覇を目論んでシーズンをスタートさせたレアル・マドリードは、開幕直後こそ引き分ける試合も目立ったが、第15節終了時点での成績は10勝3分1敗。10月26日に行われた第11節、“宿敵”バルセロナとのエル・クラシコでは0-4と大敗を喫したものの、残る試合で黒星はなく、気がつけば自力での首位浮上のチャンスを手にした。チャンピオンズリーグ(CL)では5戦で3敗と苦しんでいるものの、現在ラ・リーガでは3連勝中だ。
このような状況のなか、前回の試合から中2日で、来年1月のスーペルコパ・デ・エスパーニャ開催に伴う第19節前倒し分が開催される。対戦相手は、ここまで7勝5分3敗の成績で暫定4位につけており、現在はヨーロッパリーグ(EL)も含めた公式戦で3連勝中、9試合負けなしと好調のアスレティック・ビルバオだ。過密日程のなか、レアル・マドリードのスターティングメンバーは1名のみ。ブラヒム・ディアスに代わって、負傷明けのオーレリアン・チュアメニが先発に名を連ねた。
試合は立ち上がりからアスレティック・ビルバオが素晴らしい入りを見せ、良い守備から良い攻撃へ転じる機会を増やしていく。ニコ・ウィリアムスの突破を中心にゴールへ迫る場面を作ったが、均衡を破るには至らない。
スコアレスで時間が経過するなか、30分にはこの日最大の決定機が到来。敵陣右サイドでフラン・ガルシアからのパスをインターセプトしたミケル・ハウレギサールがアーリークロスを送ると、中央へ走り込んだイニャキ・ウィリアムスがボールを収め、後ろ向きの状態からヒールパスでボールを繋ぐ。フリーで反応したアレックス・ベレンゲルが右足で狙ったが、シュートはジャストミートせずにクロスバーの上へと外れた。
スコアレスで後半へ折り返すと、53分にスコアが動く。アスレティック・ビルバオは右コーナーキックの跳ね返りを拾って、左サイドから2次攻撃へ移ると、前を向いたイニャキが右足でクロスボールを送る。低弾道の鋭いボールに対し、飛び込んだオイアン・サンセトはわずかに触れられなかったが、ボールは直接ゴール方向へ。GKティボー・クルトワがなんとか弾き出したものの、こぼれ球をベレンゲルが押し込み、前半から良い試合を見せていたホームチームが遂に先手を取った。
1点ビハインドとなったレアル・マドリードは59分、左サイド深い位置へ走り込み、スピードを上げて相手の前へ入ったロドリゴがマイナスへ折り返すと、待っていたキリアン・エンバペがダイレクトで合わせる。この日最初の決定機と呼べるようなシーンだったものの、背番号9の放ったシュートはGKフレン・アギレサバラの正面へ。
続く66分には、敵陣左サイドでボールを受けたエンバペが、ダブルタッチで相手のファウルを誘う。このフリーキックをロドリゴが右足で蹴り込むと、インスイングのボールに対してアントニオ・リュディガーが反応。GKアギレサバラよりも前にボールに触ると、やや遅れて飛び出したことでパンチングがリュディガーの頭に入る形となり、主審はPKを宣告する。レアル・マドリードにPKが与えられた。
同点のチャンスのなか、キッカーを務めるのはエンバペ。短い助走からゴール右下を狙ったものの、GKアギレサバラに完全にコースを読まれて失敗。これでエンバペはチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第5節のリヴァプール戦(●0-2)に続いてPKを仕留め損ねることとなった。
アスレティック・ビルバオの1点リードで終盤へ突入すると、ルカ・モドリッチやブラヒムらを送り出したレアル・マドリードが、徐々に攻撃のギアを上げていく。そんな状況で迎えた78分、ペナルティエリア手前左寄りの位置でロドリゴからのパスを受けたエンバペが、コンパクトな振りからミドルシュートを放つ。枠を捉えた強烈な一撃はGKアギレサバラに弾き出されたものの、こぼれ球をベリンガムが押し込み、試合を振り出しに戻す。ベリンガムはこれでラ・リーガ4戦連発となった。
ここからレアル・マドリードが逆転に向けてさらに勢い付くかと思われたが、リードの時間は長くは続かなかった。80分、敵陣中央でフェデリコ・バルベルデが後方へ持ち出したボールをゴルカ・グルセタが引っ掛けると、自らボックス内まで持ち運んで右足で流し込む。相手のミスを見逃さなかったアスレティック・ビルバオが、即座に勝ち越しに成功した。
試合はこのままタイムアップ。この結果、レアル・マドリードは公式戦では2試合ぶりを喫した。ラ・リーガでの連勝は「3」で止まり、エル・クラシコ以来4試合ぶりの黒星。一方のアスレティック・ビルバオは、これで公式戦4連勝となっている。ラ・リーガに限定しても3連勝を飾り、レアル・マドリード相手に2015年3月以来、9年9カ月ぶりに勝利した。
ラ・リーガ第16節は8日に行われ、レアル・マドリードは7日に敵地でジローナと、アスレティック・ビルバオは8日にホームでビジャレアルと、それぞれ対戦する。
【スコア】
アスレティック・ビルバオ 2-1 レアル・マドリード
【得点者】
1-0 53分 アレックス・ベレンゲル(アスレティック・ビルバオ)
1-1 78分 ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)
2-1 80分 ゴルカ・グルセタ(アスレティック・ビルバオ)