Q:「メモ」アプリにはテキストを入力する以外の使い方もあるのですか?

A:メモのページにファイルを追加できるほか、macOS SequoiaとiOS 18では録音をしたり、追加したPDFファイル内のテキストを検索したりすることもできるようになりました

本連載の以前の記事で、macOS SequoiaとiOS 18の「メモ」アプリでは式などを入力して計算できるようになったことを紹介しました。

「メモ」アプリにはmacOS SequoiaとiOS 18で追加された新機能がほかにもあり、以前からある機能とあわせて、情報収集や資料作成に活用できます。

実はさまざまなデータを保存できる「メモ」アプリ

「メモ」アプリは、名前が「メモ」でインターフェイスもシンプルなせいか、テキストを直接入力するだけというイメージがあるかもしれませんが、実はさまざまなデータをまとめられるアプリです。書類を入れる箱、あるいはスクラップブックのように使うことができます。

本記事では、これからApple Intelligenceに関する研修を実施するための準備をしていると想定して、準備の過程で集めた情報を「メモ」アプリにどんどん入れていきます。なお、本記事中のスクリーンショットは、主にAppleのサイトに掲載されている情報を引用して作成しています。

「メモ」アプリで録音できるのは、macOS Sequoiaの新機能

macOS Sequoiaの「メモ」アプリでは、録音ができるようになりました。会議などの際に役に立ちます。

  • 上部にある録音のツールをクリックすると、右側に録音機能が表示されます。右下にある赤色のボタンをクリックして録音を開始します

  • 録音中に文字を入力してメモを取ることができます。録音を終了するときは右下にある一時停止のボタンをクリックし、その後、その右にある「完了」をクリックします

  • 録音はこのように表示されます。「再生」をクリックして再生します

  • 録音のグレーの部分をダブルクリックすると右側に録音が表示され、トラックパッドを使っている場合は2本指で左右にスワイプして途中から聴くこともできます

ファイルを保存する

関連するファイルも「メモ」アプリにまとめておきましょう。

  • ワープロのファイルでもプレゼンのファイルでも、アイコンをドラッグ&ドロップして入れられます

  • グレーの部分をダブルクリックするとファイルが開きます。また、グレーの部分をcontrolキーを押しながらクリックし、メニューから「添付ファイルをクイックルック」を選択して内容を見ることもできます

PDFファイルも「メモ」アプリに入れられます。

  • PDFファイルのアイコンをドラッグ&ドロップして入れます

  • PDFの内容をこのようにプレビューできて便利ですが、場所をとりすぎると感じるかもしれません。その場合は上部の「V」をクリックし、「表示形式」から「小」や「中」を選択します

  • 「メモ」アプリに入れたPDFに書き込みをすることもできます。上部の「V」をクリックし、「マークアップ」を選択します

  • PDFが別ウインドウで開きます。上部のツールを使って書き込み、終わったら右上の「完了」をクリックします

さらに、画像も入れられます。写真やスクリーンショットなどもまとめておきたい場面は多いと思います。

  • 画像ファイルのアイコンをドラッグ&ドロップして入れます

  • 画像が追加されました

紙の書類をスキャンする

紙の書類があるなら、それも「メモ」アプリにまとめましょう。デジタルデータと紙の書類の両方があると、管理の手間がかかります。 Macと同じApple AccountでサインインしているiPhoneがあれば、「メモ」アプリから連係機能でスキャンできます。

  • 上部にあるファイル追加のツールをクリックし、iPhoneの「書類をスキャン」を選択します

  • iPhoneでスキャンできる状態になります。カメラを書類に向けて自動撮影するか、シャッターのボタンをタップして手動で撮影します

  • 撮影後に右下の「保存」をタップします

  • スキャンした書類が「メモ」アプリに保存されます。PDFと同様に、表示形式を好みに応じて選択します

ウェブページをメモのページに追加する

ウェブで見つけた情報も「メモ」アプリにまとめておきたいですね。「Safari」で見つけたページを「メモ」アプリに共有できます。

  • 「Safari」で目的のページを開きます。右上の共有アイコンをクリックして「メモ」を選択します

  • 「メモを選択」と書かれた右にあるメニューをクリックして、「メモ」アプリの目的のページを選択します。その後、右下の「保存」をクリックします

  • 「メモ」アプリにこのように表示されます。ダブルクリックすると「Safari」でこのページが開きます

添付ファイルの内容も検索できる

ここまで紹介してきたようにさまざまなデータを入れた際に便利な機能が、macOS Sequoiaで追加されました。「メモ」アプリで検索すると、メモのページに直接入力したテキストだけでなく、スキャンした書類や追加したPDFの中のテキストも検索されるようになったのです。

  • 右上の検索フィールドに「Intelligence」と入力しました。左側の検索結果を見ると、さまざまなタイプのデータが検索されていることがわかります。検索結果のいずれかをクリックすると、メモのページのその部分が表示されます

  • 紙に手書きしたメモをスキャンしたデータも検索されています

【今回の余談】
Macと同じApple AccountでサインインしているiPhoneがあれば、「メモ」アプリを同期してこのメモを表示したり、メモにデータを追加したりすることができます。写真などはiPhoneの方がおそらく追加しやすいと思います。iPhoneでも、添付ファイルの内容も検索できます。
それでは次回も、よろしくお願いします。