札幌はサッポロビールの前身、開拓使麦酒醸造所の創業地。

夏には市内の中心部で大規模なビアガーデンが開催されるなど、まさに「ビールのまち」と言える都市です。近年は、小規模なクラフトビールの醸造所も続々と誕生しています。

そんなビール文化が根付いた札幌に、ビールの本場ドイツのクラフトビールを提供する店「SCHMATZ(シュマッツ)」が11月30日、札幌ステラプレイスセンター6Fのステラダイニングにオープンしました。

  • 「SCHMATZ(シュマッツ)」の語意は「幸せの音」、確かにビールを注ぐ音や乾杯の声はハッピーな気分にしてくれます

フードトラックからスタートして人気沸騰

シュマッツはドイツ人の青年2人が2014年に東京の中目黒で始めたフードトラックがルーツです。

イベント会場などでジャーマンソーセージとドイツビールを販売して人気を集め、2015年には東京赤坂に第1号店を出店。

今では首都圏と名古屋に30店舗以上のビアスタンドやビアダイニングを展開するまでに急成長しています。

  • シュマッツ創設者のひとり、マークさんは日本語も上手

北海道第1号店の出店にあたって札幌を訪れた代表のマークさんはこう話します。

「北海道は風景や気候、農業が盛んな点など、ドイツに似ている点が多く、個人的に大好きな場所です。札幌とミュンヘンが姉妹都市という縁もあり、ずっとお店を出したいと思っていました。札幌のビールもおいしいですが、ぜひドイツのクラフトビールや料理も味わってほしいですね」

確かに、北海道とドイツは緯度も近いし、雰囲気も似ているような気がします。

ドイツで醸造したクラフトビール

シュマッツの定番ビールはヴァイツェン、ババリアへレス、ラガー、IPA(インディア・ペールエール)など5種類。

メニューにはそれぞれのビールの香り・ボディ・フルーティー・苦み・甘みの指標をレーダーチャートで表示され、好みの味を選びやすい工夫がされています。

これらのオリジナルビールはすべて、麦芽・ホップ・酵母・水の4つの原料のみを使用し、ドイツの「ビール純粋令」を守って醸造されているのです。

  • ドイツ伝統の白ビール「ヴァイツェン」(990円/Mサイズ)

定番5種類に加えて、季節ごとに内容が変わるシーズナルビールもあり、こちらは副原料にコーヒー豆やスパイスを使ったものなど、より個性的な味わいを楽しめるのが特徴です。

また、ドイツで醸造されたビールだけでなく、年に数回、日本のクラフトビールの醸造所とコラボレートした国内醸造のビールも登場するそうです。

モダンスタイルのドイツ料理も注目

  • モダンドイツの料理を中心に提供、北海道の食材を使ったものも

ビールと相性のいいフードも見逃せません。

「伝統的なドイツ料理の店は日本にたくさんあるので、モダンドイツのスタイルにこだわりました」とマークさん。

ソーセージやプレッツェルはもちろんのこと、サクサク生地のピザ、マヨネーズを使わずビネガーでさっぱり仕上げたジャーマンポテトサラダ、粗挽き生ハムのブルスケッタなど、ビールにあった一品が豊富にそろっています。

メインディッシュには道産牛のグリルなど北海道の食材を使ったメニューや、パスタ、煮込み料理などもあるので、アルコール抜きでしっかり食事をしたいときにも重宝するはずです。

あらためて考えると、ドイツ料理はイタリアンやフレンチほど定着していないのかも。メカジキのグリルや、トリュフ香るマッシュルームソースのカツレツなど、メニューの説明を読むだけでわくわくします。

仕事帰りに居酒屋気分で立ち寄るにもいいし、休日の午後にちょっとしたおつまみとビールでくつろぐのにもぴったりです。

特典がうれしい会員制のビアクラブも

シュマッツには会員制のビアクラブがあり、メンバーになるとドイツから自社輸入したレアビールを味わうこともできます。この日はアルコール度12%のビールや、シャンパンのような味わいのサワービールなどがラインナップされていました。

  • 札幌ステラプレイス センター6F、無印良品に向かって左側です

「日本のビールはのど越しを重視したものが多いですが、ドイツのビールは味がしっかりしているので、ぐいぐい飲むよりも、ワインのように少しずつグラスについでゆっくり味わうのもおすすめです」とマークさん。

クラブビールは月ごとに変わるので、ビール好きなら毎月通いたくなるかもしれません。

店内は一人でも気軽に利用できるカウンター席や、グループでくつろげるボックス席まで用意され、全90席を完備しています。

また、これから忘年会や新年会にぴったりの飲み放題付きパーティプランもあります。札幌駅に立ち寄った際は、ぜひ覗いてみてください。