ウォッチブランド大塚オーテックの機械式時計「6号」が、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG 2024)のチャレンジ部門にてグランプリを獲得した。なお、同部門のグランプリ受賞は、国産時計では初めての快挙となる。ちなみにジュネーブ・ウォッチメイキンググランプリとは、いわば「時計界のアカデミー賞」。受賞したチャレンジ部門では、3000スイスフラン(約50万円)以下の時計を対象として審査を行う。
【画像】どこか懐かしく、モダンな雰囲気も漂う、一度見たら忘れられない個性的なデザイン(写真8点)
もともとカーデザイナー・プロダクトデザイナーとして活躍していた片山次朗氏が、インターネットオークションで旋盤を購入したことをきっかけに、独学で時計製作技能を習得し設立された大塚ローテック。
工房では”スマートで最先端なものよりも、少し昔のモノの出で立ちの懐かしさや、ひとりのエンジニアが手掛けた作り手の個性や人柄がにじみ出る設計やデザインに惹かれてしまう”という、長年ものづくりを続けてきた片山氏の感覚が生み出す”あえてローテック”で美しい時計が生み出されている。
今回グランプリを受賞した 「6号」は、扇形の時分針が特徴の自動巻き腕の腕時計である。右端まで到達すると瞬時に帰零する時分針(レトログラード機構)を搭載し、中央には秒ディスク、中央右に日付表示が配されている。
時計の心臓部のムーブメントは国産汎用ムーブメントの上に約30の部品で構成される自社製モジュールを搭載。余計な機能を削ぎ落とし、どこか懐かしい、でもモダンな雰囲気も漂う、一度見たら忘れられない個性的なデザインとなっている。なお、本モデルは2015年より販売を開始しており、2024年より現行仕様に変更されている。
大塚ローテック「6号」
機能:同軸2針レトログラード、秒ディスク、日付表示
ムーブメント:MIYOTA9015+自社製レトログラードモジュール(自動巻、26石、毎時28,800振動、パワーリザーブ約40時間)
ケース:ステンレススチール、径42.6mm、日常生活防水