ホウレンソウって?

ホウレンソウは和・洋・中の幅広い料理で使われる緑色野菜で、家庭菜園でも人気です。東洋種は細長く先がとがった葉と赤い根が特徴で、西洋種は丸みを帯びた厚みのある葉を持ちます。これらを掛け合わせた交雑種も多く出回っており、それぞれの料理に合わせて使いやすくなっています。
旬の時期はいずれの品種も11月〜3月頃で、特に寒さに当たると甘みが増し、柔らかな食感が楽しめるのが特徴です。

ホウレンソウは家庭菜園に向いている?

ホウレンソウは冷涼な気候を好み、家庭菜園が可能な野菜です。種まきは、春まき(2月〜3月)や秋まき(9月〜11月)のタイミングで行い、種まき前には、土に苦土石灰を混ぜて酸性を中和しておくのがポイントです。
発芽後は間引きをしながら生育を整え、草丈が20cmほどに成長したら根元をハサミで切り取って収穫します。収穫時期の目安は種まきから約30〜50日後です。
寒さに強いホウレンソウは冬でも栽培可能ですが、冬場は品種によってはトンネル栽培や保温が必要な場合があります。寒冷地や冷え込みの厳しい地域では、ビニールトンネルや不織布を使って保温対策を行うと、生育がスムーズに進みます。
また、種まき前に品種ごとの耐寒性や栽培条件をよく確認することが重要です。例えば、寒さに強い品種を選ぶと冬場でも安定した栽培が可能になります。

春まき・秋まきのどちらも可能な品種

春まき・秋まきの品種

ソロモン

ソロモンは、暑さや寒さに強く、季節に関わらず育てやすいホウレンソウです。濃い緑色で先がとがった葉は、横に広がらず立性の姿で成長するため、収穫もしやすいのが特徴。
葉の表面が滑らかで日持ちも良く、葉の枚数も多いことから、家庭菜園にぴったりの品種です。

パレード

パレードは、暑さや寒さに強く、育てやすいホウレンソウです。成長が早く、たくさんの葉を収穫できるのが特徴で、根がきれいな赤色に染まります。葉は幅が広めで少し立ち上がって育つため、収穫もしやすいです。
また、栽培できる時期が幅広く、季節を選ばずに安定して収穫できます。

アトラス

アトラスは、暑さや寒さに強く、病気にも強いので、全国でよく育てられている人気のホウレンソウです。元気に育ち、しっかりした株ができるため、初めての人にもおすすめです。
濃い緑色の葉は厚みがあってたくさん育ち、日持ちに優れています。夏から早春にかけての種まきに向いていて、特に温暖な地域で育てやすいです。

タフスカイ

タフスカイは、育てやすく収穫もしやすいホウレンソウで、特に暑さに強い品種なので夏でも元気に育ちます。病気にも強く、葉がたくさんついて収穫量も多いのが特徴です。葉の茎が太くてしっかりしているため、収穫や調整の作業も簡単。
気温が高くても育ち方がそろいやすいので、家庭菜園でも農業でも安心して栽培できますよ。

秋・冬に適した品種

秋・冬に適した品種

オシリス

オシリスは、濃い緑色で厚みのある葉が特徴のホウレンソウで、寒い季節に育てるのにぴったりな品種です。寒さに強いため、温暖地・暖地では冬でも覆いなしで元気に育ち、収穫がしやすいのが魅力です。また、湿気にも強いので、水はけが悪い土や田んぼのあとでも育てやすいです。
更に、ホウレンソウの病気である「べと病」にも強いので、初心者の人からベテランの方まで安心して育てられます。良く育ち、葉の枚数も多いため、家庭菜園でも楽しみやすいホウレンソウです。

アグレッシブ

アグレッシブは、寒さに強く、冬の寒い気候でも元気に育つホウレンソウです。ただし、栽培にはトンネルが必要です。不織布やビニールを使用したトンネルで霜や低温から守ることで、健康的な成長を促し、品質の良い収穫が可能になります。寒い時期に収穫すると根元が鮮やかな赤色になり、とても見た目がきれいです。
また、水はけが悪い土でも育てやすく、いろいろな場所で栽培できます。葉は濃い緑色で、上に向かって伸びるため収穫もしやすく、病気にも強いホウレンソウです。

日本ほうれん草

日本ほうれん草は、寒さに強く秋まきに適した日本在来種で、懐かしい風味と色が魅力です。やや細葉で切れ込みが深く、葉先がとがり、根元は鮮やかな赤色をしています。アクが少なく柔らかい食感が特徴で、おひたしに最適な品種です。
酸性土壌を嫌うため、事前に土壌調整を行いましょう。涼しい季節に育てるとよりおいしく育ち、日本人好みの食味が楽しめます。

寒締め吾郎丸®

寒締め吾郎丸®は、日本ホウレンソウと寒締めの魅力を組み合わせた秋冬専用のホウレンソウで、寒さに当てることで甘みが増し、えぐみが少なく食べやすいのが特徴です。立性で葉の枚数が多いので見た目にボリュームがあり、収穫しやすい品種です。
また、耐寒性に優れ、一般地や暖地では露地栽培で冬越しが可能で、極寒期でも筋が残りにくく柔らかな食感を楽しめます。べと病の抵抗性も高く、安定した収穫が可能なため、家庭菜園にもおすすめです。

クロノス

クロノスは、深い緑色としっかりした葉が特徴の秋まき用ホウレンソウです。寒さに強く、病気にも負けにくいので、寒い地域や湿気の多い場所でも元気に育ちます。また、寒くても成長がよく、どんな土でも育てやすいため、家庭菜園を始めたばかりの人でも安心して挑戦できます。特に涼しい地域や暖かい地域での秋まきにぴったりで、しっかり収穫できる期待大の品種です。

ゴードン

ゴードンは、秋冬まきにぴったりで、暖かい冬でも寒い冬でも安定して育つホウレンソウです。濃い緑色のしなやかな葉が多く、少しとがった形をした立ち上がるような葉が特徴です。病気に強く、寒さにも耐えるため、真冬でもしっかり成長し、畑やトンネル栽培にも向いています。葉の数が多く、収穫しやすいので、家庭菜園でも手軽にたっぷり収穫できる品種です。

まほろば

まほろばは、人気品種の豊葉を改良した秋まき専用ホウレンソウです。病気に強く、たくさん収穫できるのが魅力で、味が良いのもポイントです。葉は淡い緑色で、寒さに当たると甘みが増し、直売所でも人気があります。
広めの葉が立ち上がって育つので、収穫しやすく、葉の量もたっぷりとれます。また、寒さに強く、さまざまな土壌に適しているため、関東などの地域でも安心して栽培できます。

豊葉

豊葉は、日本のホウレンソウと西洋のホウレンソウの良さを合わせた品種で、暑さや寒さに強いのが特徴です。葉は鮮やかな緑色で浅い切れ込みが入っています。あくが少ないので食べやすく、特におひたしにぴったりです。
生育が良く株が広がりすぎないため、狭い場所でもたくさん育てられ、家庭菜園にぴったりです。また、葉が厚くて量も多いので、たっぷり楽しめる優れたホウレンソウです。

収穫量が多い品種

収穫量が多い品種

ハイドン

ハイドンは、濃い緑色の広い葉が特徴のホウレンソウで、葉が多いのが魅力です。また、収穫適期を多少過ぎても品質が大きく劣化しにくいこともポイントです。
1月~3月中旬や9月中旬~10月初旬に種をまくとよく育ち、たっぷり収穫できます。茎が折れにくく、しっかりとした株が育つので、初心者にも育てやすい品種です。

ピンドン®

ピンドン®は、収量性と作業性を重視する人におすすめのホウレンソウ品種です。低温でもしっかりと成長し、寒い冬場でも収量が期待できます。立性のため葉が隣と絡みにくく、収穫しやすいのも特徴です。べと病への耐性が高く、葉が多いため収量が多くなります。暖地での露地栽培にも適し、一般地から冷涼地まで幅広く栽培しやすい品種です。

ドンキー

ドンキーは、濃い緑色でツヤのある葉が美しいホウレンソウで、たくさん収穫できるのが特徴です。秋から早春に種をまくのに適しており、病気にも強いので安心して育てられます。また、葉枚数が非常に多くなるため収穫がしやすく、計画的に収穫できます。
成長もゆっくりめなので、暖冬でも一気に育ち過ぎることなく、安定した収穫が楽しめます。

サンライト

サンライトは、西洋種らしい丸みのある厚めの葉が特徴のホウレンソウで、葉数が多くたくさん収穫できる品種です。春から初夏、や夏から秋に種をまくのに適しており、花の咲き始めが遅く、病気にも強いので育てやすい品種です。
葉は濃い緑色で日持ちが良く、横に広がらないため、プランターでの栽培にも向いています。

サラダや生食に適した品種

サラダや生食に適した品種

ディンプル

ディンプルは、サラダにもぴったりなアクの少ないホウレンソウで、柔らかい葉が特徴です。淡い緑色でツヤがあり、葉が横に広がらず見た目もすっきりとしています。暑さや病気にも強く、育てやすいので初心者にもおすすめです。成長が早く、早めに収穫できるのも魅力。

まとめ

今回は、家庭菜園で育てやすいホウレンソウのおすすめ17品種をご紹介しました。品種によって寒さや暑さへの強さ、育ち方、収穫量の違いがあるため、季節や育てる環境に合わせて選ぶと栽培がスムーズに進みます。また、ホウレンソウは旬の時期に育てると甘みが増し、栄養価も豊富に。お気に入りの品種を見つけて、季節のおいしさを家庭で味わってみてください。