一畑電車は3日、新型車両「デハ8000系」を2024年度から順次導入すると発表した。今年度導入する1両(8001号車)は2025年3月2日から営業運転を開始し、あわせて出発式等も開催予定。その後、2025年度に1両、2026年度に2両の導入を予定している。

  • デハ8000系の外装イメージ

デハ8000系は、8年前に同社が導入した7000系を基本モデルとした車体長さ20.8m・片側2扉のステンレス車(前頭部は鋼製)。7000系からの変更点として、客室内座席のボックスシートを廃止し、ロングシート仕様とする一方、一部座席にデュアルシート(座席向きが転換可能)を配置。通勤通学と観光のどちらの要望にも適う仕様としている。

定員はロングシート時123人、デュアルシート時120人(座席定員55人)。客室内の床、化粧板、座席モケットの色・柄など落ち着いた配色に変更している。インバウンド対応として、客室内に次駅停車駅案内表示器を新設し、日本語、英語、韓国語、中国語(繁体字、簡体字)に対応。防犯カメラも新設し、3カ所に設置予定としている。

  • デハ8000系の内装イメージ

現行の法律で定められたバリアフリー整備ガイドラインにも準拠したとのこと。外観はステンレス車体の特性を生かすため、車体外板のラッピングを廃止し、車体下部にオレンジ色のラインのみ施すう。冬季低温時の停電防止として、パンタグラフの2重化(2基設置)も図った。

デハ8000系は単車運転を基本としつつ、運転室に貫通扉を設け、7000系や同形式との連結運行も可能に。主電動機(交流モーター)2台を駆動する0.5M車システムとされ、VVVFインバータ制御や回生ブレーキ装置も採用。廃車予定の5000系と比べて約20%の使用電力量削減を実現している。