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日本野球機構(NPB)は、12月9日に2024年度の現役ドラフトを開催する。同制度は各球団2人以上の対象選手を選出し、必ず1人以上指名する見込み。移籍の活性化により、出場機会に恵まれていない選手の新天地での活躍が期待される。ここでは、今年の現役ドラフト候補になり得る広島東洋カープの選手を紹介する。
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韮澤雄也
投打:右投左打
身長/体重:175cm/85kg
生年月日:2001年5月20日
経歴:花咲徳栄高
ドラフト:2019年ドラフト4位
殻を破り切れていない印象がある韮澤雄也は、他球団への移籍が考えられる選手と言っていいだろう。
花咲徳栄高では1年春からベンチ入りし、同夏の甲子園では全国制覇を経験。3年時にはU-18の高校日本代表としてもプレーし、ドラフト4位で広島東洋カープに入団した。
ルーキーイヤーからファームで出場機会を重ね、プロ3年目の2022年に一軍デビューを飾った。
翌2023年はファームで3割に迫る高打率を残し、一軍でも45試合に出場。しかし、打率.140(50打数7安打)、3打点と一軍の壁に阻まれた。
今季は開幕から二軍生活が続き、シーズン終盤の9月にようやく一軍昇格。一軍ではわずか11試合の出場で打率.133(15打数2安打)という結果となった。
来季で高卒6年目を迎える立場だけに、結果が求められる状況となった韮澤。現役ドラフトでの動向が注目される。
ケムナ誠
投打:右投右打
身長/体重:190cm/96kg
生年月日:1995年6月5日
経歴:日南高 - 日本文理大
ドラフト:2017年ドラフト3位
来季でプロ8年目を迎えるケムナ誠。現役ドラフト候補に挙げられそうだ。
日本文理大では、2年春からリーグ戦に登板。最速150キロ超のストレートを武器に活躍し、ドラフト3位で広島東洋カープに入団した。
プロ2年目に一軍デビューを果たすと、翌2020年は41試合登板で12ホールドポイント(1勝1敗11ホールド)、防御率3.88をマーク。リリーフ陣の一角を形成した。
その後も登板を重ね、2022年まで3年連続40試合以上に登板。しかし、安定感に欠ける場面も散見され、制球面に課題を残していた。
今季はコンディション不良の影響などもあり、わずか5試合の一軍登板にとどまったケムナ。塹江敦哉や黒原拓未などがリリーフとして結果を残し、立場が危うくなりつつある。
チームのリリーフ陣が豊富なだけに、場合によっては他球団への移籍もあり得るだろう。
中村奨成
投打:右投右打
身長/体重:181cm/84kg
生年月日:1999年6月6日
経歴:広陵高
ドラフト:2017年ドラフト1位
かつて、夏の甲子園を沸かせた中村奨成だが、厳しい立場といえるだろう。
広陵高では1年時からベンチ入りし、3年時に大活躍。甲子園で6本塁打を放つなど、数々の記録を樹立してチームを準優勝に導いた。その後、地元球団の広島東洋カープにドラフト1位で入団した。
一軍デビューを果たしたのは、高卒3年目の2020年。外野手にも挑戦した翌2021年は一軍で39試合に出場し、打率.283(53打数15安打)、2本塁打、5打点、3盗塁をマーク。一軍定着への足がかりを築いた。
しかし、そのままスター街道を駆け上がることはできず。翌2022年は27試合の出場で打率.193(57打数11安打)、2023年は18試合の出場で打率.150(20打数3安打)と、高校時代の活躍は見る影もない状態になった。
今季は一軍とファームを行き来する状態となった中村奨。8月のDeNA3連戦では13打数5安打と結果を出す場面もありながら、最終的には30試合の出場で打率.145(69打数10安打)、1打点という苦しい数字に終わった。
現役ドラフトの対象となった際には、目玉となり得る存在だろう。
持丸泰輝
投打:右投左打
身長/体重:177cm/90kg
生年月日:2001年10月26日
経歴:旭川大高
ドラフト:2019年育成選手ドラフト1位
一軍定着には至っていない持丸泰輝だが、強肩に加えてシュアな打撃も併せ持っている。
持丸は旭川大高(現:旭川志峯高)で1年春からベンチ入りし、2年夏には4番打者として甲子園出場の原動力に。高校通算17本塁打も記録し、広島東洋カープから育成ドラフト1位指名を受けた。
入団後はバッティングで苦しみ、ファームでも打率1割台から2割前半に終わっていた持丸。それでも、2022年6月に支配下契約を掴み取ると、同年は一軍初出場を果たした。
今季は開幕から打撃でアピールし、6月時点でファームでの打率が.346にまで上昇。しかし、後半戦には調子を落とした。
最終的にファームでは72試合の出場で打率.268、2本塁打、16打点の成績で終えた。
現役ドラフトの対象となれば、捕手の層が薄い球団にマッチする存在といえるだろう。
中村健人
投打:右投右打
身長/体重:183cm/97kg
生年月日:1997年5月21日
経歴:中京大中京高 - 慶応大 - トヨタ自動車
ドラフト:2021年ドラフト3位
今季も一軍では少ない出場機会に終わった中村健人。レギュラー争いでは厳しい立場といえるだろう。
慶応大では1年春からリーグ戦に出場し、卒業後はトヨタ自動車で4番に座った中村健。その長打力を活かした活躍を期待され、ドラフト3位で広島東洋カープに入団した。
プロ1年目から開幕一軍を掴むと、同年は63試合に出場し、打率.240、3本塁打、10打点をマーク。大器の片鱗を示した。
さらなる飛躍を望まれていた中、2023年シーズンはまさかの一軍出場ゼロ。同年はファームでも83試合の出場で、打率.205と不振に悩まされた。
今季はファームでこそ76試合の出場で打率.278を残した一方、一軍で放ったヒットは本塁打を含む2本のみ。秋山翔吾や野間峻祥がスタメンで起用される中、出場機会を掴み取れなかった。
ムードメーカーという一面もある中村健だが、本来は即戦力の活躍が求められた選手。現在の状況を鑑みると、現役ドラフトの対象となる可能性もある。
遠藤淳志
投打:右投右打
身長/体重:186cm/89kg
生年月日:1999年4月8日
経歴:霞ヶ浦高
ドラフト:2017年ドラフト5位
ファームでは十分な成績を収めている遠藤淳志も、現役ドラフトの候補といえる選手である。
霞ヶ浦高では、3年夏はエースとして茨城県大会の決勝戦に進出。惜しくも敗れたが、ポテンシャルを評価されたこともあり、ドラフト5位で広島東洋カープから指名を受けた。
プロ2年目から34試合に登板する働きを見せると、2020年は先発として19試合に登板し、5勝、防御率3.87をマーク。今後も先発ローテーションの一角として期待を受けたが、伸び悩んだ。
昨季は4月6日の阪神戦で白星を手にすると同時に、新井貴浩監督に就任後初勝利をプレゼント。だが、同年はこの1勝に終わり、8試合の先発登板で1勝5敗、防御率4.39と安定感を欠いた。
今季は6月13日に一軍昇格し、同16日の楽天戦で今季初登板。2イニングを投げて無失点に抑えたが、2つの四球を与え、同24日にファーム降格となった。
9月には再び一軍のマウンドに上がったものの、同16日のDeNA戦では1イニングを投げて3安打2失点。一軍ではわずか3試合のリリーフ登板で、防御率4.50に終わった。
一方、ファームでは先発、リリーフ問わず21試合に登板し、防御率1.74をマーク。現役ドラフトの対象となれば、獲得したいと考える球団も多いだろう。
【了】