ダイヤモンド・ヒューマンリソースは、「就職先人気企業ランキング調査」の結果を11月27日に発表した。同調査は2024年5月16日~9月26日の期間、ダイヤモンド就活ナビ2026に会員登録している、就職活動中の大学3年生と大学院1年生3,773人を対象にインターネットを用いて行われた。
文系男子に対して就職希望企業先を聞いたところ、「伊藤忠商事」が6年連続で1位となったほか、「三井物産」(2位)、「三菱商事」(3位)、「丸紅」(4位)、「住友商事」(5位)と総合商社がトップ5を独占した。
総合商社は、事業領域の広さや世界を舞台に活躍する商社パーソンのイメージから、文系男子学生のあこがれも引き続き根強く、絶対的な人気を誇ってきたという。資源バブルは一服したものの、好調な事業投資や円安を背景に、今期も総合商社の業績は高水準で推移している。
そのほか、大手金融機関は、長年据え置いていた初任給の大幅な引き上げを発表。3メガバンクの初任給はそろって25万円以上になったほか、基本給を底上げするベースアップなど若手社員の待遇改善が進んでいる。「三菱UFJ銀行」(6位)、「大和証券グループ」(7位)、「三菱UFJ信託銀行」(8位)、「日本生命保険」(9位)、「三井住友海上火災保険」(10位)とトップ10に5社ランクインした。
理系男子に就職希望先を尋ねたところ、「伊藤忠商事」が3年連続で1位となったほか、「丸紅」(2位)、「住友商事」(3位)、「三菱商事」(4位)、「三井物産」(5位)と文系男子同様総合商社がトップ5を独占した。
新型コロナ禍後の出社回帰によるオフィスビル事業、インバウンドの増加を受け、ホテルや商業施設なども堅調で好業績を維持する不動産デベロッパーは、「森ビル」(6位)、「三井不動産」(9位)と2社がトップ10に入った。
デベロッパー各社はDX(デジタルトランスフォーメーション)を経営戦略の要に位置付け、新たなデジタル技術やデータを活用したサービスの変革を進めていることも学生に浸透しつつあり、建築系や都市工学専攻学生に限らず理系学生の人気を集めている。
デジタル投資の拡大を背景に業績が好調なIT・情報系大手も引き続き学生の人気が高く、「Sky」(7位)、「野村総合研究所」(10位)とトップ10に2社入った。このほかトップ10には、コンサルティング大手のアビームコンサルティング(8位)が入った。
文系女子では、「伊藤忠商事」が3年連続1位、文・理系男子、文系女子の3冠を達成したほか、「丸紅」(2位)、「三井物産」(3位)、「住友商事」(4位)、「三菱商事」(5位)と、総合商社が文系女子でもトップ5を独占し、人気の高さが際立っている。
同社によれば、文系女子は女性が安心して長く働ける制度や環境が整っていることや、実際に活用できるのかを重視する傾向があるという。
大手金融機関は伝統的に女性の採用数が多く、ライフステージの変化に応じて仕事と私生活を両立させやすい制度や、制度を活用しながらキャリアを形成して活躍するロールモデルも豊富。7位の「三菱UFJ銀行」をはじめ、「大和証券グループ」(8位)、「三井住友海上火災保険」(9位)、「三菱UFJ信託銀行」(10位)とトップ10に4社入った。
このほか、不動産デベロッパーは「森ビル」(6位)がトップ10にランクインした。
理系女子ランキングでは、初の1位となった「丸紅」をはじめ、「伊藤忠商事」(3位)、「住友商事」と「総合商社」(4位)が3社トップ10に名を連ねた。
デベロッパー人気も顕著で、2位の「森ビル」をはじめ、「三菱地所」(5位)、「NTT都市開発」(6位)、「三井不動産」(7位)、「東急不動産」(8位)とトップ10に5社入った。
このほか女性活躍推進に四半世紀以上の歴史を持ち課長層で36%、部長層で27%の女性管理職比率を誇る「ベネッセコーポレーション」(9位)、「アビームコンサルティング」(10位)がトップ10入りしている。