マセラティジャパンは最新のスポーツカー「GT2ストラダーレ」を日本で公開した。史上最強の「ネットゥーノ」エンジンを搭載し、盛りだくさんの空力パーツで完全武装したスペシャルな1台だ。日本での価格は? 現在の予約状況は? 発表会を取材した。

  • マセラティ「GT2ストラダーレ」

    マセラティジャパンは11月28日、東京都内で最新スポーツカー「GT2ストラダーレ」を報道陣に公開した(本稿の写真は撮影:原アキラ)

クルマの成り立ちは?

このクルマは2024年8月、アメリカを代表するリゾート地で開催される格式の高いイベント「ザ・クエイル、ア・モータースポーツ・ギャザリング」でワールドプレミアされたばかり。ハイパフォーマンスカーブランドが手がけたレーシングカーにアマチュアドライバーが乗る欧州GT2選手権に参戦中の「マセラティGT2」と、テクノロジーやスタイリングの面で独特のスタイルを誇るトライデント(マセラティのロゴを意味する)を代表する唯一無二のロードカー「MC20」が融合して生まれた1台だ。

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  • 「GT2ストラダーレ」は公道に降り立ったレーシングカーだ

スタイリングやパフォーマンスはレーシングカーを彷彿とさせる一方で、どんなコンディションでも理想的なフィーリングと快適性をもたらし、マセラティがこれまで提供してきたドライビング体験を最高の形で楽しむことができる、とうたわれる。要は、マセラティのスーパースポーツカー「MC20」をベースに開発したGT2規定のレーシングカー「GT2」のロードゴーイングバージョン、ということ。開発チームの目的はエンジンパワーの増強、車重の大幅低減、ダウンフォースの大幅向上の3つだ。

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  • ハイパワー化と軽量化は達成できた?

最強のネットゥーノエンジンを搭載

リアミッドに搭載するパワートレインは「ネットゥーノ」と呼ばれる3.0L 90度V型6気筒DOHCツインターボエンジン。MC20から10PSアップした最高出力640PS/7,500rpm、最大トルク720Nm/3,000~5,500rpmはネットゥーノエンジンシリーズ最強で、リッター当たりの出力は213PS/Lを誇る。8速DTCトランスミッションの後輪駆動で0-100km/h(ゼロヒャク)加速は2.8秒。最高速度は324km/hだ

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  • 「ネットゥーノ」史上最強の性能を誇るエンジンを搭載

500kgのダウンフォースと59kgの軽量化

GT2ストラダーレのボディサイズは全長4,669mm、全幅1,965mm、全高1,222mm。エクステリアは、多くの空気を取り入れるために拡大したシャークノーズのフロントグリル、ダウンフォースを増大させるカーボンファイバー製のバンパーとスプリッター、GT2と同じ形状の3つのエアベントを持つボンネット、同じく3つのエアベントがあるフロントホイールアーチとリアウインドー、大型になったリアフェンダーのエアインテーク、アンダーボディからの空気の排出を促進する大型リアディフューザーなどで武装する。かなり目を引くブーメラン形状のリアウイングは3段階の調整式。ハイダウンフォース仕様にすると280km/h時に500kg(MC-20は145kg)ものダウンフォースを発生する。

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  • 走りのためのパーツで完全武装したエクステリア

ダイエットにも成功している。MC-20と比べると、計59kgも軽くなっているのだ。内訳はブレーキ-17kg、ホイール-18kg、ボンネット-1kg、カーボンパックエクステリア-5kg、センタートンネル-1.5kg、インテリアと防音/断熱材で-4.5kg、シート-20kg、リアウイング+8kgとなっている。

前後重量配分は40:60。特にブレーキとホイールを合計したバネ下の35kgの軽量化は、車両のダイナミック性能の向上に大きく貢献したという。テストコースのある伊バロッコのミストアルファサーキット(1周約5.6km)のラップタイムは、MC-20の記録を5秒以上も上回ったという。

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  • バネ下の軽量化で走行性能が大幅に向上

サイドシートに消火器を完備!

バタフライドアを跳ね上げるとカーボンファイバーパッケージのインテリアが姿を現す。伊Sabelt(サベルト)と共同開発したカーボンファイバー製モノコックダブルシェルシート(ドライバーの体格に合わせて2種類を用意。サイドにMADE IN MODENAの文字入り)とトライデントのロゴ入り4点式シートベルト(3点式も選択可)、軽量ファブリックのドアノブ、レーシングカーと同じく上部にシフトアップのタイミングを表示するインディケーター付きステアリング、ドライブモードダイヤルとD/M、R(リバース)の2つのシフトボタンをイエローの縁取りで囲んだカーボンファイバー製のスパイダートリムが特徴だ。

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  • カーボンファイバーパッケージのインテリア

ちなみに、ドライブモードはウェット、GT、スポーツ、コルサの4つ。さらに腕の立つドライバー向けにはパフォーマンスパッケージが用意されていて、サーキットでのドライビングスキルの向上に合わせて電子介入の割合を4段階で減らすことができる。ドライバーが自分の腕に合わせてマシンを変えていける、という趣向だ。

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  • ドライブモードは4種類から選択可

サーキット走行を考慮して、サイドシート側には消化器を装着。これもレーシングカーに由来する特徴だ。その一方で、市街地走行に合わせてサスペンションのリフターやカメラ、パーキングセンサーなど、現代のクルマに欠かせないADAS(先進運転支援システム)を完備。伊ソナス・ファベール製のハイプレミアム・サウンドシステムも搭載している。

GT2ストラダーレの価格はまだ正式決定していないが、6,000万円前後になりそうだという。マセラティジャパンの玉木一史ジェネラルマネージャーによると、「デリバリーは来年から開始しますが、今年10月ごろから先行受付を開始しており、すでに何名かから予約が入っております」とのこと。「最高の動的パフォーマンスを実現していてスタイリッシュでカッコいいクルマですが、内外装ともギラギラしたところがなく、逆に控えめでシンプルでエレガントなデザインを追求しています」と魅力を語ってくれた。

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