オウガ・ジャパンのハイエンドスマートフォン「OPPO Find X8」が発表されました。同社としては国内で3年ぶりとなるFindシリーズの投入で、期待度が高まります。実際に発表会で触れてみたのでその様子をお届けします。

  • 12月12日に販売を開始する「OPPO Find X8」。直販価格は139,800円。本体カラーはスペースブラックとスターグレーの2色を用意

持ちやすく扱いやすいデザイン

Find Xシリーズとしては、2021年に登場したFind X3 Pro以来の投入となるのが、今回の「Find X8」です。グローバル向けモデルとしては、望遠カメラをさらに追加してクアッドカメラにした「Find X8 Pro」が存在しますが、日本向けにはトリプルカメラのFind X8のみの投入となりました。

  • 2018年にFind Xが日本で発売され、X3 Proまで登場しましたが、その後は発売がありませんでした

Find X8の画面サイズは6.6型、本体サイズは157(H)×74(W)×7.9(D)mm、約193gで、実際に持ってみるとちょうどいいサイズ感。画面サイズも小さすぎず、大きすぎず。幅も太すぎず扱いやすい点は魅力です。

  • 持ちやすい適度な横幅のサイズ感

側面を見るといたって一般的ですが、向かって左側面の上部にあるスイッチ「アラートスライダー」が特徴的。iPhone 16ではアクションボタンがある位置ですが、操作としてはスライドさせるスイッチです。マナーモードの設定などができます。

  • 本体側面。ボリュームキーと電源ボタン

  • 逆側の側面にはアラートスライダーを装備

  • アラートスライダーをスライドさせるとサイレントモードになり、画面上部にiPhoneのDynamic Islandのようなエフェクトが現れます

狭ベゼルという点も特徴で、4辺すべて1.45mmという極細ベゼルなので、画面サイズの割に横幅のコンパクトさを実現しています。

  • グッと細くなったベゼル。あまり細いベゼルは、カメラとして利用する際などに、指が触れてしまい誤操作の原因になることもあります。このあたりの影響がどれほどか、じっくり触ってみないと分からなそうです

デザイン面では、背面のカメラ部が大きなインパクト。大きな円形のカメラデザインは最近のハイエンドスマートフォンにおける流行です。十字にカメラが並ぶデザインは目立ちます。

  • Find X8のカメラ。4つの黒丸が並んでいますがトリプルカメラです。下の1つは、Find X8 Proで2つ目の望遠カメラが配置されている位置なので、ダミーでしょう。デザイン的に省けなかったものと思われます

Hasselbladカメラはブレ補正やAI補正も強力

カメラは名門Hasselbladと共同開発。日本初という「Hasselbladマスターカメラシステム」を採用しています。

全センサーで5,000万画素の画素数を採用。広角カメラは1/1.56型のソニーLYTIA「LYT700」センサー、超広角カメラは1/2.76型Samsung JN5センサー、そして望遠カメラは1/1.953型ソニーLYTIA「LYT600」センサーを採用しています。

特に望遠カメラは、センサーサイズを大型化しながら光学3倍相当、焦点距離73mm(35mm判換算時)の望遠カメラを搭載しつつ、カメラの厚みが薄い点も特徴です。

センサーサイズを大型化すると、同じ焦点距離を実現するにはレンズも大きくなります(同じレンズ構成であれば)。そのため、望遠カメラのセンサーサイズは小さくなりがちですが、レンズをボディに対して縦方向に収納しつつ、光をプリズムによってW型に反射させることでセンサーをボディに対して水平に収めて、センサーサイズが大きくできました。

  • W型プリズムによるレンズとセンサーの配置によって、焦点距離を伸ばしながら大型センサーを配置可能になった、といいます

結果的に、Find X8の望遠カメラは1/1.95型のセンサーを採用。他社ハイエンドスマートフォンの3倍望遠カメラのセンサーサイズが1/3.52型程度とのことで、大きなセンサーであることをアピールしていました。

  • 他社スマホカメラとのセンサーサイズの比較

実際、大型センサーを搭載しているとはいえ、出っ張りもそれほどではないようです。Hasselbladということで画質面も期待できますが、これは後日レビューしたいと思います。

  • Find X8のカメラの出っ張りの様子

現場で確認できた機能としては、強力なブレ補正機能があります。これは、手ブレ・被写体ブレに強い機能で、連写合成や被写体の動き分析などを駆使することで、ブレを補正するようですが、高速で回転するテスト被写体でも、わざと手ブレするように本体を振り回しても手ブレ・被写体ブレしませんでした。かなり強力な補正機能のようです。

  • 高速で回転する円盤を撮影すると、選手の写真が止まって写るというものです。ちなみに、この写真は1/125秒で撮影されていますが、選手はブレています

  • 撮影した画像を拡大しました。ピッタリと止まっています。撮影後すぐに再生して拡大すると、何らかの処理をしているのが分かり、そのあとピタッと止まった写真が表示される、という感じでした

熱湯の噴射にも耐えられる、日本初という防水性能IP69に対応。水中への持ち込みも可能で、デモ会場では水中写真の撮影デモも行われていました。また、Hasselblad特有の約1:2.7という横長のアスペクト比の「XPan」の撮影にも対応。独特の横長表現の撮影を楽しめます。

  • 水中でも支障なく動作します。特に水中モードのようなものはないようです。画面のボタンは動作しないため、シャッター操作はボリュームキーを使います

  • フィルムのような雰囲気のあるXPanモード。ズームはレンズ交換のように焦点距離で表示されており、左側のバーは露出補正です

  • Hasselbladらしい各種設定で撮影できる「マスター」モードも搭載

今回のFind X8は、AI機能を重視している点も特徴です。まだ日本語に対応していない機能もありますが、撮影画像に対する処理を行うAI機能は言語関係なく利用可能。再生画面から「編集」→「AIエディター」を選ぶと、「鮮明度強化」「AI消しゴム」「ぼかしを解除」「反射除去」の4つの機能を利用できます。

AI消しゴムは背景の人物などを消す、一般的な機能。複数の背景の人を一斉に消去するなど機能が向上したそうです。鮮明度強化は、画像の拡大時にAIが処理してくれるというもの。AI処理によるデジタルズームに近い機能です。

ぼかしを解除は、撮影時のブレを補正する機能です。手ブレや被写体ブレを抑えた画像に変換してくれるのですが、これがなかなか強力。もともと前述の通りに手ブレしにくいFind X8ですが、それで手ブレした文字が、くっきりと再現されたのには驚きました。

  • ぼかしの解除。これは元のボケた画像

  • こちらは補正したものです。女性の顔がかなりくっきりしました

【動画】テストのために頑張ってカメラを振りました。このぐらいだとあんまりブレてくれません。もっと激しくブレた方が効果が分かりやすいのですが

  • 結果、ブレが補正されたテキスト。デジタルズームで潰れたのではなく、ブレを補正するためにテキストをそれっぽく生成した結果でしょう

ところが、これを拡大すると一転、文字が壊れているように見えます。ブレを処理するために、生成AIを活用してそれっぽい文字を生成している、ということかもしれません。なかなか判断の難しい機能に感じました。

反射除去は、窓ガラスなどの反射を除去してくれるもので、デモ写真の反射はきれいに除去してくれました。電車や飛行機の窓越しの反射なども除去してくれるという説明だったので、日常のシーンで活躍しそうです。

  • 編集画面から「AIエディター」を選びます

  • これは反射除去を選びます

  • 10秒以上待たされますが、結果はかなり良好です

それ以外の機能としては、公式ケースにマグネットを内蔵して、iPhoneのMagSafeのようにワイヤレス充電器やモバイルバッテリーなどを接着させて使うことができる点がポイント。本体はマグネットを内蔵しないもののQi2規格に対応しているとのことで、ケースを併用することでQi2(=MagSafe)対応アクセサリーが活用できるようです。

  • マグネット内蔵ケース。別売のリングが装着されています

  • 公式アクセサリーとして50Wのワイヤレス充電に対応したマグネット付き充電器「OPPO AIRVOOC 50W」。冷却ファンがついているところが特徴です

OPPO Find X8の価格は139,800円で、同社では14万円を切る価格を実現したことをアピール。待望のOPPOのフラッグシップ最新モデルが市場でどの程度の人気になるか、注目です。