秋季キャンプで、練習を見守る阪神・藤川監督(右)(C)Kyodo News

 阪神は29日、国内FA権を行使した大山悠輔選手の残留を発表した。

 大山は球団を通じて「この度、FA権を行使させていただいておりましたが、来年からも阪神タイガースでお世話になることに決めました。これまで同様、しっかり覚悟を持って戦っていきたいと思いますし、まずは来シーズン優勝を勝ち取れるように、チームに貢献できればと思います」とコメント。

 大山は16年ドラフト1位で阪神に入団し、熱い阪神ファンから時に厳しい声もありながらも、阪神の主軸として立派に務め、今季は130試合に出場して、打率.259、14本塁打、68打点。2年目の18年から7年連続で二桁本塁打を放ち、19年から6年連続で60打点以上を挙げている。

 大山だけでなく、国内FA権を取得した坂本誠志郎、糸原健斗はFA権を行使せず残留し、近年では22年オフに岩崎優が国内FAを宣言した上で残留するなど、主力選手の多くが残留している。

 力のある主力選手が残留することで、チームとしての新陳代謝が心配になるが、阪神は野手でいえば、プロ入りから4年連続で二桁本塁打を記録する佐藤輝明も来季5年目・27歳、侍ジャパンの4番打者として活躍した来季3年目・25歳となる森下翔太、森下よりも下の世代だと今季116試合に出場した前川右京がいる。

 投手陣も今季13勝を挙げた才木浩人と防御率2.58をマークした村上頌樹が来季27歳、リーグ最多の70試合に登板した桐敷拓馬も来季26歳の年齢と若い。

 気になる点で言えば、レギュラー格の捕手陣である梅野隆太郎と坂本が30代と年齢が高く、下の世代が育っていないことと、レギュラーと控え選手の能力差が大きいところか。今季まではレギュラーが固定化されており、そこに割って入るような若手が少なかったが、藤川球児監督が指揮を執る来季、若手野手でレギュラー陣を脅かす存在が1人でも多く出てきて欲しいところ。

 戦力的に見れば、FA組の主力が残留し大きくチーム力を落とす心配がなく、佐藤、森下、才木、村上と20代の選手もいる。ここに20代前半の若くて勢いのある選手が出てくれば、混戦セ・リーグ、黄金時代も見えてくる。