メルセデス・ベンツは最高級ブランド「マイバッハ」の新型モデル「SLモノグラムシリーズ」(Mercedes-Maybach SL Monogram Series)を日本で公開した。VIPを後席に乗せて走る「ショーファーカー」のイメージが強いマイバッハでは珍しい2シーターのオープンカーだ。このモデルの魅力とは?
日本のマイバッハ販売台数は2年連続で伸びている!
SLモノグラムシリーズは585馬力のV型8気筒ツインターボエンジンを搭載するモデル。ボディサイズは全長4,705mm、全幅1,915mm、全高1,353mmだ。
そもそもなぜ、アジアの他の国に先駆けて日本で新型モデルの発表を行ったのか。発表会に登壇したメルセデス・ベンツ日本合同会社 社長兼CEOのゲルティンガー剛氏は、その理由を「日本でのマイバッハの売れ行きが好調だから」と語った。
「究極のエクスクルーシブ」として日本市場に登場したマイバッハは、2015年に「Sクラス」を投入して以降、これまでに3車種4モデルまでラインアップを増やしてきた。そのほかに「Limited Edition Mybach by Virgil Abloh」(リミテッド エディション マイバッハ バイ ヴァージル アブロー)などの限定モデルも導入している。日本でのマイバッハの売れ行きは好調で、2021年から2023年までは前年比約200台増のペースで登録台数を増やしているそうだ。
モノグラム入りの真っ赤なボディが斬新!
SLモノグラムシリーズを見て最初に目を奪われたのが、真っ赤なボディカラーとマイバッハのモノグラムロゴだ。
カラーは「Red Ambience」と「White Ambience」の2色を用意。メルセデスベンツグループ社でマイバッハ部門の責任者を務めるダニエル・レスコー氏によれば、このカラーを今後、ほかのマイバッハで使用する予定はないとのこと。SLモノグラムシリーズでしか楽しめないユニークなカラーも特徴のひとつだ。
ボンネットにはメルセデスの「スリー・ポインテッド・スター」を模したクロームメッキのフィンが直立する。その下には車名の通り、マイバッハのモノグラムロゴがびっしり!
このロゴは車体後方と内装の一部にも採用している。ボンネットのマイバッハパターンは一部手作業で、「高いレベルのクラフトマンシップ」を要するそうだ。
ブランドバッグのような派手なデザインは日本で受ける?
発表会の中でレスコー氏は、「顧客のなかには控えめなラグジュアリー感を楽しみたいという声もあるので、あまり目立たないものを好む人にも価値を提供していきたい。その一方で、ロゴが目立つような幅広いラインアップを用意するのがブランドの魅力」と語っている。
実際、今までに日本で販売されたマイバッハは、シックなモノトーンやツートンカラーが多かった。それだけに、SLモノグラムシリーズはかなり“派手”な見た目という印象を受けた。奥ゆかしくて控えめなラグジュアリーカーが受けそうな日本市場だが、はたして本モデルの売れ行き予想はどうなのだろうか?
担当者は「本当にまだわからない。他の自動車ブランドでも、このようなデザインのモデルはなかなかない。しかし、高級ブランドバッグのモノグラムデザインが人気なように、今回のデザインも人気が出ると期待したい」とコメントしている。
SLモノグラムシリーズの販売価格は未定。日本導入は2025年第4四半期の予定だ。斬新で豪華なデザインのマイバッハに日本のファンはどんな反応を示すのか。今後の売れ行きに注目だ。