ホテル椿山荘東京は、敷地の庭園に建つ国指定登録有形文化財「三重塔」の移築100周年を迎える2025年1月から、新たな庭園演出「天空の三重塔(パゴダ)」を開始する。

「東京雲海」を拡張した「天空の三重塔(パゴダ)」

2020年10月に同ホテルが開始した「東京雲海」は、国内最大級の霧の庭園の演出で、朝7時と10時から22時までの1時間に2回、庭園に出現する人口の雲海。庭園が霧で覆われ、桜の春、新緑の夏、紅葉の秋と、季節ごとに趣向を凝らした演出で幻想的な情景を創り出し、同ホテルの名物となっている。7時と22時には広大な庭園の約3/4が覆われる「大雲海」が約8分間出現し、いっそうスペクタクルな眺めとなる。

このほど移築100周年記念として、この「東京雲海」を拡張し、三重塔前の芝生エリアや塔を囲むように霧を出現させる新たな庭園演出、「天空の三重塔(パゴダ)」がおひろめされた。三重塔のふるさと、広島県の篁山竹林寺内から見られる雲海の絶景からヒントを得て、雲の上に三重塔が佇むようなイメージで、篁山竹林寺からの光景を再現する。この「天空の三重塔(パゴダ)」は1月8日から、1日9回出現する予定だ。

  • 「天空の三重塔(パゴダ)」

なお冬ならではの演出として、庭園の幽翠池まわりで約7分間、冬空を彩るオーロラが出現する「森のオーロラ」が実施されている。こちらは2月6日まで。

  • 冬ならではの演出「森のオーロラ」

  • 「水上のクリスマスツリー」は12月25日まで実施中

移築100年を迎える三重塔とは

庭園を見守るようにそびえ立つ三重塔は、平安期の歌人として名高い参議・小野篁ゆかりの寺院、広島県賀茂郡の篁山竹林寺(たかむらやまちくりんじ)に創建されたものを起源とする。名園・椿山荘を築いた山縣有朋公爵の意思を受け継ぎ、椿山荘を譲り受けて庭園維持に尽力していた藤田平太郎男爵が、台風により二、三層目が大破していた同院の三重塔を購入し、現在の椿山荘庭園に移築。藤田平太郎が奈良の骨董商・大隅安三郎を通じて購入した際に、法隆寺の修復なども手がけた奈良の宮大工・山賀熊吉によって修復された可能性が高いという。

  • 木々を1,000灯の光で照らしだす庭園ライトアップ

建築様式から、この三重塔は室町時代末期の建立とされていたが、2010年に行われた移築後初の大改修の際に年輪年代測定法の調査によって、室町時代前期(1420年頃)の部材が使われていることが判明。平清盛が第1回目の修復をしたという言い伝えもあり、創建については諸説あるそう。

移築100周年を迎える三重塔を記念した庭園演出「天空の三重塔(パゴダ)」は、1月8日から。時間は7:10 / 11:10 / 14:10 / 18:10 / 19:10 / 20:10 / 21:10 / 22:10 / 22:40。その他の時間は通常の「東京雲海」が、7:10 / 22:10 / 22:40は「大雲海」も一緒に出現する。