第一三共ヘルスケアは、しみケア総合ブランド「トランシーノ」の新商品を発表した。 今回登場するのは、リニューアルをした化粧水「トランシーノ薬用ブライトニングクリアローション」と乳液「トランシーノ薬用ブライトニングクリアミルク」、そしてUVパウダー「トランシーノ薬用UVパウダーEX」。
化粧水と乳液は、しみやくすみへのアプローチ力を強化し、パウダーは「絶対、しみを作りたくない」人へ謳うなど、自信をのぞかせる。一体、何が変わったのか。新製品発表会に合わせて、同社のブランドマネージャーに話を聞いた。
■しみの根源へ強力アプローチする、化粧水&乳液
2007年、肝斑(かんぱん)を改善する医薬品販売とともにスタートしたトランシーノは、製薬会社という立場からシミへの改善策を多角的に探ってきた。
注目のリニューアル商品3つのうち、2つはベーシックケア商品。化粧水「トランシーノ薬用ブライトニングクリアローション」と乳液「トランシーノ薬用ブライトニングクリアミルク」だ。2つの最大の特徴は、しみの根源を抑制する美白有効成分「トラネキサム酸」が配合されていること。また、肌荒れ防止有効成分「グリチルリチン酸2K」をプラス。さらに、くすみの印象につながる「乾燥」「陰」「毛穴の目立ち」にアプローチする保湿成分を、化粧水・乳液それぞれに適した組み合わせで配合した。根本的な美白ケアと、くすんだ印象を与える質感や印象へのケアと、二方向で明るく透明感あふれる肌に導いてくれる仕組みだ。
デザインもシンプルでソリッドなデザインにチェンジ。リピーターからの要望に応えて、つめかえ用も発売される。
■使い心地抜群、絶妙なバランスを追求したUVパウダー
UVパウダー「トランシーノ薬用UVパウダーEX」は、パウダーなのに高いUVカット・メイク直しと日焼け止めの塗り直しが手軽にできる、そしてコンパクトで持ち運びしやすいなどの優秀さで、根強い人気を誇るアイテム。今回のリニューアルで、追求されたのは様々な側面からの「絶妙バランス」だという。紫外線カットパウダーに加えてブルーライトカットパウダーや近赤外線カットパウダーも新配合。さらにしみ対策力を追求した成分配合となった。また、しみカバー力を底上げする「光補正パウダー」と「ブライトペールブルーパウダー」が加わり、透明美肌を後押し。さらに、「つけたて」の仕上がりを持続してくれる「皮脂固定化パウダー」まで加わり、より「欲張り」に答えるアイテムとなった。
パッケージデザインは、ブルーがかったシルバーカラーが高級感あるシンプルなものにアップデート。パフも、厚みを約1.3倍にし、肌あたりよくクッション性の高いふんわりした仕様に変更している。既存品と比べると一目瞭然。毎日つける時に、思わずうれしくなってしまいそうだ。
第一三共ヘルスケア ブランド推進本部 H&B推進部 BMグループ ブランドマネージャーの林毅さんは、「UVパウダーは、絶対シミを作りたくないという思いに応えて日中の塗り直しができるところ、メイク要素もあるのでちゃんと日中のシミをナチュラルにカバーしてくれるところ、その2軸で調整をしています」と話す。
製品化にあたって「本当に絶妙なバランスで仕上がっている」といい、以前の製品と比較して粉がほどけやすくなっているので、ささっと滑らす程度で簡単に肌にのせることができるという。
「化粧水と乳液については、目安としてそれぞれ500円玉10円玉程度の量を手にとってお使いいただく形でご案内しているのですが、よりしっかりと肌に向き合いたい時はコットン使いも一つの手かなとは思っています。ただ、手でお手入れする分にも十分満足いただけるような仕様にはなっているかなと思っています」と林さん。
「トランシーノ薬用UVパウダーEX」については、日中の塗り直しの意味でもぜひ使って欲しいと話す。UVカットを効果的に行うためには、日中に日焼け止めを塗り直すことが推奨されているが、実際には下地の手前で日焼け止めを使っている人も多く、現実的にはなかなか難しい。「そんな時にこそ、こちらの出番です。メイク目的というよりは、顔を守るためにもぜひ使っていただけたら」と林さんも強調する。
■「毎日使っていただく時の感動」を与えるために求めた「心地よさ」
リニューアルには並々ならぬ苦労とトライ&エラーがあったという。開発を率いた林さんがその過程について教えてくれた。
「まず、化粧水に関しては、やはり世の中に競合が数多ある中で使い続けていただくためには、本当に使い心地。毎日使っていただく時の感動というのは、(ただ)機能がいいから使うということではないとは思うので、生活者の皆様にとって気持ちいいって思っていただけるような完成品質をすごく意識しました」
トラネキサム酸を主体で考えると、粘度を出す方が良いが、そうすると化粧水としては使用感がベタついてしまう……「トラネキサム酸にとっても肌にとっても心地いいってなんだろう」という追求はとても難しかった、と林さんはいう。
「UVパウダーに関しては、やっぱりSPA50+、PA++++というスペックの維持と(つけた時の)サラフワ感触の両立がとても難しかったです。どうしても白塗りになってしまうようなものができてしまう中で、カバーもできて、素肌っぽい仕上がりになるような自然なベージュ、でもワントーンは明るくしたい。そういった欲張りな願望をすべて詰め込むにはどうしたらいいんだろうという点で、開発メンバーたちを大変苦労させたなと思っています」
■生活者に寄り添うために「原点回帰」を掲げた、執念の商品開発
研究者のような追求心が、今回の製品クオリティをつくりあげた。数多の試作を重ねてようやく自信を持って発表に至った思いや開発秘話について、林さんは、化粧品と乳液に関して「原点回帰しよう」という考えが、今回のリニューアルの背景にあったと話す。
「化粧水と乳液に関しては、初めて美白ケアをしてみようという方々もいらっしゃるという事実や、スキンケアの基本としてやっぱり潤いケアや透明感ケアというベネフィットを誰もが欲しがっているというところに原点回帰したものです。シミ対策はもちろん、プラスワンとしてくすみ印象にも着目しました。UVパウダーに関しては、トラネキサム酸を配合しているわけではないので、美白有効成分は入っていないのですが、それよりも手前の日焼けによるシミをしっかりと未然に防ぐといったところを目的にしています」
なぜ今、あえて原点回帰しようと考えたのか? その問いに、林さんはこう答えてくれた。 「私たち(トランシーノ)も年々エビデンスベースであることを大事にしています。世の中的にもすごく高機能な商品である流れがあって、『なんかすごいけどよくわからない、でもなんかすごそう』みたいなことが起こっている。ミーティングの中で、生活者が置いてけぼりになっているのではないか、という話になって。本当に欲しいのは、潤いや透明感という、最後のベネフィットの部分なのではないかということを考えた時に、改めて、潤いってなんなんだろうというところを考え、ぐるっと回ってきた形ですね」
製薬会社として科学的エビデンスに基づく姿勢はそのままに、消費者が欲しい本質を見つめ直す。その原点回帰の姿勢は、「トラネキサム酸が皮膚の角層水分量を増加させることを確認できた」という、研究成果にも結びついている。
毎日使う時にも感動を、気持ちよさを。本当に必要な機能と体験を届ける。メディカルの知見と視座で、悩みをもつすべての人たちを助ける――。本質的に生活者に寄り添う視点でつくられたトランシーノには、そんなブランドと開発者の思いが詰まっている。発売は2025年2月7日の予定。紫外線が強まる春の訪れとともに、今から心待ちにしたい。