長年プロ野球界を支えてきた“88年世代”も岐路に立っている。
この世代の中心格である田中将大は06年高校生ドラフトで楽天から1巡目指名されプロ入りを果たすと、1年目の07年に11勝を挙げ新人王。08年は9勝に終わったが、09年から5年連続で2桁勝利を達成し、13年には24勝0敗、防御率1.27の成績で、球団初のリーグ優勝、日本一に大きく貢献した。翌14年から活躍の舞台をメジャーに移し、6年連続で二桁勝利を達成。
21年に楽天に復帰すると、4勝、9勝、7勝、昨秋に右肘のクリーニング手術を受けた今季はプロ入り後自己ワーストの1試合の登板にとどまった。楽天球団は24日、協議の結果、田中将大投手を11月30日提出予定の契約保留者名簿に記載しないことを発表。現在日米通算197勝の田中は、通算200勝に向け来季は別のユニホームを着てプレーすることが濃厚となった。
現役最多の2415安打坂本勇人(巨人)は、06年高校生ドラフト1巡目指名で巨人に入団し、2年目の08年にショートのレギュラーを掴むと、12年に最多安打、15年から8年間チームキャプテンを務め、16年に首位打者、最高出塁率、19年にMVPを獲得すなど長年巨人を引っ張ってきた。
22年にレギュラー定着後初めて出場試合数が100試合を割ると、昨季は故障での離脱や打撃不振、シーズン終盤にサードコンバートもあった中で規定打席に到達し打率.288をマークし復活の兆しを見せた。しかし、今季はサードでゴールデン・グラブ賞を受賞するも、打撃では規定打席に届かず、打率.238、7本塁打、34打点と寂しい数字だった。
19年と20年に最優秀防御率、20年に最多奪三振、沢村賞を受賞した大野雄大(中日)は、昨年4月に左肘手術を受け、復活を目指した今季だったが、9試合・44回1/3を投げ、2勝6敗、防御率4.87と悔しい1年に終わった。
柳田悠岐(ソフトバンク)は日本シリーズで打率.320、1本塁打もレギュラーシーズンは故障で離脱し52試合にとどまるなど、不本意な1年に。
悔しいシーズンを送った選手が多い中で、秋山翔吾(広島)はリーグ5位の打率.289、宮﨑敏郎(DeNA)もリーグ9位の打率.283の活躍を見せた。
来年37歳を迎える年齢にあたる“88年世代”も現役引退をする選手や指導者が増え、ユニホームを着て現役でプレーする選手たちは一握りとなった。球界にも若い選手たちが増えてきた中でも、来季はベテランとして存在感を発揮する選手が1人でも多く出てきて欲しいところだ。