先日、読者の方から次の質問をいただきました。「老後に向けたお金の観点で、20代のうちから意識すべき重要なことは何でしょうか?」本記事では20代が意識すべき老後の備えについて、筆者の考えをまとめていきます。

先日、読者の方から以下の質問をいただきました。

「老後に向けたお金の観点で、20代のうちから意識すべき重要なことは何でしょうか?」(20代)

ご質問者さまは20代とお若いのに、すでに老後のことまで考えていらっしゃるのは素晴らしいですね。長期的な目線を持つ方ほど裕福になりやすいと思いますから、その視点は大事されるといいと思います。

ということで、本記事では20代が意識すべき老後の備えについて、筆者の考えをまとめていきます。

◆どんな老後を過ごしたい?

まずは筆者がオススメしたいのは、どんな老後を過ごしたいかを思い描くことです。あるいはどんな老後を「過ごしたくないか」でも構いません。

筆者の場合、一番のモチベーションになったのは「恐怖」でした。

筆者は10代のときに工場で深夜アルバイトをしたことがあります。このとき、一緒に働いていた年上の方が「職場を転々としている」「働き口が見つからない」とボヤいていました。また、同じ職場でご年配の従業員の方が倒れていました。

まだ若かった筆者は「働き口が見つからないって、こういうことなんだ」とショックを受けました。

老後になって体がつらくなってきてから、腰がいたい、膝がいたい、体がだるいと言いながら、「でもお金がないから働かないと」と苦労する未来は嫌だなーと思いました。

それから、せめて若いうちにバリバリ働いてお金を稼げるようになりたいと思い、経営学や経済学、お金・投資の勉強を始めました。

◆勉強、行動、失敗から学ぶ

どんな老後を過ごしたい(過ごしたくない)かが明確になったら、次はゴールに向けて勉強・即行動するのがいいと思います。

1つ注意点があるとすれば「確実に成功すること以外は、後戻りできないことはしない」ことです。

例えば筆者は「借金して不動産を買う」ことはしていません。筆者は不動産に詳しくないうえ、ローンを組んで不動産を買ってしまえば後戻りできないからです。

この点さえ守れば、ご質問者さまはまだ若いですから、若いうちにたくさん失敗しておくのがいいと思います。

「経験しないと分からない失敗」は山ほどありますし、相続でもしていないかぎり、若い方は保有資産も少ないですから失敗しても少額で済みます。

「年を取ってから大きな失敗をすると取り返しがつかない」こともあります。それこそ、定年退職後に退職金を投機で溶かしてしまった……なんてことになったら目も当てられませんから、若いうちにいろいろ経験して、金銭感覚を磨いておくのがよいでしょう。

◆資産を築く

お金の観点だけで言えば、老後に入る段階で「年金受給+金融所得で暮らせる」レベルになっていれば安泰だと考えています。

貯蓄を取り崩しながら「もし自分が想定以上に長生きしたら、貯蓄が底を突くかもしれない」と考えなければならないのはストレスフルです。

ですから、年金受給+金融所得で貯蓄が目減りしないくらいの仕組みができれば、筆者は「安心だなあ」と考えます。受給額は人によって異なるので「ねんきんネット」などを使って試算するとよいでしょう。

日本年金機構が2024年4月1日に更新した「令和6年4月分からの年金額等について」によると、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は月額23万円です。

これにプラスアルファで「月7万円の配当収入」があれば、けっこう悠々自適な暮らしができるんじゃないかと筆者は考えます(生活費は月30万円ですね)。

手取り月7万円の配当収入を稼ぐには、配当利回り4%の株を2625万円分買えば賄えます。税引前の配当収入は年105万円。税引き後で84万円。1カ月当たり7万円の配当収入が受け取れます。

◆まとめ

若いうちは老後のことがイメージできないので、「分からないから心配」となるのは仕方がありません。とはいえ、抜け目のないプランを持っているかぎり、過度に心配する必要はないでしょう。

老後に高い理想を抱くなら早くから準備しなければならないことも増えますし、逆に、そこまで老後に求めず今を楽しみたい!と考えるなら、今を楽しんで、老後からは慎ましく生きるというのもライフスタイルの1つです。

どちらを選ぶにせよ、後悔の少ない人生を送りたいですね。

文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)

18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。

文=中原 良太(個人投資家・トレーダー)