ファミリーマートが、「コーヒー2050年問題」を巡る課題の背景とその解決策の一例を紹介している。
「コーヒー2050年問題」とは
「コーヒー2050年問題」とは、コーヒー豆の生産地が現在の50%にまで減少するのに対して、先進国などにおけるコーヒーの需要増加し続け、供給不足になることが危惧されていること。その背景にはコーヒー豆最産地の気候変動や、病害による生産量の低下、また経済的苦境による生産者の減少などが挙げられる。
ファミマ「モカブレンド」1杯につき1円を生産元のエチオピアに支援
モカ豆の主な生産地である、エチオピアも貧困により十分な学習環境の不足など、持続可能なコーヒー豆の生産を実現するための適切な教育支援が必要といわれている。そこで同社は、「FAMIMA CAFÉ」の「モカブレンド」「アイスモカブレンド」の販売数に応じて、エチオピアのこどもたちの教育環境の改善などに役立てられる寄付の取り組みを実施した。
エチオピアの学校では、トイレの数が極端に少なく、トイレに行きたいと思ったときに"わざわざ学校からお家に帰らないといけない"という問題があり、学生の中には学校から自宅までの距離が遠く「学校に行きたくない」など、最低限の学習環境の見直しが問題視されていた。ファミリーマートは取り組みを通じ、「トイレ4室」を支援。トイレの他にも、「教科書700冊」「ノート2500冊」「ペン1000本」などを寄付した。地元の人々からは感謝の気持ちとともに勉学に対する強い意気込みを感じたという。
続々と日本企業からの支援が
また、「ネスカフェプラン2030」では、再生農業を推進することで温室効果ガスの削減を目指し、同時にコーヒー生産者の生活向上を支援している。再生農業は、天然資源を活用することにより土壌の「健全性」と「肥沃度(土壌の質)」を高め、水資源や生物多様性の保護を目指す農業のアプローチ。環境負荷を下げながらコーヒーの収穫量を増やし、生産者の生活向上にも寄与する取り組みとなっている。
UCC上島珈琲と丸紅は2024年9月、アフリカ東部タンザニアのコーヒー農家を支援するプロジェクトを始めたと発表した。タンザニアは小規模農家が9割を占めており、老齢化した木の植え替えが進まず生産性が低いことが課題となっている。本支援ではUCCが育苗や環境負荷の少ない農法を指導し、丸紅が堆肥生産を後押しする。また、農林水産省と国際農業開発基金(IFAD)も協力する旨。東京都内で記者会見したUCCの朝田文彦社長は「安定供給のほか、農家の収入と品質の向上も期待できる」と強調した。