アンファーは11月25日、「美容・エイジングケア」に関する調査の結果を発表した。調査は2024年11月、40~60代の女性300名を対象にインターネットで行われた。
30代に比べて見た目の変化を実感したこと、1位は「髪」
40~60代女性に調査をしたところ、「30代に比べて、見た目の変化を実感したパーツ」1位は、しみ・しわ・たるみなどの「肌」を差し置いて、白髪や抜け毛などの「髪」が第1位に。
一方、30代以前にケアをしていたことを聞いたところ、第1位は「肌」という結果になった。30代以前では、多くの方が髪以上に肌のケアに注力していたことがわかる。
また、正直、ケアの方法が分からないものとして、1位は髪という結果に。このことから、髪についてはケアの方法が分からず、40代以降になると髪の悩みが深刻化している人が多いと考えられる。調査では、髪の毛について、意外と年齢に応じた見た目の変化が起こってしまい、「30代以前にエイジングケアをしておけばよかったな」と思う人は約7割という結果も見られた。
30代に比べて髪の変化を感じた具体的なエピソード
40~60代女性に聞いた、30代に比べて髪の変化を感じた具体的なエピソードを紹介する。
髪の量・ボリュームの減少
「髪のボリュームが減ってペタンコになって貧相になって老化した雰囲気になる」(46歳女性)、「ポニーテールをした時の束の太さが3分の1くらいになった」(59歳女性)、「髪のボリュームがなくなり短めのヘアスタイルに変えた」(55歳女性)
頭皮の乾燥
「30代はすぐに髪がべたつく感じだったが、今は頭皮の乾燥を感じる」(62歳女性)
抜け毛・薄毛
「ドライヤー、シャンプー時の抜け毛の多さ」(43歳女性)、「白髪と抜け毛で自信がなくなり、ウィッグを活用している」(53歳女性)、「髪の分け方がずっと同じだったから、分け目の部分だけが地肌がうすくなってしまい、老けて見える。分け方を変えたり、分けなくて済むような髪型にするとか、変化を持たせればよかったなと思う」(64歳女性)
髪のパサつき
「髪のパサつきが酷くトリートメントをしても効果を感じなくなった」(53歳女性)、「30代の時は髪のベタつきが気になったことはあったけれど今はパサつきが気になるので年齢とともに体質も変わるのかなと感じています」(60歳女性)
うねり
「雨の日にうねりが出ることが増えた。どんなトリートメントを使っても、効果が続かない」(45歳女性)、「クセが強くなって、朝ドライヤーして伸ばしても、時間がたつと、うねってくる」(54歳女性)
白髪の増加
「ある日、鏡を見たら白髪があり、それ以来、今まで見たことなかった白髪を度々見るようになりショックを受けた」(42歳女性)、「白髪が増えてきて、ヘアカラーしてもすぐに白髪が目立つし、髪も傷むので、困っている。老けて見られるのがイヤなので、対策したい」(55歳女性)、「担当していただいている美容師の方に、白髪について指摘を受けた」(56歳女性)
髪の量、抜け毛、ボリュームの減少、頭皮や髪の乾燥・パサつき、うねり、白髪…など、様々な変化を実感していることが分かる。白髪とうねり、抜け毛とパサつき、など複合的な悩みを挙げられている人も多く、カラーリングやケアが大変という声も挙がった。分け目が薄くなることが気になり、分け目を変えておけばよかった…など、今になって後悔しているコメントも見られた。「早い段階から、将来の髪の毛について対策しておくことが大切であることがわかる」と同調査。
女性ホルモンの減少と髪の毛の変化に対する対策を、専門家が解説
髪の変化には、40代半ばから一気に減少すると言われている「女性ホルモン」の低下が原因の1つとして考えられる。40代~60代女性に調査したところ、「女性ホルモン」の低下が髪の変化に関わっていることを知っている人は62%だった。
一方で、94%が女性ホルモンの減少による髪の変化に「対策していない」という結果が明らかになった。髪にとって女性ホルモンが重要であると理解しつつも、女性ホルモンの減少に対してどのように対処したらいいのか分からない方も多いことが窺える。
今回の調査によって、30代と比べて多くの人が、抜け毛や髪の細さなど、髪の見た目の変化を実感していることが明らかになった。女性の髪の変化には、実は女性ホルモンの分泌量の減少が関係している。
今回の調査を踏まえ、日本毛髪科学協会 毛髪診断士・吉田愛氏が女性ホルモン分泌量と髪の変化の関係性、その対策について解説する。
40代半ばから一気に減少? 女性ホルモンの減少は、髪の老け見えの原因に
実は、20代後半をピークに女性ホルモンの分泌量が低下し、40代半ばから一気に減少するという。女性ホルモンは髪と密接に関係しており、髪のハリ・コシ・密度のピークは30代とされている。女性ホルモンのひとつエストロゲン(卵胞ホルモン)には、「髪の毛の成長を促す」「髪の成長期間を延ばす」という働きがある。また、コラーゲンやケラチンの生成を助ける働きがあり、髪にハリやコシを与える。そのため、女性ホルモンの分泌量が下がることで、「抜け毛」「髪が細くなる」「ハリ・コシ、ツヤが無くなる」といった現象が起こってしまうという。
抜け毛で髪が減ってしまうほか、髪が細くなり、また髪の毛のボリュームにもつながるハリ・コシが低下することで、髪の毛がペタンコになり、結果として老け見えしてしまう原因に繋がる。
女性ホルモンの減少に対する対策は?
女性ホルモンを直接増やす、ホルモン補充療法
残念ながら年齢による女性ホルモンの減少を引き留めることは難しく、専門的な治療であるホルモン補充療法以外に「増やす」方法はないという。しかし、女性ホルモンを補充するだけでは、若い頃と同じような毛量や髪質に戻すことはできない。髪のハリ・コシ・密度が十分にある若いときからケアをおこない、豊かな髪を維持していくことが重要だという。
規則正しい食生活など、生活習慣を見直す
女性ホルモンが減ってしまう原因は加齢だけではない。無理なダイエットや食生活の乱れ、ストレスなどもホルモンバランスが乱れる原因に挙げられる。今回の調査でも、「ある苦労したことがきっかけで白髪が増えた」という声も挙がっていた。規則正しい生活や食生活、良質な睡眠を心がけ、ストレスをためない生活を送るなど、毎日の生活習慣を見直すことが大切だという。
大豆イソフラボンなど、サプリメントの摂取
また、サプリメントを利用する手もある。エストロゲンと似た化学構造と働きを持つ大豆イソフラボンをサプリメントなどで摂取することも有効だという。
女性ホルモン成分を配合した育毛剤の使用
女性ホルモン成分を配合した育毛剤もおすすめだという。このような育毛剤は、今ある髪の毛を美しく保つ、守ることにも効果が期待できるため、髪悩みが既にある人だけではなく、今後の予防として活用することもできる。
髪のパサつき・感想には頭皮環境を整えるケアを
調査では「髪のパサつき・乾燥」に対する悩みもあげられていたが、頭皮の乾燥や加齢によって、頭皮が血行不良になると、綺麗な髪が育たなくなってしまう。保湿しながら頭皮環境を整える日ごろのケアが大切となる。