「祝日と祭日って違いはあるの?」と疑問に感じている人も多くいるのではないでしょうか。本記事では、祝日と祭日のそれぞれの意味を詳しく解説します。この機会にぜひ祝日と祭日の違いを覚えてみてくださいね。
祝日と祭日に違いはある?
どちらも休日を意味すると思われがちな「祝日」と「祭日」。「祝祭日」と表記されることもあるので、2つの言葉は同じ意味だと思っている人も多いと思いますが、実は明確な違いがあります。
それぞれ、どのような意味を持つのか詳しく見ていきましょう。
祝日とは
祝日とは、国が法律で定めた公的な休日のことです。正しくは「国民の祝日」と言い、1948年に「国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)」として定められました。
日本の祝日は1年間で16日定められており、歴史的な出来事に由来するものや天皇誕生日が元になったもの、古くからの年中行事に由来するものなどがあります。
祭日とは
一方、祭日とは、皇室の祭典や神社の祭祀など宗教儀礼を行う日を指す言葉です。
かつては、皇室祭祀令という皇室の祭祀に関する法令で祭日が定められていました。しかし、これは1947年に廃止されたため、現在では存在しません。
かつて存在した祭日には、1月3日の元始祭、1月5日の新年宴会、4月3日の神武天皇祭、10月17日の神嘗祭、12月25日の大正天皇祭などがありました。
戦後の法律改定により祭日はなくなりましたが、以下は名前を変えて現在の祝日に受け継がれています。
- 紀元節(きげんせつ)……建国記念の日
- 天長節(てんちょうせつ)……天皇誕生日
- 春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)……春分の日
- 昭和天皇の誕生日……昭和の日
- 秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)……秋分の日
- 明治節(めいじせつ)……文化の日
- 新嘗祭(にいなめさい)……勤労感謝の日
祝日の種類
最後に、祝日についてもう少し詳しく紹介しましょう。
国が法律で定めた公的な休日である祝日には、「国民の祝日」「振替休日」「国民の休日」の3種類があります。それぞれどんな違いがあるのでしょうか?
国民の祝日
まず、「国民の祝日」は企業や学校が休みになる、国が定めた日のことで、年間16日あります。
- 元日(1月1日)
- 成人の日(1月の第2月曜日)
- 建国記念の日(2月11日)
- 天皇誕生日(2月23日)
- 春分の日(3月20~21日頃)
- 昭和の日(4月29日)
- 憲法記念日(5月3日)
- みどりの日(5月4日)
- こどもの日(5月5日)
- 海の日(7月の第3月曜日)
- 山の日(8月11日)
- 敬老の日(9月の第3月曜日)
- 秋分の日(9月22日~23日頃)
- スポーツの日(10月の第2月曜日)
- 文化の日(11月3日)
- 勤労感謝の日(11月23日)
上記の通り、「元日」のように日にちが固定されているものもあれば、「スポーツの日」のように「第○月曜日」として定められているものもあります。
また、「春分の日」と「秋分の日」は「~頃」となっており、日にちが固定されていません。この2つは、それぞれ「春分点」「秋分点」を採用しており、これらが年によって日にちが変わるものであるため、固定されていないのです。
「春分の日」と「秋分の日」を決めるのは国立天文台で、その年の太陽の位置などから算出し、毎年2月に翌年分の暦が官報の暦要項に記載されます。
振替休日
「振替休日」は「国民の祝日」が日曜日と重なった場合に、その日以降で最も近い平日を代わりに休みとする日のことです。休日が減らないようにするため定められました。
国民の祝日が土曜日と重なった場合は、振替休日は設定されないことも覚えておきましょう。
国民の休日
「国民の休日」は、前日と翌日を祝日に挟まれた平日を休日とするときの俗称で、現行法では「敬老の日」と「秋分の日」に挟まれる平日だけに設定されます。
敬老の日も秋分の日もそれぞれ毎年日にちが変わり、この条件が毎年整うわけではないため、国民の休日は不定期に現れるものとなっているのです。
まとめ
祝日と祭日の違いについて紹介してきました。
「祝祭日」という言葉を耳にすることもありますが、かつて日本にあった祭日は廃止となり、現在の日本の祝日を意味する言葉としては使えないので、混同しないように注意しましょう。