ドジャース、今オフも超大型補強に動いている!? FA市場で狙いたい有力…


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 オフシーズンに入り、FAとなる選手の動向が注目される時期となったメジャーリーグ。今季世界一に輝いたロサンゼルス・ドジャースでも、主軸として活躍したテオスカー・ヘルナンデスなど、今オフFAとなる選手の動向が注目を集めている。そこで今回は、ドジャースが狙うべきFA選手、注目選手について纏めた。(文:Eli)
 

今シーズンのメジャーリーグは
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投手の最大の補強ポイントは…?

 
 今オフのロサンゼルス・ドジャースの投手補強ポイントは、①イニングの食える先発投手(or頭数を揃える)、②ベテランリリーフである。
 
 ①は怪我人・若手が多い投手陣の重しとなるような経験があり、かつ一定のイニングを食える投手を求めている。②はFA流出の可能性があるブレイク・トライネン、ジョー・ケリー、ダニエル・ハドソン(引退)の穴を埋めるようなベテランリリーフが欲しいところだ。
 

 
注目する指標
 
 ・IP(イニング数)
 ・GS(先発数)
 ・ERA(防御率)
 ・FIP(守備独立防御率): 投手がコントロールしやすい四球・ホームラン・奪三振から推定した疑似防御率。守備の影響を排除できる。
 ・K-BB%(三振率-四球率): 2つの指標の引き算。投手の将来の目安となる
 ・Stuff+: 投手が投げる球の効果を物理的数値から測る(平均100)
 ・Location+: 投手が投げる球が理想的な場所に入ったかを測る(平均100)
 ・Pitching+: Stuff+とLocation+を融合させた投手の総合的実力を測る(平均100)

 
 ブレイク・スネル
 

 
 ①先発投手の候補としては、実力面ではFAトップのコービン・バーンズをしのぐ可能性があるブレイク・スネルだ。2023年にサイ・ヤング賞を受賞しFA市場にチャレンジしたが失敗し、サンフランシスコ・ジャイアンツとオプトアウト付きの短期契約を結んだ。
 
 昨オフの契約に失敗した原因はスネルの不安定さにある。2018年、2023年とサイ・ヤング賞を受賞し、複数回受賞した23人目の投手となったわけだが、その2年を除けばリーグ平均~平均以下程度で終わっているシーズンが多い。
 
 サイ・ヤング賞を受賞した2023年シーズンもFIPリーグ15位、K-BB%36位(min. 100IP)と圧倒的な投球をしていたわけではない。
 
 変わって今シーズン。スタートは躓いたが、シーズンを通してFIP2.43はリーグ2位、K-BB%24.2は7位と大きく改善させた。見た目、内容共に良くなり、チームの目に対してもパフォーマンスの信頼性は上がったはずだ。
 
 契約面では32歳と言う年齢から長期契約はどのチームも敬遠するはずで、短期高年俸となる。資金はあるが、枠を浪費したくないドジャースにとって良いフィットとなる。








今オフ注目左腕も“射程圏内”

 
ギャレット・クロシェ
 トレード市場で最も注目を集めているのがギャレット・クロシェだ。2020年のメジャーデビューから常時100マイル(約160キロ)を叩くリリーバーとして注目されていたが、2022年のトミー・ジョン手術後、今季から本格的に先発投手としての稼働を始めた。
 

 
 若干球速は落ちたが、それでも平均以上の速球と変化球を操り、今季の奪三振率35.1%はメジャー1位だ(min. 140IP)。シーズン終盤には横変化の大きいシンカーを導入するなど更なる進化の兆候も見せている。
 
 FAまであと2シーズンあり、獲得するならトレードとなるわけだが、シカゴ・ホワイトソックスはMLBレベルとプロスペクトで野手を欲しがっているとされている。
 
 ドジャースのファームには野手・投手共に才能ある選手が揃っているが、トップ1,2のドルトン・ラッシング、ホセ・デパウラはドジャースがあまり出したくないように見える。
 
 ラッシングは夏のトレード交渉の際にシカゴ・カブスから打診されたが断ったという情報があり、デパウラは過去に似たような選手だったヨルダン・アルバレスをトレード放出して苦い経験をしたことがある。
 
 プロスペクトを出したくない場合は相手の不良債権を引き取り、価値を圧縮するという手があり、ホワイトソックスには3年$49.3Mの契約が残るアンドリュー・ベニテンディーがいる。
 
 これを全て引き取る代わりに見返りを小さくさせることもできる。トレード巧者アンドリュー・フリードマン氏の腕の見せ所となりそうだ。
 

 
ニック・ピベッタ
 ニック・ピベッタはボストン・レッドソックスをFAとなった先発投手で、それほど評価されていないが、詳しく分析すると可能性の塊であることが分かる。
 

 
 防御率、FIPを見るとどちらも4.00近辺でバーンズやスネルと比べると見た目、投球内容共にそれほど素晴らしいとは言えない。
 
 一方で、過去2年併せたK-BB%は22.8%でリーグ5位(min 250IP)、Stuff+126は1位、Pitching+107は5位であり、投げている球、自分の球を投げ切る力は十二分に持ち合わせている。
 
 過去4年で106先発をしていることから、先発補強としては十分で、ドジャースの投手改造能力を使えば大きく化ける可能性がある。評価されていないことが逆に価格を下げるため、ローリスクハイリターンの選手となる可能性も高い。







補強候補となるリリーフ投手は…?

 
 ドジャース編成本部長のアンドリュー・フリードマン氏はリリーバーに投資をすることを嫌う。
 
 なので、あまり資金をかけずに最大限のパフォーマンスを引き出せる選手を考えてみる。ちなみにトライネンの再契約が最も可能性が高いが、ここでは割愛する。

 

 
 2021年シーズン途中にニューヨーク・ヤンキースにトレード後覚醒したホームスは、チームのクローザーとなったがシーズン途中にパフォーマンスが悪化し、ルーク・ウィーバーに取って代わられてしまった。
 
 これによりヤンキースファンからは多くのヘイトを受けているホームスだが、数字を俯瞰すると悪いリリーバーではない。
 
 目を引くのがStuff+の高さで、これは面白いように変化するシンカー、スライダー、スイーパーから来ている。オーバースローから繰り出されるホームスの球はどれも他に類を見ない落ち・曲がりを見せる。
 
 シンカーは異常な落ちを見せ、24年の平均打球角度はマイナスだった。これは即ちホームスのシンカーは平均的に地面に向かって打たれるということだ。
 
 またスライダー/スイーパーはリーグトップのStuff+183を叩き出し、3割は空振りとなる。後はこの球をどのように使うかを見つけ出せば良い。
 
 ホームスも前述のピベッタと同様に、高い評価を受けていないが化けると面白いタイプで、ローリスクハイリターンだ。31歳と言う年齢から単年実力証明契約でも良い。

 

 


 カービィ・イエーツとデイビッド・ロバートソンは共にテキサス・レンジャースをFAとなったベテランリリーバーだ。
 
 イエーツはフォーシーム/スプリットのコンビを武器とし、与四球率は高いものの、それを補って有り余るだけの空振りを量産する。24年シーズンの期待打率・防御率は共にメジャー1位だ。
 
 ロバートソンはフォーシーム/シンカーという通常の速球は投げずに、カッターとカーブで打者を抑える投手だ。イエーツ同様制球は怪しいが三振で補う。
 
 2人に共通するのは高年齢/好成績と言う点で、特にロバートソンは39歳と言う年齢からのパフォーマンス急降下の懸念からFA市場でも複数年契約は狙いにくい。契約規模にキャップがつくためローリスクとなるわけだ。
 
 今年のハドソンやケリーのように1000万ドル弱でのベテランリリーフ枠にぴったりの投手だ。


 


 
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【了】