米Mozillaは、11月27日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 133」をリリースした。Firefox 133は、Firefox 132からいつもと同じ4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 132では、2024年11月4日にマイナーバージョンアップの132.0.1が、2024年11月14日にマイナーバージョンアップの132.0.2がリリースされている。リリースされている。132.0.1では、以下の修正が行われた。
- 一部のサイトで、ビデオ再生において、連続的に問題が発生する問題の修正
- Firefoxの再起動後にテーマがデフォルト状態にリセットされる問題の修正。特にFirefox Colorアドオンを使用していると発生する
132.0.2では、以下の修正が行われた。
- 一部のストリーミングプロバイダーを通じて暗号化されたメディアコンテンツを再生する際に発生するエラーなどの修正
- 一部の環境からレポートされる重複したプッシュ通知の頻度を減らすための緩和策が追加
- システムの印刷ダイアログを使用しているときに、一部のサイトから印刷するとハングする問題を修正
- macOS版:Microsoft SSOを使用するときにクラッシュする可能性のある問題を修正
- 特定の状況で、ネットワークモニター開発者ツールのクラッシュが発生する可能性がある問題の修正
セキュリティ関連のフィックスは行われなかった。今回は、132.0.2からのアップデートとなる。
Firefox 133のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 133は、図2のようになる。
新規に、Firefox 133をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 133の新機能
続いて、新機能であるが、以下のとおりである。
- 新たなトラッキング防止機能であるバウンストラッキング保護が追加された。強化されたトラッキング保護の[厳密]モードで利用できるようになった。この機能は、リダイレクト動作に基づいてバウンストラッカーを検出し、Cookieとサイトデータを定期的に削除して追跡をブロックする。
- 他のデバイスのタブを表示するサイドバーが、タブ概要メニューから開くことが可能に。
- Windows版:GPUアクセラレーションのCanvas2Dがデフォルトで有効に。パフォーマンスが向上。
また、以下の変更・修正が行われた。
- Firefox Labsの[ピクチャーインピクチャー:タブ切り替え時に自動で開く]機能が、より広範囲のサイトでより確実に動作し、他のビデオを無視して関連するビデオを自動的に開くように。設定画面のFirefox Labsから有効にできる。
- サーバー時間が利用可能な場合、[expire]属性値は、サーバー時間とローカル時間の差を追加することによって調整される。現在時刻が将来においても有効となっている場合、サーバー時間から有効期限が切れていないCookieは有効とみなされる。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで17件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が2件、4段階で上から3番目の「Moderate」が9件、4段階で上から4番目の「Low」が6件となっている。「High」では、
- Apple GPUドライバーでのメモリ破損
- Firefox 133、Firefox ESR 128.5、Thunderbird 128.5で修正されたメモリ安全性の問題
が対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。