2025年度後期連続テレビ小説『ばけばけ』出演者発表会見が27日、NHK大阪放送局にて行われ、先日発表されたヒロイン・松野トキの夫で、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がモデルのヘブン役がイギリス出身の俳優トミー・バストウになることが発表された。トキ役の高石あかりと共に会見に参加したトミーは「精一杯頑張ります」と意気込みを語った。
連続テレビ小説『ばけばけ』は、松江の没落士族の娘・小泉セツがモデルの物語。外国人の夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に、「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心の物語に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語を届ける。
国内に限らず、海外からも参加したオーディションは、1767人(国内は246人、海外からは1521人[アメリカ1352人、イギリス149人、オーストラリア・ニュージーランド20人])という参加人数。『マッサン』のときは国内232人、海外289人、合計521人だったので、3倍以上の応募だった。
その中からヘブン役に選ばれたのがトミーだ。イギリス出身の33歳。ロックバンド「FranKo」を結成し、リードボーカルとして活動しながら俳優としても活動。2024年にエミー賞を受賞した『SHOGUN 将軍』にて、マルティン・アルヴィト司祭役を演じている。
会見には 制作統括の橋爪國臣氏、チーフ演出の村橋直樹氏も参加したが、村橋氏は「最初は海外からズームでお会いしました。そこで芝居をしてもらったのですが、今回は言葉がとても大切な役割を果たす物語。この夫婦は最後まで言葉が通じないなかでの夫婦生活だったのですが、通じない相手への言葉の伝え方がとても重要。トミーさんはそこに誠実さをズームでも感じ取れた。現場に来ていただき直接会って、さらにその思いは強くなりました」と選考理由を明かす。
会見はほぼ通訳なしで流ちょうな日本語を披露したトミー。「約10年間、独学です」と語ると「日本の文化を勉強したいと思っていました。映画などを見て勉強をしました。でもすごく難しい」と笑い、最近お気に入りの言葉は「臨機応変」だという。
ハーンと自身の共通点について「日本が大好きなところ、冒険が好きなところ、繊細なところ」と挙げると「ハーンさんは常に愛を求めていた人。でも求めれば求めるほど遠ざけてしまったりする。そこを丁寧に演じたい」と意気込み「朝ドラは2年前に日本語学校に通っているとき『ちむどんどん』を観ていました。あとはホストファミリーと生活しているとき『ブギウギ』も観ていました」となじみがあったよう。
この日トミーは和装で登場。隣の高石を見て「優しくて一緒に仕事をしたらとても楽しいだろうなと思います」と期待を口にすると、高石も「初めてお会いする前に、いろいろ調べてしまったんです。そのとき優しそうでお茶目な感じだなと思ったのですが、会ってみてよりその印象は強まりました」と、すでに息の合ったコンビぶりを披露していた。
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