「一軍にあまりいられなかったんですけど、自分のピッチングができて、すごくいいシーズンだったのかなと思います」。
ロッテの廣畑敦也は3年目の今季、ロングリリーフを中心に8試合・11回1/3を投げ、2ホールド1セーブ、防御率3.18の成績を残した。
今季初ホールドを挙げた6月15日の中日戦は素晴らしい投球だった。「ピンチからいって2イニングというところだったんですけど、自分の仕事はそこが一番メインになってくると思っている。気持ちを作って投げられているので、一番結果につながっているかなと思います」。ブルペンデーとなったこの日、1-0の5回二死一、二塁の場面で2番手・高野脩汰の後を受けて登板。廣畑はカリステを遊直でピンチを脱すと、イニングまたぎとなった6-0の6回はディカーソンを左飛、高橋周平を二ゴロ、細川成也を三ゴロとテンポよく3人で片付ける。7回は二死走者なしから村松開人にセンター前に運ばれたが、加藤匠馬を右飛に仕留め、2回1/3・29球を投げ、1被安打、無失点に抑えた。
7月10日の楽天戦では、14-1の6回表が始まる前のイニング間に「風を感じてこいということだと思うんですけど、投げている時追い風だったので変わらなかったです。風の確認です」と、ライト・藤原恭大とキャッチボール。
廣畑は18-2の7回からマウンドに上がり、「3イニング任せてもらったというのが一番嬉しいことなんですけど、ああいう試合だとテンポはもっと大事になってくる。1イニング目、2イニング目も失点してしまったので、油断していたとか気持ちの緩みとかではないんですけど、そういったところを風だったり、そういうポジションなので、役割というのをしっかりテンポよくできれば。9回は0で抑えられて良かったと思います」と3失点を喫したが、プロ初セーブをマークした。
続く7月14日のオリックス戦で、1回を無失点に抑えたが翌15日に一軍登録を抹消。結局、その後一軍登板することなくシーズンが終了した。どのような思いでファームで過ごしていたのだろうかーー。
「順番というか、役割というところもあっての抹消だったと思うので、自分の長所を落とさずにしっかりやっていこうと決めていた。上での課題も潰しながら二軍で過ごしていました」。
上での課題とは具体的にどういった部分なのだろうかーー。
「変化球の精度はまだまだ良い日もあったし、悪い日もあったという感じだったので、そこをしっかり修正できるようにコーチの方からも言われたのでそこをやっていました」。
廣畑は今季に向け自主トレでは“70点で良い”、“リリースの部分で点ではなく線で投げること”を意識して取り組んできたが、そこに関しても「70点でいいという気持ちで投げてはいる。その中でも今年は四球を出さないというのを1つの目標に頑張っていたので、そこが今年は一軍でゼロで終われたのが一番、線で投げているを体現できて、ゾーンで勝負するところに繋がってきた。四球を出す場面が来ないようにできたのかなと思います」と振り返った。
この秋は「打ち取るタイプのピッチャーではありますし、もちろん三振を取らなきゃいけないんですけど、バッターとの駆け引きの中で、あとは自分で何ができるかというところでリリースポイントを栗原コーチと話をしました。バッターはどういうピッチャーが打ちにくいのか、長く持たれている方がバッターが出されるし、詰まらされるので、打ちにくいよと言われたのでそういうところをやっていこうかなと思います」と栗原健太打撃コーチからバッター目線でアドバイスをもらったことを取り組んだ。
栗原コーチに自ら質問しにいったのだろうかーー。
「どんなピッチャーが嫌ですかと聞きました。朝ストレッチとかで一緒になるので、3割打っているバッターの方なので自分にプラスになればと。投手だけでなくバッター側からもどうだったら嫌ですかと。変化球、真っ直ぐが速いとかは別の問題だと思うので、ピッチャーがどれだけ球を持ってくるかが打ちやすさが変わってくる。フェニックス前から課題にして、二軍の時からやってきたので、結構良かったかなと思います」。
来季はプロ4年目。社会人でプロ入りしており、年齢で言えば来季28歳にあたる。そろそろ一軍で目に見える結果が欲しいところ。「(投手)コーチからも1年間一軍でと言われているので、そこは応えていかないといけないところ。3年目終わって、4年目は勝負だと思っている。しっかり勝負していかないと思うので、しっかりやるだけかなと思います」。栗原コーチからの助言、これまで取り組んできたことを線に繋げて、結果を残すシーズンにして見せる。
取材・文=岩下雄太